新規事業を成功させる立ち上げプロセスと魔法のフレームワーク

こんにちは!

ITエンジニア・webディレクター・webデザイナーなどのIT人材の自立・キャリアを支援するITプロパートナーズのCTOの柳澤(やなぎさわ)です。
弊社は、独立精神旺盛な優秀なエンジニアの方々の独立・起業サポートや、フリーランス支援を行っている会社です。

こちらの弊社運営サイト、「スタートアップ開発ラボ STaP(スタップ)」では、企業の新規事業開発担当者の方や、システム開発責任者の方、事業責任者の方達に向けて、事業開発のコツや、自社プロダクトやWebサービスを立ち上げる際にポイントや注意点について、弊社ノウハウを包み隠さずにお伝えしています。

さて、何事も成功させるためには十分な事前準備が必要ですよね。

ビジネスの世界でも、それは同じです。新規事業を成功させるためには、十分な準備が必要。

幸いなことにビジネスの世界で成功するために必要な準備は、経験則として、あるいは学問として、ある程度整理されており、体系的に習得することが可能になっています。

そこで今回は、ビジネスの世界で成功するのに必要な事前準備について確認していきたいと思います。

新規事業の立ち上げプロセスを紹介

新規事業を立ち上げるにあたり、その立ち上げ方がわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、前回新規事業の立ち上げプロセスについて詳しく説明した記事があるので、こちらも合わせてご確認ください。

新規事業を成功させる立ち上げ方

新規事業を始める前に明確にすべきこと

これから会社をやると言う方もいらっしゃるかと思うので、経営理念といったところもお話しします。

経営理念の文字化

新規事業を企画する際に絶対に忘れてはいけないのは、経営理念の文字化です。

人を惹きつけられる理念のない組織は、組織として成り立たないでしょう。

理念のない活動はやがて形骸化し空中分解してしまいます。

逆に優れた経営理念を持つ会社は、それだけで多くの人を惹きつけます。

そして、メンバーが経営理念に共感し、自社の企業活動の重要性を共有している企業は、非常に優れたポンテンシャルを発揮します。

さて、そんな経営理念の打ち立て方ですが、一般的にはMVVという考え方、言ってしまえばフレームワークを適用する会社が最近は多いです。

なお、場合によっては経営理念=MVVのように扱われることもありますが、MVVに立脚しない企業理念を掲げる企業もあり、企業理念=MVVではありません。

企業理念とMVVを別々に掲げている企業も中にはあります。

そもそもMVVとは何か?

それはさておき、MVVとはなにかを確認しましょう。

MMVとはMission、Vision、Valuesの頭文字を繋げたものです。それぞれ日本語に訳すと、使命・未来像・価値観となります。

この三つが重要で、企業理念などで掲げるのが良いですよ、という考え方がMVVです。

それぞれの言葉をもう少し深堀してみましょう。

①Mission 使命

一つ目の使命ですが、企業が果たすべき役割を明らかにする、ということです。

ここで言う、企業が果たすべき役割とは、「商品をいっぱい売って儲けよう」といった表面的な話ではありません。

あくまで商品やサービスの販売は手段でしかなく、真の企業活動の目的とは、価値のある商品やサービスを提供することで、それを手にした顧客を幸せにすることだからです。

よく昔話で邪悪なドラゴンや村人を困らせる化け物を退治する話がありますが、化け物を倒すのはあくまで村や社会の災い・困りごとを解決するための手段であって、本当の目的は人々の笑顔を取り戻すことですよね。

それと同じです。最近は顧客の概念をすべてのステークホルダーへと広げて、株主や地域社会、地球環境にも言及するMissionも増えてきました。

②Vision 将来像

二つ目のVisionつまり将来像は、定めたMissionの先に実現したい姿を表現するものです。

究極的に言えば、自社の企業活動を通して、どんな世の中を作りたいか、そのためには自社はどういう組織になっている必要があるのかを明らかにするものです。

ゴールがないまま走り続けるのは精神的にもツライものがありますし、そもそも「なるべき姿」が不明瞭だと現状が良いのか悪いのかも分からなくなるため、MMVの中でも特に重要な要素だと言えます。

逆に言えば、はっきりと理想の姿が掲げられている企業は共感を得られやすく、より魅力的な印象を与えられます。

具体的にこうありたい、目標とするゴールはここだ、というのが伝わるVisionが大切です。

③Values 価値観

そして、最後のValuesですが、ここでいう価値観とは、企業が行動指針とする価値基準のことを指します。

企業の価値観というと少しイメージが湧きにくいと思います。

例えば、買い物をしていて、どちらを購入するのか困ったとき、自分がより良いと感じるもの、自分の価値観に合うものを選択しますよね。

個人の場合は、「なんとなく」気に入った方で良いかもしれませんが、社会に対して責任を持つ企業においては、その「なんとなく」が致命傷になることもあります。

そこで、企業は会社にとって好ましい価値観を明確にし、メンバーと共有、そしてメンバーが企業活動の中で判断に困ったら、その価値観に照らし合わせて行動することを求めるのです。

MVVについて説明させていただきましたが、MVVは定めたら終わりではありません。

額縁に入れて飾っておくだけでもあまり意味がありません。企業のメンバーが理解し、実践することで初めて意味を成します。

単なる精神論ではなく、実行性を伴った施策として、企業の発達段階に応じてMVVの見直しを行っている企業もあります。

それでは次に、負けないサービスを作るためのフレームワークについて見ていきましょう。

【負けないサービスを作る!】4つの事業戦略フレームワーク

大枠の方向性をMVVで定めたならば、次に具体的なサービスを考えなくてはいけません。

そこで、ここではサービスを発掘するために良く使われる4つのフレームワークをご紹介いたします。

ペルソナ分析

一つ目はペルソナ分析です。

ペルソナとは 「人格」を意味するラテン語です。

仮想のお客様を想定し、こういった人格(キャラクター)の人なら、こういったサービスを欲しがるだろう、こんな風にサービスを活用してくれるかもしれない、とアイデアを膨らませていくことから、この名前がついています。

ペルソナ分析が成功するかどうかは、仮想のお客様作りがうまくいくかにかかっています。

最初の仮想の人格想定に失敗してしまうと、サービスが根本的から破綻してしまいます。

逆にハマれば固定客を確保でき、強いサービスとなります。

人格想定に失敗しないように徹底的な調査を行う必要があるため、時間がかかる、というのが欠点です。

3C分析

二つ目は3C分析です。

三つのCとは、Customer(顧客・市場)、Competitor(競合他社)、Company(自社)です。

敵を知り己を知れば百戦危うからず、という言葉がありますが、敵である競合他社や己こと自社だけでなく、結局、競合他社が良いか自社が良いかを判断する顧客の視点もないとダメだよね、というのが3C分析の肝です。

①顧客分析

競合他社や自社の強み弱みを正しく把握するために、まずは顧客分析から入ります。この顧客の分析について、使われる手法は様々で、コンサルタントやプランナーと呼ばれる方々は、独自のテクニックを持っていることもあります。

しかし共通するのは、顧客のニーズ、市場規模、そして市場の今後を明らかにすることです。

どんな商品がお客様に好まれるのかを理解するために顧客のニーズを分析するのは分かるけど、市場規模や市場の今後の分析の必要性がわからない、という方のために少し解説しましょう。

市場規模や市場の今後を分析するのは、そのサービスに投資する価値があるかを見定めるためです。

いくら魅力的な商品を開発できたとしても、市場規模が小さく年に数個しか売れないので利益が出ない状況であると分かれば、そのサービスの展開を行わず、経営資源を他に振り分けるという判断をするのが妥当かもしれません。

逆に今は市場規模が小さいが将来、人気が出てくる可能性が高いと分かればシェア拡大のために積極投資しようと考えるのが普通でしょう。

②競合他社・自社分析

顧客・市場分析が完了すれば、競合他社や自社分析です。

それぞれの強み・弱みを明確にし、自社の弱みを打ち消したり強みをより強化するのもよし、相手の強みを取り込むのも悪くありません。

ここで重要なのは顧客・市場分析を活用し、正しい競合他社もっというとライバルを明確にすることです。

漠然と似ている商品を展開している会社・商品を分析対象に選んだが、実は根本的に市場へのアプローチの仕方が異なっており、ターゲットにしている顧客層も重ならず、結果、独り相撲だった、という事態に陥る3C分析もままあります。

逆に一見、全く異なる業界や企業がライバルになることもあります。例えば中古品販売という切り口でみれば、他の中古品販売ショップだけでなく、ヤフオクやメルカリなどの個人CEサイトも手ごわい競合相手だと評価することができます。

いずれにせよ、より直接的に顧客を取り合う競合他社をターゲットに分析するのが重要です。

ポジショニングマップ

三つ目のポジショニングマップとは、そのサービスを展開する企業を比較するための分析方法です。

例えば横並びで三店舗レストランが並んでいるところに、更にレストランを出店する、という想定でポジショニングマップを作るとしましょう。

X軸をボリューム、Y軸をお店の雰囲気とした場合、Aというお店は右上、ボリュームもあって雰囲気も良い、Bというお店は右下、ボリュームはないがお店の雰囲気は良い、Cというお店は左上で、ボリュームは良いが、雰囲気は良くないとしたら、AとCの間、ボリュームはあってお店の居心地はまぁまぁだったら、生き残れるんじゃないか?という風に考えるのがポジショニングです。

自社と競合他社を図で分かりやすく比較できるメリットがある半面、どういった指標をX軸やY軸にするのかが難しいです。

一般的に価格やブランドと言った購買行動に結びつきやすい指標を使う、ただし単に価格とブランドのような連動性が高い指標だと単に比例関係のグラフになるので、独立性の高い指標を組み合わせるのが良いとされています。

また、今回のレストランはAとCの間という判断をしましたが、これはあまり良い分析とは言えません。敢えて自社が有利になるオリジナリティーの高いグラフを作って、その他社に対して有利になったポイントを前面に押し出して、実際のサービス展開でも他社より優位になるように展開するのは賢明です。

VRIOフレームワーク

四つ目はVRIOフレームワークです。これ単独で使われるというよりは、3Cの競合他社や自社分析の方法論として知られています。

VRIOも四つの単語の頭文字を繋げたもので、それぞれ、Value(経済価値)、Rarity[Rareness](希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)です。

分析対象の会社の商品(本当は経営資源ですが、ここでは分かりやすく商品としましょう)はどの程度の価値があり、他の会社では真似できない希少な技術が使われているのか、他の会社が頑張れば真似できるようなサービス体制なのか、そして会社の組織がその商品を販売していく仕組みをきちんと整えているかの四つの観点で、強い会社か弱い会社かを判断するものです。

事業成長を加速させる3つのフレームワーク

さてサービスの展開が始まった後、どんなに魅力的なサービスでも、あるいは魅力的だからこそ、手を付けずにおくと競合他社の参入などで陳腐化し、やがて負債と化してします。

そうなる前に、どんどんと他社を寄せ付ける速度で進化させていくのが重要です。そこでここでは、サービスを改善していくためのフレームワークを見ていきましょう。

PDCA理論

まずはおなじみ、PDCA理論です。

計画(Plan)を立て、実行(Do)し、その結果を確認(Check)した上で対策を実施(Action)する、という一連のサイクルを繰り返し、サービスの質を高めていく方法です。ビジネスの基本のようにさえ言われますが、それだけ有効なメインワークとも言えます。

ABC分析

二つ目は、ABC分析というのをご紹介します。

主に商品在庫管理や原材料など、なにかをストックしておくときに使われるものです。

ストックすべき対象を「単価×一定期間に出入りする数量」で計算し、その結果が大きいものから順番にグループ分けして、グループごとに管理ルールを定めるやり方です。

この結果が大きい=出入りが滞ったらビジネスに致命傷を与えると言えますので、普段から多めに在庫を確保しておく、といった風に判断していきます。

制約条件の理論

最後に紹介するのは制約条件の理論です。

アルファベットでTOC(Theory Of Constraints)とも呼ばれますが、簡単にいえば、業務が滞る原因になっているボトルネックを分析するフレームワークです。

人気の飲食店で人が並ぶ原因は、たいていの場合、席が足りないからです。

では。席を増やすと待たずに早く食べられるようになるかというと、今度は料理人や配膳スタッフの数が足りず、やっぱり食べるまで時間がかかった、という状況になるかもしれません。

このようにボトルネックは変わっていくのが特徴です。そのため、定期的に確認するのが重要です。

長く愛されるサービスを作るためのフレームワーク

結局、長く生き残るサービスや企業は顧客満足度の高いサービスや顧客です。

そこで最後に顧客満足度を高めるフレームワークとして知られるサービス・プロフィット・チェーンという考え方をお伝えします。

これはよく「従業員の満足度が上がれば顧客の満足度も上がる」と説明されます。

あまりに簡素過ぎる説明なので、具体的に説明すると、企業が従業員に対して十分な敬意と報酬を与えることで、従業員は自分の仕事にやりがいを感じスキルを向上させ、サービスの質も高まるので、結果、顧客満足度も上がる、という考え方です。

顧客満足度が向上されれば利益も増えるので、その利益を従業員に還元すればさらにサービスの質が上がり、更に顧客満足度が向上するといった、好循環が生まれます。

まとめ

今回は企業活動に関する主なフレームワークをご紹介しました。

今回紹介した以外にも企業活動に有効なフレームワークはいくつがあります。

それぞれのフレームワークに得意、不得意がありますが、どのフレームワークを使うのが正解、失敗ということもありません。

状況に応じて、様々なフレームワークを上手く使分けるのが重要です。

この記事がその参考になれば幸いです。

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