コーピングとは?ストレスコーピングで心を健康に保つ方法を解説!

職場の人間関係や仕事の負荷など、さまざまな原因でストレスを抱えている人たちがいます。

ストレス自体はいつの時代にも存在していましたが、近年その対処法は原因によって分類され、個々のストレス要因に合った対処方法(コーピング)が提示されています。

貴社にもストレスに悩んでいる従業員は少なからずいるのではないでしょうか。

今回は、そもそもコーピングとは何なのか、その種類を確認しながら実践方法までを紹介します。

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コーピングとは?

コーピングとはストレスコーピングとも呼ばれ、ストレスの対処方法を指す言葉です。

例えば、仕事に関するストレスでも、職場の人間関係や膨大な仕事量、前日に起こしたミスや連日続く残業など、個人によってストレスを感じる原因はさまざまです。

もちろん、決められた時間に出社することが苦痛な人もいれば、満員電車が苦手な人もいます。そもそも仕事自体が向いていないと悩んでいる従業員もいるかもしれません。

これらストレスを分類し、それぞれに合わせたコーピング(対象方法)が存在します。

コーピングは、仕事だけではなく日常生活でのストレス対処にも使える方法ですので、知識として知っておくだけで自分自身にも効果がありますし、従業員へのアドバイスとしても有益な情報です。

コーピングの種類3つ

コーピングは、ストレスの状況や種類によって対応しており、一つに統一された方法ではありません。

コーピングを行うにはまず、どのコーピングが効果的であるかを判断する必要があります。

大きく分類されたコーピングは、以下の3つの型に分かれます。

  • 問題焦点型
  • 情動焦点型
  • ストレス解消型

問題焦点型

問題焦点型とは、ストレスの原因を根本から解決するコーピングの種類です。

ストレスの原因はさまざまですが、ストレスの根本となるものを取り除くことができれば、これ以上に単純な解決方法はありません。

ストレス原因自体に働きかけるため、解決すればストレスを感じることがなくなるでしょう。

しかし、ストレス原因がモノであればそれを排除するだけで良いかもしれませんが、原因が人間関係などの場合には、アプローチが難しいことも事実です。

情動焦点型

情動焦点型とは、簡単に言えば感情をコントロールするコーピングの種類です。

ストレスの根本原因を断つことがどうしても解決が難しい場合、その根本原因から自身が受ける感情をコントロールするのです。

不安や憂鬱、苦しさや辛さなど、個人に起こる感情は、ストレス原因が排除できない限り続くと思いがちですが、上手くコントロールすることでストレスへの対処が可能です。

ストレス解消型

ストレス解消型は、ストレスを感じた時に、原因に対する直接の対処や感情をコントロールするのではなく、溜まったストレスを後に解消するコーピングの種類です。

ストレス解消型のコーピングは、ジムや飲み会やカラオケといった日常生活において、多くの人が意識的に、あるいは無意識に行なっています。

ストレス解消型のコーピングを知ることで、ストレスが溜まったと感じた時に効率的な対処ができるようになるでしょう。

【種類別】コーピングの実践方法

コーピングは大きく3つの型に分類されていることがわかりました。では、具体的にはどのような働きかけを行うのでしょうか。

ここでは、それぞれの型に対応するコーピングの実践方法を解説していきます。

問題焦点型のコーピング

問題焦点型のコーピングでは、ストレスの原因そのものに働きかけます。

自身の努力はもちろん、周囲の人に協力してもらうなどの手段も必要です。

例えば、職場の人間関係が原因の場合には、部署や勤務地を変えてもらうという方法が考えられます。担当する業務の負担が大きくストレスを感じてしまう場合には、対象の業務から外してもらうといった対処を考えます。

いずれにしても、ストレス原因の根本へアプローチして、状況を変化させることでストレス軽減へつなげます。

ストレス原因となる対象を変化させることが可能であれば、もっともわかりやすいコーピングです。

情動焦点型のコーピング

情動焦点型のコーピングでは、問題焦点型のようにストレス原因に直接アプローチするのではなく、ストレスを感じる自身の感情をコントロールします。

例えば、職場の人間関係が原因の場合には、「世の中にはいろいろな人間がいる」「中には気の合う人もいる」「苦手な人への対処を学ぶ機会を得た」というように、現状の良い面を感じ取る方法を考えます。

また、自分だけで感情をコントロールするのは非常に困難ですので、意図的に感情を表に出したり、親族や友人などに自身の話を聞いてもらうなど、共感が得られる状況を作り出すことが効果的です。

共感やアドバイスをもらうことで、ものの見方や感じ方を変化させることが可能になるでしょう。

メンタルをコントロールするのは非常に難しい方法ですが、問題を認知することで環境に適応する方法は、その他の場所で直面する同じような問題に対しても効果的です。

ストレス解消型のコーピング

ストレス解消型のコーピングは、その名の通り溜まったストレスを発散する方法です。

たとえ人間関係が原因でも、仕事の負荷が原因でも、原因そのものにアプローチするものでもなく、感情をコントロールする方法でもありません。

日頃から受けるストレスを、定期的に発散するタイミングを意図的に作るのです。

この方法は比較的多くの人が取り入れているかもしれませんが、運動やカラオケなどで体を動かすことや、旅行をすることで非日常を感じることは非常に効果があります。

また、マッサージや瞑想などのリラクゼーションを習慣化することで、落ち着く瞬間を作り出せば、心に余裕を持つための助けになります。

コーピングを実践する際の注意点

コーピングはストレスを軽減し、従業員のメンタルヘルスに効果的です。

ただし、コーピングを実践する際には注意点もあります。ただコーピングを導入すればよいというわけではなく、そもそものストレス原因についての対策なども考える必要があります。

コーピング実践で注意すべき点には、以下のようなものが挙げられます。

  • コーピングのガイドラインの存在を明確にする
  • 環境そのものにも配慮する
  • コーピングで完治することはない

コーピングのガイドラインの存在を明確にする

企業でコーピングを導入し実施する場合には、コーピングのガイドラインの存在を明確にしておく必要があります。

どのような状況でコーピングが必要になるのか、企業側が気づくためにも役立ちますし、コーピングが実施されていることを従業員に周知されていることも大切です。

コーピングの存在が明確になっていなければ、従業員自身もコーピングが必要な状況に気づかない、あるいはオープンにできない可能性があるからです。

コーピングを必要とする従業員は、すでにメンタルが弱くなっている可能性が高いため、できるだけ早く解決するためにも、制度そのものを周知しなければなりません。

環境そのものにも配慮する

コーピングを実施している企業であっても、対象者が多い場合には仕事環境、あるいは職場の人間関係が円滑でないという環境責任も考慮する必要があります。

個々のメンタルを正確に把握することは非常に難しいことですが、コーピングを必要とする従業員が過ごしている環境を見直すことで、根本的な原因を把握できる可能性もあります。

複数の従業員がメンタル的なダメージを受けている場合、環境そのものを確認し、配慮する必要があります。

コーピングで完治することはない

コーピングを実施する上でもっとも注意すべき点は、コーピングが特効薬ではないということです。

ストレスの軽減を実現することはできますが、ストレス原因をすべて排除することはできませんし、コーピングを実施した従業員のメンタルが完治するわけでもないのです。

コーピングはあくまでも「ストレスを軽減する方法」であり、きっかけを作る手段です。

コーピングを実施することで、従業員のメンタルが少しずつ回復するように、マネジメントしていくことが重要です。

まとめ:コーピングは制度として取り入れる

ストレス社会といわれる現代、企業は制度としてコーピングを取り入れることを考慮した方が良いでしょう。

そのためには、コーピングの概要から実施方法を明確にし、コーピングを実施している事実を社内に周知することも重要です。

もちろん、コーピングが必要ない環境を作ることも大切ですが、ストレスを感じる原因は個々で違います。

メンタルが不安定な従業員が、コーピングに頼れる制度づくりは、企業にとっても従業員にとっても必要なものだと言えます。