【現役CTOが語る】エンジニア向けOKRの設定方法を有名企業の成功例を元に解説!

Googleやメルカリなど有名なIT企業がOKRを導入し、成功を収めているのを聞いて、自社でも導入しようとする経営者の方は多いです。

しかしながら、OKRを導入しようと思っても、「どんなメリットがあるのか」「どのように目標を立てていくか」を理解していないと、失敗してしまうケースが多い。

そこでOKRを成功させるためには他の会社の成功例を参考にしながら、自社のカルチャーにうまく合わせていくことが重要と言えます。

そこで本記事ではエンジニアが所属する会社のOKR導入例をまとめました。それぞれの会社がどのようなことに気をつけ、OKRによってどのような成果を得たかについてまとめています。

加えて、エンジニアが在籍している会社がOKRを導入するメリットや、OKRを導入する際の注意点についても解説してあります。

本記事を読むことによって、特にエンジニアを多く雇っている会社がOKRを成功させるための秘訣を見いだせるようになりますよ。

これからOKRを導入しようとしているIT企業の経営者は、ぜひとも本記事を最後までお読み頂き、OKR導入を試してみてくださいね。

OKRとは?まずは基本的な概要について

まずはOKRという目標管理の方法について、基本的な概要を確認します。

「OKRとは何なのか」という点を、以下の要素から把握しましょう。

  • OKRとはロジカルに目標を決定するための考え方
  • OKRは短いスパンで評価を行う

 

OKRとはロジカルに目標を決定するための考え方

OKRとは、一言で言うなら「ロジカルな形で目標設定や管理を実現する方法」のことです。

「Objectives and Key Results」の略称であるOKRは、日本語では「目標」と「達成に必要な主要な結果」と訳されます。

企業と個人の目標を主要結果とリンクさせて、組織全体をひとつの方向に関連付けることができる目標管理方法になるのが特徴です。

会社全体の目標と結果がその下の部署やチームにつながり、そこからさらに個人の目標へと関係するという一連の流れを持っています。

ひとつの目標(Objective)に対して、複数の主要な結果(Key Result)がつながっていく形式になっているため、企業全体の方向性をひとつにまとめるなどの効果に期待できるのです。

具体的なイメージとしては、

「会社の目標→主要な結果→部署やチームの目標→主要な結果→個人の目標→主要な結果」

といった形でつながり、それぞれの「主要な結果」が複数作られることで下層部の目標を生み出します。

このことからOKRとは、個人の目標達成が会社の目標達成につながっていく目標管理方法だと言えるでしょう。

 

OKRは短いスパンで評価を行う

OKRとは、短いスパンの中で事業の評価を行い、目標の再設定などを実施するという特徴があります。

基本的に1ヶ月から四半期の短期間で見直しが行われるので、間違った手法やトレンドの変化などによって事業に必要な修正が出ても、対応がしやすくなるでしょう。

評価の際には達成度をスコアリングし、KR(達成に必要な主要な結果)ごとに0〜1.0の数値や%による採点を行います。

その数値の平均がO(目標)の結果として残り、次の目標設定や具体的な行動の反省点として応用されていくのです。

OKRとは、そういった評価システムによって運用されていくのが基本となります。

エンジニアが在籍している会社のOKR成功例

エンジニアが数多く在籍しているIT企業では、OKRは採用している例が特に多いです。ここではOKRを導入した代表的な3つの会社の成功例についてみていきます。

  • Google
  • Sansan株式会社
  • メルカリ

それぞれの会社がどんなことに気をつけ導入を進めたのか、どんな成果を出したのか、深く解説していきます。

 

GoogleのOKR

GoogleはOKRをいち早く導入した企業として知られています。

GoogleのOKRの特徴は、自分が達成できると考えられるレベルよりも高い目標を設定することを推奨している点です。

なぜ目標を高くするかというと、その方がより意識高く作業できて、かつ目標達成のために創意工夫することができるからです。目標を高くするかわりに、60~70%ぐらい達成できれば良しと考えます。

さらに、四半期ごとにミーティングを行いOKRの公開と評価を行うことで、従業員一人ひとりが会社への貢献度を実感できるようにしました。

実際Googleは、OKRを導入したことによって、その後世界に誇れる大企業へと成長を果たしました。このようにGoogleは目標設定をいかにするかを重視してOKRを進めていったのです。

 

SansanのOKR

SanSanはOKRを導入したことにより、3年間が社員数を3倍にすることに成功し、より事業を発展させていくことができるようになりました。

SanSanの場合は、「自分達がどういう世界を作りたいのか」「会社全体のミッションはそもそも何か」というOKRを基本を意識した取り組みを起こっています。SanSanは「風を起こす側でありたい」というミッションを明確にし、それを軸にして部署のやるべきことを設定し、さらに従業員一人ひとりの目標を設定しました。

特にベンチャー企業の場合、事業内容をどんどん変化させていかなくてはならず、会社としてのミッションを忘れてしまうことも多いです。SanSanはそこに気をつけるようにしました。

このようにしてSanSanはOKRを導入し、成功を収めることができました。

 

メルカリのOKR

フリマアプリを運営するメルカリもOKRを導入した企業として知られています。メルカリが社員数が50人程度の時期からOKRを導入し、成功を収めてきました。

メルカリはコミュニケーションを重視してOKR導入を進めてきました。たとえば、半年に1度合宿を行い、部署ごとに目標設定を話し合うなどの取り組みを行いました。

また、1on1ミーティングを行いフランクに意見を言い合える状況を作り上げ、社内のコミュニケーションを活性化させました。

OKRは目標の達成度合いがどの程度なのか、ぞれぞれの目標はどのように会社全体の目標と結びついているのか、社内全体で共有し合うことが重要です。

このようにメルカリは、コミュニケーションを重視してOKR導入を進めることにより、社員数を増加させることにも成功しました。

エンジニア向けOKRを導入するメリット

エンジニアに対してOKRを導入するメリットを解説します。大きなメリットは以下の2つです。

  • エンジニアの仕事内容を他の従業員が理解できる
  • 開発の質が上げることが期待できる

大切なのはこれらのメリットをエンジニアの方にしっかりと説明することです。

OKRはやる意味を従業員が理解していないと、目標設定などが中途半端になってしまい、成果を出せないことがしばしば。

本記事でOKRのメリットを学んだ後はぜひともエンジニアの方に共有してくださいね。

 

エンジニアの仕事内容を他の従業員が理解できる

第一のメリットとして、エンジニアの仕事内容を他の従業員が理解できるというものがあります。

エンジニアの仕事内容は他の部署からは見えにくい上に、難しい技術用語が飛び交っているため、他の従業員は近寄りにくい印象を受けることも多いです。

結果、エンジニアが今何をしているのかつかめず、連携が取れなくて納期の調整ができなくなったり、無理な要求を押し付けてしまったりするケースもあります。

OKRを導入することでエンジニアがどの方向に進んでいるのかがわかり、他の従業員も仕事内容に興味を持つようになります。

そうすれば、社内コミュニケーションも活性化されますし、エンジニアとの連携も取りやすくなるでしょう。OKRの導入にはこういったメリットがあるのです。

 

開発の質を上げることが期待できる

もう1つのメリットとして、開発の質を上げることができるというのがあるでしょう。

なぜ開発の質が上がるのかというと、OKRによって目標が明確化されれば、エンジニアのモチベーションも上がるからです。

会社に貢献できているという実感が湧き、会議の場で自分から提案をしてきたり、空き時間に技術力を向上させるために勉強したり、主体的に仕事をするようになります。

このようにOKRを導入することによって開発の質を上げる効果が期待できます。

エンジニア向けにOKRを導入する際の注意点

エンジニアに対してOKRを導入する場合を気をつけるべきことを解説します。

  • こまめにミーティングを行う
  • 人事評価と結び付けない
  • 各支援ツールを活用する

これらのことを意識することで、OKRの効果をより実感できるようになるでしょう。

 

こまめにミーティングを行う

特にOKRを開始した直後はミーティングを行うことを推奨します。

なぜなら、しっかりコミュニケーションを取ることで、部下が間違った方向に向かっていないか確認することができるからです。

たとえばミーティングを行うことで、目標の達成度は現在何%なのかを聞き、達成度が低ければ仕事のやり方を変えるように指導できます。

このように一人ひとりの状況を把握することが、OKRを成功させるコツとなります。

 

人事評価と結び付けない

従業員それぞれの目標達成度を人事評価と結びつけるのはあまりおすすめしません。

なぜなら、目標達成度を給料に反映してしまうと、従業員は簡単に達成できる目標を設定してしまうかもしれないからです。

OKRは高い目標を掲げ、その目標を達成するために創意工夫するのが良いのです。工夫せずとも達成できてしまう目標を掲げるのは意味がありません。

このような事態を避けるためにも、人事評価とOKRは切り離しておくことが重要と言えます。

 

各支援ツールを活用する

『Resily』や『Zealup』といった各OKR支援ツールを使うことをおすすめします。

なぜなら、OKRを導入する場合、こまめにミーティングを行ったり目標達成度を報告したりしないといけないのに、普段の業務が忙しい場合これらに手が回らないからです。特にエンジニアは日々納期に追われている場合も多いですよね。

支援ツールを使うことで、たとえば会議が始まるのを待っている時とか、ちょっとした時間で目標の達成度を報告したりできるようになります。また、リモートワークや出張時も自宅からアプリを操作できます。

このように、OKR支援ツールを使うことには様々なメリットがあるため、一度は使うのを試してください。

OKRの導入はエンジニアにとっても有意義。成功させるコツを意識し、自社に合ったやり方を考えよう

本記事ではOKRを導入した会社の例をまとめてました。さらには、エンジニアが在籍する会社でOKRを導入することのメリットや注意点について解説してきました。

OKRを成功させるためには「何のためにOKRを導入するのか」を意識し、他企業の成功列を参考にしながら、自社に合ったやり方を考えることが重要です。

OKRを成功させることで、エンジニアのモチベーションアップや開発の質向上、といった成果をあげることが可能です。

また、OKR支援ツールもぜひ導入して欲しいところ。ツールを使うことでOKRの効率性が増し、途中で中だるみすることなく継続していくことができますよ。

本記事がOKRの導入を検討している経営者の方にとって、有意義なものとなれれば幸いです。

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