通りやすい新規事業の企画書を作る方法
こんにちは!
ITエンジニア・webディレクター・webデザイナーなどのIT人材の自立・キャリアを支援するITプロパートナーズのCTOの柳澤(やなぎさわ)です。
弊社は、独立精神旺盛な優秀なエンジニアの方々の独立・起業サポートや、フリーランス支援を行っている会社です。
こちらの弊社運営サイト、「スタートアップ開発ラボ STaP(スタップ)」では、企業の新規事業開発担当者の方や、システム開発責任者の方、事業責任者の方達に向けて、事業開発のコツや、自社プロダクトやWebサービスを立ち上げる際にポイントや注意点について、弊社ノウハウを包み隠さずにお伝えしています。
新しいアイデアを提案する場合や、新製品のPRをする際に重要になってくるのが新規事業の「企画書」です。
しかし、実際に企画書を制作するとなるとなかなか難しく、どういったものを作成すればよいのか悩んでしまう方も少なくはないと思います。
そこで今回は、新規事業の企画書を通りやすくするためのちょっとしたコツ、書くべき内容について解説していきたいと思います。
プロジェクトの立ち上げを成功させる企画書を作成するには?
まずは、そもそもなぜ企画書を作成するのかというところから考えてみましょう。
企画の意図を分かりやすくする
そもそも、企画書とは自分のアイデアを書面化したものです。
企業内や取引先のクライアントに自分のアイデアを伝えるための資料として作成します。
そしてそのアイデアは、現在あるなんらかの問題を解決するために必要なアイデアでないといけません。
では、問題解決に必要なアイデアを上手く読み手に伝えるためにはどのように展開していけばいいのか?
それにはまず、企画書に書かれている内容の意図が相手に分かりやすくないといけません。
企画者と読み手が、共通で認識している問題などを解決へと導く内容にすることにより、相手に企画の意図を理解してもらいやすくなるのです。
しかし、企画の意図を理解してもらうためにも、少しコツが必要です。
そこで、最低限おさえておいた方が良い項目について見てみましょう。
・企画の目的を明確にする
上記にも書いたように、企画とは問題解決をするための行動である必要があります。
新しい事業を展開するということは、既存の業務では解決できない問題があるということです。
反対に、なんらかの問題があるということは既存の業務に足りない部分でもあるといえます。
だからこそ、企画書の内容には問題を解決する方法を示す必要があります。
そして、その結果得られる成果をしっかりと伝えることが通りやすい企画書に必要なことです。
・企画書は起承結で簡潔に
企画書にはストーリーが必要といわれています。
ストーリーがあることにより、企画書の内容に厚みを持たせることもでき、プレゼンテーションのときに相手に意気込みも伝えやすくなります。
しかし、ストーリーと聞いて「起承転結」にしないといけないと考えている人も少なくはありません。
企画書には「転」は必要ありません。
なぜなら、「転」は「起承」で作った流れを壊してしまうからです。
そのせいで、一見メリハリがあるように見えますがフラフラした内容の企画書になってしまいがちです。
プレゼンテーションの限られた時間内に簡潔に終わらせるためにも、企画書には「転」を盛り込まない方がベターです。
次に、新規事業の企画書に書くべき
新規事業の企画書に書くべき項目サンプル
新規事業の企画書に盛り込むべき項目んおサンプルについて見ていきましょう。
①新規事業を立ち上げる意義・目的
新規事業の企画書に於いて、絶対に書かなくてはいけない内容は、新規事業を始める必要があると感じた理由と目的です。
近年は企業などの新規事業ラッシュも落ち着いてしまい、新規事業の立ち上げに慎重になってしまいました。
そのため、企画書の読み手側が本気で新規事業の立ち上げを考えなくてはいけない内容にしなくてはいけません。
②事業を取り巻く環境の現状と課題について
次に、事業を取り巻く環境の現状と課題についても記載されている必要があります。
社内で共有されている課題、
- 「市場シェアの伸び悩み」
- 「売上の低迷」
- 「競争の激化」
- 「差別化」
など、日頃から悩んでいる課題に挑戦し、それにより得られるメリットを伝える必要があります。
可能ならば具体的な数値がある方が分かりやすいですが、初期のプレゼンテーションではそこまで細かくする必要もありません。
③ニーズとその事業が生み出す価値について
新しく新規事業を立ち上げるということは、既存の解決策よりも新しいアイデアの方が顧客からのニーズがあるという必要があります。
例えば、競合も同じようなサービスをしていたとして、競合から顧客を引っ張る必要が出てきます。
そのときに、既存の解決策よりも顧客に良いと思ってもらい、顧客に価値があると思わせる内容でないといけません。
そのため、企業内の価値だけではなく顧客価値という視点からも考えなくてはいけなくなります。
顧客の問題はどうして解決されないのか?それは物理的に制約があるからなのか?顧客がそう思っているだけなのか?と、さまざまな視点から考えてある必要があります。
③市場規模
重要なのはニーズだけではなく、新規事業に需要がある市場規模も考えておかなくてはいけません。
具体的にはグループごとに分け、セグメントを明確化し最も魅力的な市場セグメントを見つける必要があります。
一般的には、
- 「地理的変数(ジオグラフィック)」
- 「人口動態変数(デモグラフィック)」
- 「心理的変数(サイコグラフィック)」
- 「行動変数(ビヘイビア)」
などで分けられます。
新規事業の場合、情報がないため市場規模が把握できない場合があります。
そういった場合は、基本的な情報を元に「フェルミ推定」などを使い自分で計算し算出するしかありません。
④競合分析
以前は「強いものが残る」という考え方でしたが、近年は「残ったものが強い」に変わっており、それだけ「戦略」が重要になりました。
そしてその戦略を使い生き残るためには、競合が真似をできないような製品・サービスを提供していく必要があります。
競合との違い、自社でしかできないような強みがある場合はそれを全面的に出していく必要があります。
反対に、競合がすぐ真似をできるようなアイデアと判断された場合は、残念ながらその企画書は通らない可能性の方が高いです。
⑤経営目標、スケジュール
企画書の中には、経営目標や計画のスケジュールを記載することも大切です。
特に新規事業の場合は、スケジュールをしっかりと立てないと遅れが発生したりしスケジュール通りに事業を開始することができないといった事態も発生します。
事業立ち上げからどれくらいの期間で、どういったビジネス展開をしていくのか具体的に記載しておきましょう。
また、何かしらのトラブルが発生するリスクも視野に入れたスケジュール作りがいいでしょう。
⑥今後の計画
ここまで企画書ができていれば、最後は上記の課題に着手するための計画を考えましょう。
新規事業の収益予想はもちろん、必要な予算などの収支計画を記載しておきます。
例えば、売上予測は短すぎないように3年程度、プロジェクト体制や開発スケジュールなども記載しておくのが望ましいです。
新規事業企画書を通りやすくする3つの方法
企画書を通りやすくするために、まずは企画書の構成を簡単にすることを心がけましょう。ここで重要なのが「5W1H」です。
5W1H
- Why(なぜ)
- When(いつ)
- Who(だれが)
- Where(どこで)
- What(何を)
- How(どのように)」
を意識することにより、格段に相手に伝わりやすくなります。
特に「Why」を中心に、なぜこの企画を実地するのか?この事業が必要なのか?この理由を冒頭に提示することにより、企画書の内容がスムーズに頭に入りやすくなります。
データや数字の裏付け
もちろん、自分のアイデアに説得力を持たせるためにもデータや数字での裏付けをし、企画内容に現実性を持たせる必要があります。
文章だけではなく、時にはグラフを用いて見やすくするといった工夫も必要です。
企画書の内容はマクロ的にもミクロ的にも論理的にする
ビジネスシーンでは、企画書に限らず論理的な文章を求められることが多々あると思います。
特に企画書には、コンセプトをまとめ内容をしっかりと読んでもらう必要があります。
そこでまず、企画書全体の流れを把握させた上で細かいところの説明へと流れるようにします。
そうすることで、1つのトピックで伝えるべきメッセージが絞られ、論理的な文章を作りやすくします。
まとめ
いくら画期的なアイデアを思い付いたとしても、企画書が通らなくてはあなたの仕事には繋がりません。
企画書を通すために、相手が読むだけでもある程度のイメージを掴める文章構成を意識しましょう。