オンボーディングとは?新入社員を即戦力化する方法

離職率の高さが課題だと感じている企業は多いですよね。

離職率が高いと社内に知識が蓄積しにくくなることに加えて採用活動にかかるコストも大きくなってしまいがちです。

そこで近年注目されているのがオンボーディングという人材育成の方法です。

部署や事業所はもちろん、会社全体が新入社員を受け入れる体制を整えることで離職率を低下させたり早期に成果を出してもらうことが期待できます。

この記事ではオンボーディングとは何かということに加えて、オンボーディングに期待できる効果や注意点、実際の施作例などについて解説します。

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オンボーディングとは

オンボーディングとは、船や飛行機に乗っていることを指す「オンボード」という言葉が語源となっています。

新規に入社した人を対象に、周囲の人がサポートをすることで、すでにある会社組織に早くなじみ本来の実力を早期に発揮しやすくなるようなやり方のことをオンボーディングと言います。

オンボーディングの対象となるのは新卒の新入社員だけではありません。

中途採用で仕事のスキルを持っている社員でも、それぞれ異なる企業風土や人間関係になじむためには時間がかかってしまうことがあります。

新卒社員だけでなく、中途採用の人を含めた「新しく会社に入ってくる全ての人」を対象にすることがオンボーディングには重要になります。

また、よくある新入社員研修のように短期間で終わるのではなく、継続的に行われるというのもオンボーディングの特徴です。

なぜオンボーディングが注目されるようになったのか?

オンボーディングが注目されるようになった背景には、離職率が高かったりや中途採用の人が本来の実力を発揮できないなど、採用活動にかけたコストに対してそれに見合うリターンが得られないという悩みがありました。

そのコストパフォーマンスを高められないかと考えた時に注目されたのがオンボーディングです。

早期に離職してしまう原因のひとつとして、入社後に研修やフォローを受けられる期間が短いことがあるのではないかと考えられました。

そのため、今までよりも手厚いフォロー体制としてのオンボーディングが活用されるようになったのです。

オンボーディングで期待できる3つの効果

  • ①新入社員に、短期間で成果を出してもらうことができる
  • ②早期退職者が減り、採用コストの低下につながる
  • ③社員の会社に対するエンゲージメントが高まる

①新入社員に、短期間で成果を出してもらうことができる

新入社員が成果を出すために乗り越えなければいけないハードルは、直接的にスキルで解決できるものだけではありません。

例えば、経費の清算などの事務手続きについても入社したばかりの頃は誰かに聞かなければわかりませんし、場合によっては誰に聞けば良いのかわからないということもあります。

そうしたハードルをオンボーディングによって乗り越えやすくしてあげることで新入社員が成果をあげるまでの時間を短縮することにつながります。

②早期退職者が減り、採用コストの低下につながる

早期退職の原因のひとつとして、人間関係が挙げられます。

新卒社員の場合には上司というだけで萎縮してしまいがちなものですし、中途採用の場合にはすでに出来上がっている人間関係の中に1人で入っていかなければなりません。

ここで輪の中に入ることに失敗してしまうと、その後職場に居場所がないように感じてしまうというのは想像しやすいですよね。

オンボーディングでは周囲の人たちが新入社員に対して受け入れ態勢を整えることで既存の組織になじみやすい環境を作ります。

それによって新入社員が人間関係に悩む可能性が減り、早期退職者が減ることで採用コストの低下にもつながります。

③社員の会社に対するエンゲージメントが高まる

社員に対してこまめなフィードバックを行うということもオンボーディングのポイントです。

フィードバックが行われることによって、会社がどんなことをその社員に期待しているのかということが伝わりやすくなります。

また、入社してから早期に結果を出せることは社員本人の自信にもなります。

会社からの期待を感じることと業務への自信を持つことは、会社への愛着にも繋がります。

愛着を持っている会社に対して業務で貢献してさらに評価してもらおうと考えるのは自然な感情ですから、結果的に社員の会社に対するエンゲージメントを高められるというのもオンボーディングに期待できる効果です。

オンボーディングを行う上での3つの注意点

  • ①事業部・部署任せにしない
  • ②全社で受け入れ体制を整える
  • ③オンボーディングは採用段階から始まる

①事業部・部署任せにしない

オンボーディングを行うと会社で方針を決定したら、その運用を事業部や部署任せにしてしまうと成果が出にくくなります。

特にオンボーディングを取り入れたばかりの場合には、事業部や部署においても何をすれば良いのかがはっきりとわからずに迷走してしまう場合もあるので、オンボーディングを行う人に対するフォローも必要になるでしょう。

また、オンボーディングは非常に重要なことであるとは言ってもそれぞれの事業所や部署は通常業務を抱えています。

通常業務に加えてオンボーディングを行うことはどうしても負担になってしまいがちですし、特にプレイングマネージャーが多い組織の場合には管理者自身が忙しくてオンボーディングに時間を割けないということも想定しておいた方が良いでしょう。

②全社で受け入れ体制を整える

オンボーディングは経営陣や人事にとっては必要性が感じられやすいものです。

一方でそれ以外の部署では新入社員に対して手厚いフォローをしなければならないことを考えると負担に感じられてしまってもおかしくありません。

また、オンボーディングは実際に新入社員が配属される先の事業所や部署の協力なくしては成り立たないものです。

そのため、手間がかかるオンボーディングをなぜ行う必要があるのか全社員に納得してもらうまで説明し受け入れ体制を整える必要があります。

③オンボーディングは採用段階から始まる

オンボーディングは新入社員が入社してから始まるものと考えられがちですが、実は採用の段階からオンボーディングは始まっています。

まずは、自社の方針や求めるスキル、事業所や部署などの雰囲気を把握した上でそれに合った人材を採用することが最初のステップとなります。

特に、経営者や人事が考える必要な人材と現場で実際に働いている人が考える必要な人材にはズレが生じてしまうこともありますから、採用活動を行う前にそれぞれの考え方をすり合わせておくことは重要になるでしょう。

オンボーディングの施策例

ここまでオンボーディングがなんのために必要なのか、オンボーディングを取り入れるためにはどんなことに注意すべきなのかということについて解説してきました。

次は、具体的にオンボーディングを取り入れるためにはどんなことをしたら良いのかという施作例についてご紹介します。

  • メンターを配置する
  • 質問を受けるための窓口を設ける
  • ランチ会を実施する

メンターを配置する

オンボーディングのひとつの方法として、直接業務に関わる指示を出したり相談を受けたりする上司以外にメンターを配置するという方法があります。

例えば日本オラクルでは、上司以外に2人のメンターが配置されます。

メンターにはそれぞれ教育担当とサポート担当という役割があります。

1人に対して1人のメンターを配置するのではなく、複数のメンターを配置することでメンター側の負担も減らすことができるシステムとなっています。

質問を受けるための窓口を設ける

社内で質問を受け付けるための専用窓口を設けるという方法もあります。

これを実践しているのがLINE株式会社で、どんな些細なことでも問い合わせができる窓口がオンライン上とサービスカウンターとして用意されています。

ちょっとしたことが聞きたいけれど、周囲の人がみんな忙しそうにしていてなかなか質問できないなんていうのはよくあることですよね。

質問専用の窓口を設けることで新入社員が質問しやすい環境を整えられるとともに、新しく入ってきた人がどんなところに疑問を持ちやすいのかという点について知ることができるのも業務改善に役立つかもしれません。

ランチ会を実施する

ランチ会などを実施して、メンバー同士の交流を深めるというのもオンボーディングではよく用いられる方法です。

人間関係は非常に重要な部分でありながら、会社側からではコントロールしにくい部分でもあります。

営業所や事業所など各人の配属先で交流を行うだけでなく、同期同士の交流をすることも人間関係の向上に役立つとされています。

そうした交流のために会社が予算を用意して、より積極的にランチ会などが行われやすい環境を作っているという会社もあるようです。

オンボーディングで使えるツールを紹介

オンボーディングは各社員の力だけで進めていくこともできますが、ツールを使うとさらに便利で効率的に進めていくことができます。

ツールには色々な種類がありますから、それぞれの特徴を知った上で自分の会社にぴったりだと感じられるものを選んでみるのが良いでしょう。

ここでは、オンボーディングで使えるツールについてご紹介します。

  • HR OnBoard
  • Wistant
  • Smart Boarding

HR OnBoard

HR OnBoardは、エン・ジャパンがプロデュースするオンボーディングのためのツールです。

3000社以上の離職予想を分析した実績から、月1回行われる社員へのアンケートの結果を通して離職リスクを可視化することができるツールとなっています。

さらに、フォローが必要とされた社員について具体的にどのようなフォローを行えば良いのかということも表示してくれます。

会社全体がオンボーディングとは何をすれば良いのか迷っている状態だという時には特に使いやすいのではないでしょうか。

Wistant

Wistantでは、会社、部署、個人がそれぞれに目標を設定し、その進捗を共有することができます。

目標に対する個人の進捗が把握できると、同時にフォローが必要な社員が誰なのか、どのようなフォローが必要になりそうかということがわかりやすくなりますよね。

また、メンターとの1 on 1の設定や、その際にどんなトピックを話したいかを設定したり、事前アンケートを行うことでより効率的に1 on 1を実施することも可能になります。

フィードバック機能やマネジメント分析も、より良いオンボーディングを行なっていく上で助けになってくれます。

Smart Boarding

Smart Boardingは、国内初のクラウド型オンボーディングサポートシステムです。

人材育成に関する管理や効果測定はもちろん、人材育成の体系化や自社オリジナルの学習教材を作ることもできるシステムとなっています。

さらに業務の進捗管理もできるのでフォローが必要な箇所がわかりやすくなるほか、ノウハウの共有などにも役立つツールとなっています。

必要な社員に必要な分だけ情報を届けることができるので、新入社員だけでなく既存の社員が新しい業務に取り組む時などにも使いやすいツールとなっています。

まとめ:オンボーディングは採用活動のパフォーマンスを高める

採用活動には当然のことながらコストがかかります。

せっかくコストをかけて採用したのに早期に離職してしまったり、本来の実力を発揮できないというのは経営上の大きな課題になりますよね。

オンボーディングは、新卒や中途といった区分を問わず全ての新入社員をサポートしていくような仕組みとなっています。

オンボーディングを実施することで離職率の低下や早期に成果を出すことが期待され、採用活動のパフォーマンスを高めることにもつながります。