フレックスタイム制とは?企業事例から導入のメリット・デメリットを解説!

近年ベンチャー企業を中心に様々な企業で「フレックスタイム制」が取り入れられていることをご存知でしょうか?

働き方改革が行われる中で、従業員が柔軟に働きやすい環境を提供するためフレックスタイム制を導入する企業も増えてきており、一部の求職者の中では高い優先事項としてあげられるなど広く浸透し始めています。

フレックスタイム制は、導入することによるメリットもありますが少なからずデメリットも存在するため、制度の中身をしっかりと把握しておくことが大事になります。

そこで本記事では、フレックスタイム制導入を検討している担当者の方向けに、制度を導入することによるメリット・デメリットから導入事例までをご紹介していきたいと思います。

ぜひご自身の企業がフレックスタイム制を利用するべきかの参考情報としてご確認ください。

フレックスタイム制とは?

フレックスタイム制とは、「始業時間や終業時間を従業員が各自で決める」ことが出来る働き方を指します。

フレックスタイム制を導入する場合、就業規則などに制度を導入する旨を記述した「労使協定」を従業員と企業の間で結ぶ必要があります。

日本の企業では一般的に「コアタイム」「フレキシブルタイム」の時間を設けた上で、フレックスタイム制を導入している企業が多いようです。

コアタイムでは、1日の労働時間のうち従業員が必ず働かなければならない時間を設定します。

フレキシブルタイムでは、コアタイムを除いた時間の中で、規定時間に不足する時間を従業員の裁量で決定することが出来る時間となります。

また、フレックスタイム制の特徴として、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働くことが可能になる点があげられます。

企業と従業員間であらかじめ設定した労働時間を超えない限り、残業とはならないのが特徴です。

フレックスタイム制を導入するメリット

フレックスタイム制を導入することで得られるメリットは様々ですが、全体を通して従業員の「作業効率化」が期待出来ます。

また、柔軟な働き方を提示することにより、従来の労働時間では働きに出ることが難しかった優秀な人材を雇える可能性も高くなります。

それぞれのメリットについて下記で詳しくご紹介していきます。

  • 従業員のストレスが軽減
  • 優秀な人材の確保で有利に
  • 生産性の向上

従業員のストレスが軽減

従業員のストレスの原因として、通勤ラッシュによる疲労が頻繁にあげられます。
企業で働く以上、基本的には通勤は避けては通れません。

しかし、フレックスタイム制を導入することにより、通勤ラッシュの時間帯をずらして仕事を開始することが出来るため、大きなストレスの軽減に繋がります。

また同時にランチタイムの時間をずらせることも多く、店舗が混雑する時間を避けてランチ休憩を取ることも可能となります。

他にも平日にしか出来ない用事(役所手続きなど)を完了させてから出勤出来るなど、多くの従業員が抱えている、企業に対する不満以外のストレスを軽減出来るメリットが生まれます。

優秀な人材の確保で有利に

フレックスタイム制を導入することにより、従来の勤務時間帯では採用することが出来なかった優秀な人材を確保出来る可能性も高まります。

まず例としてあげられるのが子育てを両立している方です。
子供の面倒をみてから出勤したいといった方や子供を保育園に迎えにいくため早めに退勤したいといった要望は多くみられます。

フレックスタイム制を導入することで、高い能力を持っているのに時間の関係で働けなかった方の採用に繋がります。

また近年では、特に特殊な事情がなくても柔軟な働き方を求める人材は多く、特に優秀な人ほど企業を選ぶ際に、フレックスタイム制を含めた様々な福利厚生の有無をチェックしています。

生産性の向上

人間には誰しも得意・不得意があり勤務時間においても同じことが言えます。
持っているスキルは十分なのにどうしても朝が弱いといった方や、逆に朝早くから働いた方がパフォーマンスを発揮できるなど、それぞれ特徴は異なります。

フレックスタイム制を導入し、従業員に自由に勤務時間を選択してもらうことで各個人がもつ最高のパフォーマンスを提供してくれることにも繋がるでしょう。

フレックスタイム制を導入するデメリット

フレックスタイム制を導入することはメリットばかりでなく、デメリットも出てきます。
主なデメリットとなるのは、従業員の自己管理能力次第でルーズな働き方になってしまう恐れがあることです。

また社内・社外の双方で会議などのためにスケジュール調整が必要になることも問題点としてあげられるでしょう。

それぞれのデメリットについて下記で詳しくご紹介していきます。

従業員の自己管理能力に依存する

フレックスタイム制は、従業員が個人で働く時間帯を決められることから自己管理能力の低い従業員は勤務時間にルーズなりがちです。

無駄な残業を行なうことに繋がったり、休憩時間を規定よりも多く取るなどの従業員が出てくる可能性も考えられるため、しっかりとした管理体制を敷くことが必要となります。

従業員同士のコミュニケーションが取りづらくなる

従業員同士のコミュニケーションが取りづらくなることも、フレックスタイム制を取り入れるデメリットとなります。

各従業員が自由に勤務時間を決めるため、チームとして活動する際にはそれぞれが確認したいことをすぐに質問できない、ミーティングを開くタイミングが難しいなど時間の調整で様々な問題が生まれます。

コアタイムを設けるなど一定の規則を設けることも重要となってくるでしょう。

取引先との連絡に調整が必要となることも

フレックスタイム制は従業員が自由に働く時間を決められる制度ですが、取引先との連絡などが必要な場合には時間の調整が必要となるため、現実的には従業員の思い通りに労働時間を設定することは難しくなります。

ある程度ルールを定めた上でフレックスタイム制を導入しておかないと、従業員を採用してから当初の説明と違うと従業員が感じ、不満が募る可能性が高くなってしまいます。

フレックスタイム制の導入を成功させるポイント

企業としてフレックスタイム制を導入するからには、必ず成功させたいものです。

曖昧な状態でフレックスタイム制を導入すると、導入前よりも企業としての成果が落ちてしまうことにも繋がりかねません。

ここからは、フレックスタイム制の導入を行うにあたり、ぜひ検討してもらいたい「成功させるためのポイント」についてご紹介していきたいと思います。

  • コアタイムなどの制限を設ける
  • マネジメント能力の高いリーダーを配置する
  • ルールをしっかりと定めた上で取り入れる

コアタイムなどの制限を設ける

フレックスタイム制を導入する上で特に気にしておかなければならないことは、チームメンバー全員が揃う時間がなくても問題ないかということです。

大抵の企業では進捗確認や会議・打ち合わせなど各部署毎やチーム毎に一定の周期で確認を行います。

しかし、フレックスタイム制を導入し全員がバラバラに出勤するとタイミングを合わせることが難しくなってしまい、結果として確認事項が曖昧になってしまうことに繋がります。

コアタイム(全従業員が働く時間帯)制度などを取り入れることで打ち合わせを確実に行える時間を確保出来るため、フレックスタイム制での懸念を払拭することが可能となるでしょう。

マネジメント能力の高いリーダーを配置する

フレックスタイム制でしばしば問題となるのが、従業員自身で働く時間を調整出来ることにより、怠けがちになる従業員も出てくるということです。

また逆にせっかくフレックスタイム制を導入しているにも関わらず、会社側の都合で出勤する時間を決められたり残業が発生したりするなど、フレックスタイム制を活用出来ていないケースも見られます。

マネジメント能力の高いリーダーを配置することにより、各従業員個人の裁量を最大限考慮した上でチームとしてもうまく機能するように調整することが可能となれば、企業としても従業員としても満足のいく結果となるでしょう。

ルールをしっかりと定めた上で取り入れる

フレックスタイム制を導入すると残業代などの支払いで企業と従業員が揉めるケースが少なからず見受けられます。

フレックスタイム制を導入している場合でも、みなし残業などの制度を設けている企業もあり一概には定義することが出来ませんが、規定時間を超えた部分に関しては残業代が発生します。

企業としても、従業員が月にどれくらいの時間働いたのかを確認する仕組み作りを行わないと曖昧になってしまいます。

企業と従業員間でお互いに不信感を持たないためにも導入前のルール作りはしっかりと行っておくべきでしょう。

フレックスタイム制を導入している企業の事例

ここからは具体的に、フレックスタイム制を実際に導入している企業の事例をご紹介していきたいと思います。

各企業の取り組み方を確認し、自社でフレックスタイム制を取り入れる際の参考にしてみてください。

アサヒビール

フレックスタイム制の導入事例としてよくあげられるのが「アサヒビール」です。

アサヒビールでは、コアタイムを利用しないスーパーフレックスタイム制と呼ばれる仕組みを導入しています。

ビデオ会議などの社員同士のコミュニケーションを取りやすい環境を提供し、また進捗管理などにも力を入れることで従業員の生産性をしっかりと管理出来ているようです。

旭化成ホールディングス

旭化成ホールディングスでは将来を見据えてのフレックスタイム制導入として注目を集めた企業です。

今後の高齢化により介護負担が増えることが予想されるため、社員に「より柔軟な働き方を提供しよう」ということで取り組みが始まりました。

旭化成ホールディングスの特徴としては、フルタイム勤務を原則としているため、出世や昇級などに影響がありません。

全ての従業員が同様に扱われるため、周りを気にすることなく制度を利用出来る環境作りを行っています。

ソフトバンク

ソフトバンクでもアサヒビールと同じく、スーパーフレックスタイム制度を提供しています。

また、週1回の在宅勤務制度も合わせて利用出来るなど、他の多くの企業よりも更に自由な働き方が推奨されています。

ソフトバンクの考え方として、「メリハリをつけて従業員が最も効率的な時間帯を使って働けるようにする」ことを目的としています。

1万人規模での制度導入を成功させており、従業員に柔軟な作業環境を提供しています。

まとめ:フレックスタイム制は企業・従業員共に有益な制度

本記事ではフレックスタイム制のメリット・デメリットを初め、導入事例などをまじえながらご紹介してきました。

結論としてはフレックスタイム制は企業・従業員共に有益な制度です。

本文中でも説明しましたように、ある程度のルール作りを行う必要はありますが、うまく導入することで従業員に働きやすい環境を提供し、企業としても最大限の効率化が行えるようになり業績も好転することが期待出来ます。

これからはますますフレックスタイム制を導入する企業が増えていくことが予想されるため、ぜひ本記事の情報を参考に企業での導入を検討してみるのはいかがでしょうか。