リモートワークとは?企業がリモートワークを導入するメリットと注意点!

リモートワークという言葉を頻繁に聞くようになりました。企業が従業員をオフィス縛ることなく、比較的自由な働き方を提供する概念が今、働き方を変えようとしています。

しかし、すべての企業が世の中の流行りに乗ってリモートワークを導入すればよいというわけでもありません。

そこで今回は「そもそもリモートワークとは何なのか?」リモートワークを実際に導入している企業の例を交えながら、リモートワークを導入する場合のメリットと注意点を紹介します。

リモートワークとは?

リモートワークとは、従業員や雇用関係にある人材が、社外から遠隔で仕事を行うひとつの業務形態です。

2018年からテーマとなっている『働き方改革』。リモートワークはそこに関わるキーワードでもあります。同じ企業で働く従業員の働き方は、必ずしも同じでなくても良いという、従来の就業スタイルを大きく変える手段です。

従業員から見れば、会社への通勤時間を削減できたり、時間や空間にとらわれない働き方が健康状態にも影響すると言われています。

リモートワークは従業員側のメリットが大きくクローズアップされ、企業側からすれば、これまでの就業体制を大きく変えることはデメリットに見えるのも確かです。

しかし、リモートワークを紐解いていくと、実は導入する企業側にもメリットがあることがわかります。

リモートワーク導入のメリット

リモートワークの導入にはそれなりの準備が必要ですが、もちろん企業側にもメリットがあります。企業側の代表的なメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

  • コスト削減
  • 稼働率の向上
  • 地域制限のない人材採用

コスト削減

リモートワークの程度にもよりますが、例えば完全にリモートワークを導入し、従業員が出勤するのは月に数回だった場合、環境コストが削減できます。

オフィスに従業員が集まるという概念がなくなれば、デスクや机、その他共用備品などは必要ありません。また、従業員全員の集合という機会がなければ、広いオフィスすら要らなくなるのです。

また、毎日の通勤がなくなることで、交通費も削減できます。従業員全員の定期代がまるまるカットできます。

もちろん、リモートワークを導入する上で制定されるルールにもよりますので、週に数回、従業員がオフィスで仕事をしなければならない、あるいは月に一度全員が集まる会議などを設ける場合には、それなりの場所を用意する必要があるでしょう。

しかし、基本的には、リモートワークを導入することでいくつかのコスト削減を実現することは可能ということです。

稼働率の向上

リモートワークは、ある程度自由な環境で従業員が業務を行えます。

例えば、オフィス内での同僚との私語や、縛られているストレスからも解放されることで、業務を妨げるものを除外することができ、仕事に集中することが可能です。

もちろん、仕事環境は従業員が整えなければなりませんが、個々が集中できる環境を見つけ、他の従業員や上司の目を気にせず自由にリフレッシュできる環境を作ることで、稼働率は自然に上がります。

地域制限のない人材採用

企業が人材を探すときには、勤務地という物理的な距離を意識しなければなりません。関東圏では片道の通勤に2時間という従業員も珍しくありませんが、その辺が限界でしょう。

しかし、リモートワークを導入することで、日本全国、あるいは世界を視野に入れて人材を探すことができるのです。

リモートワークのルールさえ明確にしておけば、業務自体はどこでもできる環境ですので、地方在住の優秀な人材を採用したい場合も、わざわざ関東圏へ呼び寄せることなく、リモートワークでの業務をしてもらうことで、地域制限のない人材採用が可能になります。

これは、企業にとっても最大のメリットになるでしょう。

リモートワーク導入の注意点

リモートワークの導入は、もちろんメリットだけではなく、導入する上での注意点があります。リモートワーク導入を検討する場合に意識しておかなければならない注意点は以下のようなものが挙げられます。

  • セキュリティ措置
  • ルール制定の難しさ
  • 対面によるコミュニケーションの減少

セキュリティ措置

リモートワークは基本的に、インターネット上で情報のやり取りを行います。ですので、リモートワークに利用するPCやその他周辺機器、利用するネットワーク環境に至るまで、セキュリティを強く意識しなければなりません。

リモートワークは自宅がメインではなく、インターネットがつながる場所、すぐに会社と連絡ができる場所であれば、環境は基本的に従業員に任せることになります。

もし、ITリテラシーの低い従業員がいた場合、インターネットカフェを利用して仕事をする人も出てくるかもしれません。

カフェでリモートワークを行う従業員が、利用しているPCをテーブルに置いたまま、席を離れてしまうといったことも考えられます。

リモートーワークに欠かせないセキュリティ措置は、PCやネットワークを基本として、従業員のITリテラシーの向上も含まれることを意識する必要があるのです。

ルール制定の難しさ

リモートワークを導入する企業は、そのルールを厳密に決めなければなりません。

従業員が一日に行う業務管理方法。利用するPCや機器に対するセキュリティレベルの統一。業務上の連絡手段とタイミング。業務を行う上で適切といえる環境のガイドラインなどです。

もちろん結果として成果物が期日までに上がれば良いというルールの上で、その他の業務遂行方法は従業員の正しい判断に任せる方法もあるでしょう。

しかし、リモートワークを行う従業員を管理することの難しさは並大抵ではありません。

Webシステムを利用したタイムカード管理や、進捗報告管理方法を明確にしておかなければ、いずれ崩壊してしまう可能性すらあるのです。

リモートワークの導入では、まず管理者側が利用するべきガイドラインを制定しておくことが、成功への第一歩となるでしょう。

対面によるコミュニケーションの減少

リモートワークでは、従業員は個々が望む環境で業務を行います。連絡はインターネットを通したWebシステムや携帯電話がメインとなるでしょう。

つまり、全員が対面によってコミュニケーションをとる機会が激減するということなのです。

ひとつのオフィスに皆が集まって業務を進める際には、近くのデスクでちょっとした打ち合わせも行えますし、近くの同僚の進捗やフォローも容易です。リモートワークでは、それが皆無になるのです。

従業員同士が顔を合わせず、業務だけが進行していくことは、一見効率が良いというメリットが強調されますが、プロジェクトの仲間の顔をほとんど知らなかったり、相手の仕事のクセがわからない、といった事態につながります。

対面によるコミュニケーションの減少は、チーム意識の薄れや団結力からの士気向上などが望めない可能性が高いのです。

企業のリモートワーク導入事例

実際にリモートワークを導入している企業には、やはり規模の大きな企業やITに深く関わる企業が目立ちます。ここでは、企業のリモートワーク導入事例を紹介します。

ChatWork株式会社

ビジネス用のチャットツールを提供する『ChatWork株式会社』は、創業当時からリモートワークを導入していました。

東京と大阪のオフィスに分かれており、出張頻度も高かったことから、リモートワークという環境を常に意識していたようです。

もちろん、全てがリモートワークではなく、対面でのコミュニケーションも大切だと考えており、デジタルとアナログの棲み分けを意識的に行なっています。

また、オフィスで働く従業員とリモートワークの従業員をビデオチャットでつなぐため、オフィス内では全員にスピーカーやイヤホンを配布したり、オフィス内でビデオ通話をすることに面倒さを感じないための工夫を重ねています。

ビデオ機能を使うことで対面に近いコミュニケーションも取れるため、スペースの広い会議室は使わなくなったようです。

それでも、雑談が生まれるような「楽しいオフィス」はあった方が良く、対面コミュニケーションの大切さは守っています。

日産自動車株式会社

全社員を対象に在宅勤務制度を導入しているのは『日産自動車株式会社』です。

高齢となった両親の介護や、育児や家事も両立する女性社員にとって、非常に評判が良いとの報告もあります。

在宅勤務とリモートワークでは、作業をする場所に対する制限が多少違いますが、日産では、チャット・音声テレビ会議システムを導入し、勤務の開始時間や終了時間、仕事状況に合わせた状態表示(連絡可能や一時退席中など)を行うことで、企業側が従業員の勤務状況を把握できる仕組みも確立しています。

株式会社リクルートホールディングス

『株式会社リクルートホールディングス』は、日数上限なしのリモートワークを導入しています。

これまで、労働時間が長かったことや営業効率の悪さ、働き方の多様性といった面をリモートワークの導入で改善しています。

従業員がリモートワークを利用することで、オフィスにとらわれた長時間労働から解放。また、午後の営業アポイントのために午前中はオフィスで待機するなどの効率の悪さも解消されます。

リモートワークの導入とともに、社内にフリーアドレス制も導入することで、固定席というコストの削減が削減できます。

また、固定席をなくすことで、リモートワークをする従業員の席だけが空いているという心理的負担もなくし、社内社外で業務を進める従業員がほぼ同等の環境になる工夫をしています。

リモートワークと似ている・間違われる言葉

リモートワークの類語について解説していくことを伝えてください
社外で業務を行う方法としては、リモートワーク以外にもいくつかの用語があります。

これらは、異なる意味で使われているものもありますので、それぞれの用語の違いを確認しておきましょう。

テレワーク

テレワークは、ネットワーク(インターネットなど)を利用して、場所や時間を制限されずに業務を行うスタイルを指します。働き方改革では正式な文書として「テレワーク」の文言に統一されています。

テレワークについては、リモートワークという用語と同等の意味で使われます。

ノマドワーク

ノマドワークとは、場所や時間に制限されずに仕事をして、収入を得る生き方を表す用語です。

このような生き方をする人をノマドワーカーと表現します。主に個人事業主がカフェなどで仕事をするスタイルです。

企業が従業員の働き方として導入する制度とは意味合いが違い、あくまでも個人の働き方を表す用語でした。

しかし、カフェや自宅で制限なく働く場合でも、企業や事業主と契約を交わして働くという意味では、リモートワークやテレワークと同じニュアンスで使われることがほとんどです。

モバイルワーク

モバイルワークもまた、時間や場所にとらわれない働き方を表す用語で、テレワークの一種です。

ICT(情報通信技術)を利用して、遠隔でコミュニケーションをとって業務を進めます。具体的には、スマートフォンや電話を使ったモバイル端末を利用したワークスタイルです。

在宅勤務

在宅勤務もまた、リモートワークの一種ですが、主に自宅で業務を行うワークスタイルを指します。

リモートワークは、自宅はもちろんカフェや移動中などでも、インターネットを介して業務を行うのに対し、在宅勤務は基本的には自宅に業務環境を置きます。

携帯電話や無線LANが街中に普及するまでは、自宅の固定電話やネットワーク回線を利用していたため、在宅でなければ業務が進めにくい環境でした。

もちろん、セキュリティ面を考慮して在宅での業務のみを許可する企業も存在しますので、在宅勤務とリモートワークでは、業務を行う場所には違いがあります。

リモートワークは「どこでも」業務ができる、在宅勤務はリモートワークの中でも「自宅のみ」で業務ができる、といった区別で問題ないでしょう。

まとめ:リモートワークは業務内容によっては効率化を図れる

リモートワークは、企業側にも従業員側にもメリットがある働き方です。ただし双方に注意すべき点があることも意識しておかなければなりません。

企業がリモートワークを導入する際には、はじめのうちは管理する側にも従業員側にもしっかりとガイドラインを作る必要がありますし、リモートワークにはIT環境を構築する知識が必要不可欠ですので、セキュリティ面も含めた準備が必要です。

業務内容によってはリモートワークに適していないものもありますが、場所や時間に縛られない働き方が、業務効率を上げることも大いに期待できます。