御社の事業内容からお教えください

日向野氏：当社は、2007年に沖縄で設立されました。現在は、沖縄本社を中心に約500名の従業員を擁して、メディア事業、人材事業、受託事業を展開しています。メディア事業と人材事業は沖縄県内に特化した形で運営していますが、受託事業は東京や仙台、ベトナムの各拠点にも営業や開発体制を広げています。

受託事業としては、デジタルマーケティング、ITインテグレーション（システム開発）、コミュニケーションサポート（コールセンター運営など）の3領域を手がけていますが、クライアント数や売り上げの大きい分野がデジタルマーケティング事業となっており、特にその中でも、インターネット広告は成長著しく、ここ3年、毎年昨対比150％のペースで伸ばしているところです。

成長要因としては、専属クリエイターがひたすらABテストを繰り返しPDCAを回すスピードの速さと、運用における重要指標をクライアントに開放する高い透明性にあると自負しています。私はインターネット広告の責任者を務めていて、ITプロパートナーズさんから導入した人材もこの部門で活躍してもらっています。

なぜITプロパートナーズを利用されたのでしょうか？

日向野氏：2021年2月頭に、ビジネスマッチングプラットフォームでHajimari社執行役員の亀田さんと出会いました。そのプレゼンテーションでITプロパートナーズのサービス内容を知り、ちょうどそのタイミングで即戦力を必要としていたこともあり、「素晴らしい！ぜひ使いたい！」と即決をさせていただきました。

デジタルマーケティング部門では、2013年より沖縄で広告代理店から広告運用のオペレーション業務を受託してきました。6年ほど続けたところで、各代理店の内製化の流れが進んだこともあり、それであれば当社自身も広告代理サービスを直接的にお客様に提供しようと決め、組織づくりを模索し始めたタイミングだったのです。

代理店からの受託業務においては、代理店側のディレクション体制が整っていたので、当社のオペレーターは入稿や入札調整、レポートといった各業務に専門特化した体制になっていました。一方、当社自身で代理店業務を行うとなると、専属として1人であらゆる運用オペレーション業務をこなせる即戦力が必要になります。当初は沖縄で探したのですが、なかなか即戦力となる人材が見つかりませんでした。そこで、2021年の2月中旬に沖縄での人材探しから方向転換し、営業拠点のある東京に専属の制作チームをつくる方針に切り換えたのです。

人材を調達する選択肢としては、中途採用、派遣、インターン、法人との業務委託契約、フリーランスとの業務委託契約が挙げられましたが、法人との業務委託契約は実際に誰に来てもらえるかがわからないので外し、中途採用は時間がかかるので一旦は外し、派遣やインターンはなかなか必要なスペックの人が出てこないという状況となり、フリーランスの業務委託に賭けてみようと亀田さんにメッセンジャーで初の依頼をしました。

どういった依頼をされたのでしょうか？

日向野氏：社員のディレクターとして比嘉の1名が在籍していましたので、彼女のもとで運用オペレーション全般を担う経験者の紹介を要請しました。戦略的思考といったスキルよりも、広告運用管理画面での各種オペレーション経験を重視し、在宅ワークOKですがコミュニケーション深化のため出社は週2〜3日、予算は無関係という条件で、急ぎで提案してくださいとお願いしました。

すると、その数分後に「急務承知いたしました！ すぐに何人かはご提案できるかと」と返信が来たのです。あまりの早さに思わず「凄いです！」と返信しました（笑）。そして、その3時間後に3名を提案してもらうことができました。想定以上のハイスペックな人材ばかりでしたので、3名とも面談させてもらい、結果的に3人目にお会いしたOさんにジョインいただくことに決めました

決定要因はどういったことでしたか？

比嘉氏：新しくチームをつくる上での関係性を重視しました。一応、私の下でやっていただくにあたり、私の業務経験が4年でOさんは2年半というバランスがちょうどいいと思いました。私より長い方だとお互いやりにくいと思いますので。

また、物腰が柔らかい点にもコミュニケーションの取りやすさを感じました。「1人でバリバリやります！」というのではなく「協力して推進していきましょう！」というスタンスでしたので、一緒にやっていけそうな方だなと思えました。もちろん、大手広告代理店での2年半の経験も期待できそうでした。

実際に業務に就いたOさんはいかがでしたか？

日向野氏：3月中旬から入ってもらっていますが、文句なし、です。求めるスキルは全てカバーしている上に、意見を求めると素直に自分の考えや経験を言ってくれます。勤務態度もきちんとしていて、出退勤時のSlackでの連絡は1度も欠かさず、時間に遅れたりすることも全くありません。参画から4カ月ほど経ちますが、業務委託という感覚はありませんね。

比嘉氏：オペレーション業務を全てやってもらっているだけでなく、組織づくりの相談にも乗ってもらっています。以前の勤務先の組織体制や役割分担、仕事の進め方をいろいろと教えてくれるので、とても参考になっています。

その点、当初説明の上合意してもらってはいるものの、そんな人に運用オペレーションをやってもらっていいものか気を遣うほどですが、より良いサービス提供ができるチームを形成できています。Oさんは前向きに取り組んでくれるので、本当に助かっていますね。今後、オペレーターを採用し、Oさんにはより高度な業務に就いてもらうことも検討しています。

日向野氏：当社はずっとニアショア拠点機能を提供する立場で、クライアントに対してはコストダウンという価値を提案してきました。一方、広告代理店業務ではクライアントの収益力の向上や事業拡大への貢献を提案するわけですから、営業の在り方が全く異なります。そういった異なるノウハウやカルチャーの一端をOさんには導入してもらえています。

御社が新たに広告代理店機能を立ち上げるに当たり、外部のノウハウを導入する役割をも担っているわけですね

日向野氏：そのとおりです。当事業部門の本年度のテーマは「コラボレーションによるエクスペリエンスの蓄積」で、様々なフリーランスのインターネット広告経験者と組んで業務を行うことで、ノウハウを吸収させてもらっています。Oさんもその一環という位置づけですね。そして、一連の業務の中で当社ならではのスタンダードを確立させ、現在比嘉の1名で行っているディレクター体制を拡充していきたいと考えています。

総じて、ITプロパートナーズはどうご評価いただいていますか？

日向野氏：同業が増えていますが、スピード感ある対応力と人材のレベルの高さは、業界随一ではないかと思います。
今回のフリーランス業務委託の導入で実感していることは、優秀な人材はどんどんフリーランスになっていく時代なのではないかということ。以前のように採用し育成することに加え、フリーランスとコラボレーションしていくことが同じくらい重要である、と考え始めているところです。