【現役CTOが語る】CTO Nightってどんなイベント?
IТ企業でPM(プロジェクト・マネジャー)といえば相当カッコいいのですが、その上を行くのがCTOです。
そのCTОたちが年に1度集まるCTO Nightというイベントがあります。エンジニアたちの憧れの役職であるCTOが集結しパネルディスカッションなどを行なうCTO Nightとはどんなイベントなのでしょうか?
この記事では、CTO Nightの目的や主催者、概要、過去の参加者などについてまとめています。
CTO Nightとは
CTO Nightは、スタートアップ企業のCTОから「CTO of the year」(最優秀CTO)を決めるピッチコンテストです。
主催は、スタートアップ企業の動向・情報を発信するTechCrunch Japanで、2013年から毎年開催しています。
例年CTO Nightには、その年に注目されたスタートアップ企業のCTОが7~8人登壇してプレゼンテーションを行ない、その中からCTO of the yearが選出されます。
審査基準は「技術によるビジネスの貢献度について、独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営などを評価対象とする」となっています。
イベントへの参加は無料で、事前申込みによる抽選です。
主催者のTechCrunch Japanとは?
TechCrunch(テッククランチ)は、主にIT系のスタートアップ ベンチャーに関するニュースを配信しているアメリカのニュースサイトです。2005年にシリコンバレーでスタートしました。
米国、欧州、アジアのITベンチャーの起業家はもちろん、投資家、一般企業のマーケティング担当者、エンジニアなどが読者層になっています。
TechCrunch Japanはその日本版で、翻訳記事のみでなく、日本のスターアップの動向やテック業界のトレンドを伝える記事を配信しています。
公式サイト : https://jp.techcrunch.com/
ピッチコンテストの審査員の顔ぶれは?
CTO Nigh 2019のピッチコンテストの審査員は次のような顔ぶれでした。
■審査委員長
・藤本真樹氏(GREE 取締役上級執行役員/CTO)
■審査員
・白井 英氏(Craft Egg、ジークレスト、サムザップ各社におけるCTO)
・竹内 真氏(ビズリーチ取締役/CTO/CPO)
・藤倉成太氏(Sansan執行役員/CTO)
・名村卓氏(メルカリ執行役員/CTO)
・塚田 朗氏(AWSシニア ソリューションアーキテクト)
ソーシャルゲームのプラットフォームを運営するGREE、転職サービス大手のビズリーチ、フリマサイトの代名詞となったメルカリなど、いわはスタートアップで成功した先輩CTOが名を連ねています。
過去のCTO of the year(最優秀CTO)の受賞者は?
これまで最優秀CTОに選ばれたのはどのような人たちでしょうか?
過去6回の受賞者
2014年から2019年にCTO of the yearを受賞したのは次の人たちです。
2014年 | 竹内 秀行 株式会社ユーザベース |
大量のビジネス情報をワンストップで収集・分析・ビジュアル化するプラットフォーム「SPEEDA」「NewsPicks」を開発 |
2015年 | 安川 健太 株式会社ソラコム |
IoT向けの無線通信をグローバルに提供するプラットフォームを開発。ベンチャーキャピタルから約7億円を調達 |
2016年 | 橋立 友宏 Repro株式会社 |
モバイル・ Web アプリ向けの、ユーザー行動分析およびマーケティングオートメーションサービス「Repro」の開発と データ処理能力の向上 |
2017年 | 大竹 雅登 dely株式会社 |
クックパッドの動画版ともいえるレシピ動画サービスの『kurashiru』をリリースして多くのダウンロードを獲得 |
2018年 | 川原尊徳 atama plus |
タブレット型AI教材「atama+」を開発。3ヶ月でプロダクトマーケットフィット、1年で大手塾の2割が導入するに至った |
2019年 | 時武佑太 LegalForce |
アップロードした契約書のリスクをAIが瞬時にレビューしてくれる「LegalForce」を開発。「不利な条文がないか」などを約1秒でチェックし、修正文例を表示する |
2019年の登壇者たち
受賞者だけでなく、コンテストに登壇した人たちもご紹介しておきましょう。2019年には次のようなCTOたちが参加しました。
平村健勝 RevComm |
AI搭載型IP電話「MitTel」の製品開発を指揮。クラウドサービスの設計から、音声認識エンジン、自然言語処理まで幅広く手がける |
岡本拓磨 ウミトロン |
養殖業にIТを導入。海上で魚の食欲を即時判定して給餌を完全自動化する「ウミトロン」魚群食欲解析システムを開発 |
阿部勇一郎 タイミー |
22歳の学生で共同起業して、スキマ時間をシェアする「タイミー」を開発、1年2ヶ月で20億円調達する |
島添 彰 YPER |
日本の宅配の再配達問題を解決するプロダクト「OKIPPA」を立ち上げる。置きっぱなし用の袋とアプリを連動 |
細田謙二 NearMe |
タクシー相乗りサービス「nearMe.」(ニアミー)を開発。最大9人乗りの車両を利用して、都内15区と成田空港を3980円の定額で結ぶ |
三田大志 GINKAN |
レストランでの食体験を投稿するグルメSNS「シンクロライフ」を開発。AIを活用し、使い続けるほど好みに合った店が見つかりやすくなる仕組み |
金近 望 オクト |
建築施工管理が現場から社内業務まで一元で行える、クラウド型施工管理アプリ「&ANDPAD(アンドパッド)」を開発 |
時武佑太 LegalForce |
受賞者(内容は上記) |
参照 : https://jp.techcrunch.com/2019/11/22/cto-night-2019/
登壇したCTOは5分の発表と3分の質疑応答を行ないます。
コンテストの審査と表彰が終わると、参加者全員による懇親会に移ります。
CTO Night and Dayとは
CTO Nightとよく似た名称のイベントにCTO Night and Dayがあります。
これはAWS(Amazon Web Services)が主催するイベントで、CTO や VPoE(技術部門のマネジメント責任者)のための招待制オフサイト・カンファレンスです
2014年にスタートしたこのイベントは、日常の業務から離れオフサイトで、参加者同士によるディスカッションなどを通じて、知識の交流を行なうものです。
2019年は京都で10月9~10日の2日間の日程で開催され、全国から約120名のCTОやVPoEが参加しました。
参照 : https://aws.amazon.com/jp/blogs/startup/event-report-ctonightandday2019-day1-summary/
まとめ
CTO Nightは、スタートアップ企業の「CTO of the year」(最優秀CTO)を決めるピッチコンテストです。
2014年から2019年までの6年間で、毎年1人計6人のCTO of the yearが選出されました。
今後も新たなサービスの創出と共に、注目を浴びるCTOに目が離せません。