プロジェクトチームの役割分担。プロジェクトリーダーの仕事とは?

プロジェクトを進行するプロジェクトチームを作る際には、役割分担を明確にすることが重要です。

役割が曖昧な状態だと、それぞれの人がやるべきことに集中できず、プロジェクトが停滞する原因になります。

プロジェクト間の連携が取れなくなったり、効率的な業務ができなくなったりといった可能性も考えられるのです。

そこでこちらでは、プロジェクトチームの作成時に必要な役割分担について解説していきます。

プロジェクトを達成できる力を持ったチームを作れるように、役割の基本を確認してみましょう。

社内にPM(プロジェクトマネジメント・プロダクトマネジメント)の経験がある人材がいない…【60分で解決!】

プロジェクトチームにはどんな役割分担がある?

プロジェクトチームには、以下のような役割を設定することが考えられます。

どんな役割が必要なのか分からないときには、それぞれの立ち位置を参考にしてみてください。

  • 大まかな役割分担の内容
  • 役割分担の重要性について

大まかな役割分担の内容

プロジェクトチーム内の役割は、以下の4つが基本となります。

・プロジェクトオーナー
・プロジェクトマネージャー
・プロジェクトリーダー
・プロジェクトメンバー

それぞれの立場の人間が自分の役割を理解して初めて、プロジェクトを円滑に進めることができます。

各役割の詳細や期待される内容は、以下のように説明できます。

プロジェクトオーナー プロジェクトの発注者であり、全体の構想や目的を設定するのが役割です。

プロジェクトが進行しやすくなるように、明確なビジョンを持った計画立案などを行うことが求められます。

外部から受注を受けたプロジェクトの場合、プロジェクトオーナーは外部にいると考えることになります。

その場合には外部のプロジェクトオーナーとスムーズな連携が取れるように、定期的な報告会などを設定することも必要です。

プロジェクトマネージャー プロジェクトの管理者であり、交渉やトラブルの対処などを行うのが役割です。

プロジェクトの状況を見ながら、戦略や目標の変更を指示・管理することもあります。

経営者やプロジェクトオーナーに報告を行うことも仕事になるので、プロジェクトの進捗状況を正しく把握する必要があるでしょう。

プロジェクトリーダー プロジェクトに参加する人々をまとめて、マネジメントをする役割を担います。

プロジェクトの計画を立てて遂行するために、細かな変化や問題を素早く察知する能力が必要です。

プロジェクトを指示通りに進める一方で、「もっと良い方法がないか」と考えることも仕事になります。

プロジェクトメンバー プロジェクトに関する特定の役割を持った人たちを指します。

予定通りにプロジェクトを進めるための、作業担当者となる位置付けです。

これらの役割は基本的に

プロジェクトオーナー

プロジェクトマネージャー

プロジェクトリーダー

プロジェクトメンバー

といった順で連絡や指示が行われます。

一般的には上になるほど責任は重くなり、プロジェクトの成否を決める重要な立ち位置になると考えられるでしょう。

プロジェクトの進行においては、まずこれらの役割に人材を分担することがスタートになります。

役割分担の重要性について

プロジェクトチームにとって役割分担とは、非常に重要なものとなります。

なぜなら先に解説した役割が決められていないと、プロジェクトの効率は大幅に低下するからです。

たとえば何か新しい作業を行うたびに仕事を割り振るようなことになれば、作業開始までに無駄な時間がかかり、組織から柔軟性が失われるでしょう。

場合によっては役割を決めただけで仕事をした気になってしまい、肝心のプロジェクトが進行しない空白の時間が生まれることにもなります。

責任の所在も不明確になり、良いアイデアやプロジェクトの改善策が見つかっても誰に報告すればいいのかが分からないという事態にもなりかねません。

効率の悪さを変えることもできないまま、ずるずると作業が進むことになれば、プロジェクトは失敗の可能性が高くなるでしょう。

こういった問題点を解決するためにも、役割分担は必要です。

逆に言えばただ人を集めただけでは、プロジェクトチームとは呼ぶことができないのです。

それぞれの役割分担を行って初めて、チームとして動くことができます。

プロジェクトチームを作るときには、役割分担が必須となることを理解しましょう。

プロジェクトチームの役割分担のコツ

プロジェクトチームの役割分担を行う際には、いくつかのコツがあります。

それぞれの役割が求められる仕事を行えるように、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 役割の重要性を認識させる
  • WBSを基にして細かな役割を見出す
  • プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーを混同しない

役割の重要性を認識させる

役割分担を行う際には、その役割の重要性を認識させることが大切です。

重要性が認識できていないと、仕事がおざなりになるなどの怠慢につながる可能性があります。

役割を担う人が惰性で仕事をすることのないように、その役割が「プロジェクトにどう関係するのか」「いることでどのようなメリットがあるのか」を説明するようにしましょう。

また、自分の役割が必要とされていることを確認できるように、定期的なミーティングを開催するのもコツです。

ミーティングのなかで仕事の成果を報告することは、重要な仕事をしているという認識を自ら呼び起こします。

それは役割を担う人のモチベーションアップや、積極的な業務への貢献にもつながっていきます。

役割分担をした後は、いかにしてその仕事が重要であるのかを伝えられるように工夫しましょう。

WBSを基にして細かな役割を見出す

プロジェクトチームの役割分担には、WBSの存在が役立ちます。

WBSとは、「Work Breakdown Structure」の略称で、プロジェクトに必要な作業を分解して見える化した管理図です。

基本的にはプロジェクト全体の工数や作業量、細かなタスクなどをまとめた図になります。

そのためWBSを作成することで、プロジェクト内で実際にどのような仕事をするべきなのかが分かりやすくなるのです。

こういった特徴を持つWBSがあれば、初めてプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーを任された人も仕事がやりやすくなります。

プロジェクトへの参加経験が少ない人が多い場合には、WBSを使ってプロジェクト全体の作業を洗い出すこともコツです。

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーを混同しない

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーは、一見同じ仕事をするように見えることがあります。

そのため混同するケースが多くなり、役割分担がスムーズに行えないこともあるのです。

しかし、実際にはプロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーでは、担うべき役割が違います。

この点が明確に分離できていないと、プロジェクト内での伝達ミスや指示が上手く伝わらないといった混乱につながる可能性が出てきます。

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーは、どちらもプロジェクトにおける重要な存在になるので、その役割の違いについてきちんと理解することがポイントです。

プロジェクトマネージャー(PM)とプロジェクトリーダー(PL)の役割の違いとは

それでは実際に、プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーにどのような違いがあるのか確認しましょう。

  • 全体の管理者と特定の領域の管理者
  • 役職ではないことを理解する
  • 必ず役割分担されるわけではない

全体の管理者と特定の領域の管理者

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーは、どちらも責任を持つ管理者という点は同じですが、主にその担当分野に違いがあります。

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を統括し、案件に対する責任を担当するのが基本です。

スケジュールや進捗状況を管理するのが、主な役割になります。

一方でプロジェクトリーダーは、特定の領域や作業を管理することが仕事です。

実際に仕事をしているプロジェクトメンバーの状況を管理した上で上層部への報告を行ったり、プロジェクトの改善点を考えたりすることが求められます。

このように同じ管理者という業務でも、その担当領域から多くの違いが現れるのです。

役職ではないことを理解する

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーは、「役職」ではなくあくまで「役割」になります。

そのため上下関係が重視されることは少なく、どちらも対等の立場で仕事をすることも多いです。

指示系統の関係からプロジェクトマネージャーの方が立場が上と受け取られることが多いですが、必ずしもそうではないのが特徴になります。

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーが役職であると勘違いすると、上下関係が発生して余計な遠慮を生むことにもなりかねません。

2つはプロジェクトに必要な役割であることを理解して、その扱い方に注意するようにしましょう。

必ず役割分担されるわけではない

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーは、必ずしもプロジェクトの発足時に設定されるものではありません。

場合によってはプロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの、どちらか片方だけが設定されることもあるのです。

その場合は2つに分割されている仕事を、1人で担うことになります。

しかし、その場合には1人でプロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの役割をこなさなければなりません。

小さなプロジェクトであれば対応可能でしょうが、長期的な計画の場合には負担となることも考えられるのです。

特にプロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの違いが分かっていない現場だと、どちらか片方だけを設定し、結果的に特定の個人に重すぎる責任を負わせることになり得ます。

そういった負担の押し付けを避けるためにも、プロジェクトの全体像に合わせてプロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーを設定し、役割を分担できるようにしましょう。

プロジェクトチームの役割 まとめ

プロジェクトチームには、こちらで説明したような役割を持つ人材が必要不可欠です。

スムーズにプロジェクトを進められるように、この機会に各役割の詳細を確認してみましょう。

社内にPM(プロジェクトマネジメント・プロダクトマネジメント)の経験がある人材がいない…【60分で解決!】
©︎2020 Hajimari inc.