1on1ミーティングの進め方のコツとは?効果的な質問まで解説
「1on1ミーティングをしなきゃいけないけど、どうやって進めたらいいかわからない!」
「1on1ミーティングでどうやって部下から話を聞けばうまくいくのか知りたい」
いきなり1on1ミーティングをしよう、と思って100%正解の進め方ができることは少ないでしょう。
「業務上のミーティングなら普段から進行していて慣れている、でも進捗でもないミーティングって何を話せば…?」
きっと多くの方がこの壁に当たっているのではないでしょうか。
そこで今回は、1on1ミーティングの進め方として重要なポイント、1on1ミーティングを進めるのに大切な心得・部下の話を聞くためのコツをご紹介します。
部下の話を聞き出すための具体的な質問例についても解説しているので参考にしてみてください。
目次
1on1ミーティングは「主導権は部下」と認識した進め方を意識する
仕事の一環として1on1ミーティングをどう進めるかを考えると、どうしても上司としては「きちんと取り仕切らなければ!」と張り切ってしまいがち。
ですが1on1ミーティングの目的は『部下の育成』です。
目的を強く意識してもう一度1on1ミーティングの進め方について考えてみると、「上司が仕切る場ではない」ということも理解していただけるはず。
1on1ミーティングは部下のためのものであり、上司はあくまで部下の進行をサポートする場、として捉えましょう。
1on1ミーティングのアジェンダ作成は部下に任せる
1on1ミーティングでは、部下にアジェンダ作成を任せることをオススメします。
1on1では上司は「話を聞くこと」がメインです。
にも関わらず上司がアジェンダを作り進行してしまっては上手くいきませんよね。
部下も上司の質問に答える場、として捉えてしまい当事者意識を持たなくなってしまう恐れもあります。
ですので、アジェンダ作成は上司ではなく部下にしてもらいましょう。
その際、仕事ができる上司ほどアジェンダのクオリティの低さに指摘をしたくなってしまうかもしれませんが、ここはぐっと抑えて。
慣れない部下にとって「本業ではない部分でどうしてこんなに悩まなくちゃいけないんだ?」と不満を持ち、マイナスに働いてしまうかもしれません。
1on1ミーティングでのアジェンダ作成は、部下が自身の課題や悩みを解決するために考える、自分を見つめ直すためにも役立つスキルです。
1on1ミーティングは上司から部下へ、トップダウンの形式で行われるべきものではないことを理解してもらいましょう。
アジェンダ作成は部下にしてもらう、そのためのサポートをすることこそ育成力ある上司の力の見せ所でもあるわけです。
アジェンダ作成に困る部下へのアドバイス例
普段作りなれないミーティングのアジェンダを作成するとなると、部下がアジェンダ作成に戸惑うことも容易に想像できます。
そのようなときにはどのようなアジェンダを作って欲しいかの指針を示しておくサポートをしておくと、部下からも好評価を得ることができます。
具体的には下記のようなサンプルを示しておくと、部下も考えやすくなるのではないでしょうか?
- 仕事をしていて楽しいと感じることについて
- 仕事をしていて辛い・苦しいと感じることについて
- 業務上で困っていることがないか
- 業務を円滑にするためのアイディアや工夫はあるか/しているか
- 今後の目標について
- 資格取得やステップアップに関して考えていること
- プライベートを含めた直近の目標について
- ワークライフバランスについて
これらを一例として、部下本人にアジェンダを作成してもらい、アジェンダに沿って話を聞いていく場にしたいということもしっかりと伝えましょう。
「話したいことがない」といわれた時に上司がすべきこと
「1on1ミーティングをする」と言われても、部下によっては「何を話せばいいんだ?」となってしまう場合もあります。
例えば週1、月2回、頻度にもよるのかもしれませんが、「わざわざ上司に相談するような話もないしな…」ということもあるでしょう。
このようなときに「いや。やると言ってあるんだからアジェンダを作成してこい。」とは言ってはいけません。
1on1ミーティングで一番求められるのは1対1のコミュニケーションであり、無理強いするようなものではないのです。
まずは「1on1ミーティングを行う目的は何か」ということを理解してもらい、そのうえで「何を話そうか」ということを考えてもらうための質問をしていきましょう。
「最近プライベートは充実できてる?」「仕事してて楽しい!と感じられたシーンはあった?」など簡単な質問から掘り下げていくこともおすすめです。
また、前回の1on1ミーティングで「仕事はもちろんだがプライベートを充実したい」という目標が出たとします。
1on1ミーティングは仕事の話題に限定される必要はないため、例えば残業が多くてプライベートが充実していない、と考えるのであれば残業を減らすにはどうしたらよいか、そのための具体的な方法はどう考えているか等の話をしていくこともできます。
その時々で、部下の様子を見ながら業務に前向きにあたってもらえるようにコミュニケーションを深めていくようにしたいものです。
アジェンダは業務だけでなくプライベート含みでもOK!
業務上だけの事ではなく、プライベートも含めたアジェンダにすることでより、部下の価値観や考え方についても理解することができます。
また、モチベーションの状況を把握することで適切なサポートもしやすくなるメリットも。
目標や課題についても共有できれば、部下の成長を本人が望む形に導くサポートもしやすくなりますよね。
1on1ミーティングの進め方のコツ
ここからは、1on1ミーティングをスムーズに進行していくためのコツについて解説します。
- 1on1は信頼を得るためのコミュニケーション
- 相手の話にきちんと共感を示す
- 部下の話をうまく引き出す質問のコツ
1on1は信頼を得るためのコミュニケーション
1on1ミーティングは「ミーティング」という言葉が含まれていることでついつい「会議(=仕事)」と認識してしまいがちですが、会議ととらえてしまうと失敗します。
リテンションやカルチャーフィットにも通ずるものを内包した「部下から信頼を得るためのコミュニケーションの場」、と捉えましょう。
進捗確認ではなく、あくまで部下個人のことを深く理解するために行うものですから、部下に指示を出したり、ダメ出しをするための場にはしないということも重要です。
相手の話にきちんと共感を示す
相手の話に共感を示すというのは1on1ミーティングの進め方としても重要な部分です。
相手の話を聞いてしっかりと相槌をうつ、それだけの事ですが表情と合わせた相槌で相手に安心感をもって話してもらうということに意義があります。
また、心理学的に人間は「自分の話を聞いてもらえた!」と感じることで「この人は信頼できる」と感じることができるという説もあります。※話を聞いてもらえた=受け入れてもらえた!と感じることから
部下と上司、という間柄では基本的に部下は「上司が自分の話を受け入れてくれる」ということを前提として考えているケースは少ないもの。
だからこそ『しっかり自分の話を聞いてくれた!」という経験が大きな効果をもたらすのです。
例えば「仕事は楽しい?」と聞いて『楽しいです!』と返事があったら「それは良かった!!(笑顔で)」と相槌をうつ。
それだけの事ですが、業務となるとおろそかになってしまうケースも。
例えばですが「それは良かった」と真顔で言われたら『この人本心から良かったって思ってるの?』と疑念を抱かれてしまうでしょう。
もちろん相手の話だけでなく表情を見るということも忘れてはいけません。
仕事は楽しい?に対する返事が「楽しいです(表情が暗い)」など気になる部分があれば、まずは「そうか、楽しいんだね。」と受け入れてから、深堀してみましょう。
続けて「じゃぁ楽しくないことはあった?辛いな…と感じることとか。」など聞いてみると、具体的な話を引き出しやすくなる場合もあります。
部下の話をうまく引き出す質問のコツ
1on1ミーティングの進め方は、決まったマニュアル通りに進められるものではありません。
あくまでコミュニケーションですから、相手をみながら、相手(部下)が話しやすいような流れにもっていくということも重要です。
そのためにはまず部下のタイプ、自分との関係を見極めた質問をしながら進めていくことも大切になっていきます。
- 自分に対して臆さず意見してくれる
- 自分の意見を人に発信することに慣れている
このようなタイプの部下ならば、あまり回りくどい質問は必要ないでしょう。
「最近どう?何か悩みとか困ってることってある?」と聞けば相応の答えが得られるでしょうから、そこから会話をスタートしていくことができます。
- 自分に意見を言うことがほぼない
- 消極的であまり自分発信をしない
このような部下の場合には「YES・NO」の簡単な選択肢で回答できるようなものからスタートしていくと話をしやすくなります。
ある程度選択肢を用意した質問を投げかける、というのも良いでしょう。
このように部下のタイプに合わせた進め方が重要なので、具体的な質問例を部下のタイプ別に紹介するのでこのまま読み進めてみてください。
【部下タイプ別】1on1ミーティングで効果的な質問具体例
具体的に部下にどのような質問があるか、選択肢を持っておけばスムーズに1on1ミーティングを進行することができます。
ここでは具体的な質問例を紹介していきます。
業務に限ったことだけではなくプライベートな話も織り込んでいくことでより深く部下について理解することもできるので、その例も含めているので参考にしてみてください。
発言に慣れていない部下の場合の質問例
この場合は基本的に、「はい、いいえ」と簡単に応えられるところからスタートしていくのが良いでしょう。
| 「最近仕事、楽しんでる?」 | → 「どんなところが楽しかった?」 と深堀していく |
| 「仕事で楽しくない(辛い)と感じたことはあった?」 → 「どんなところが楽しくかった(辛かった)?」 | 表情が明るくない、前向きさが感じられないなど気になる部分がある場合 |
| 「最近、会社に来るのイヤだなぁと感じたことなかった?」 | 表情が明るくない、前向きさが感じられないなど気になる部分がある場合/心身の健康を測る目的で |
| 「会社で仲良くなった人はいる?」 | →「どんな話をしてるの?」と深掘りしていく |
| 「仕事休みの日ってどんな風に過ごしてるの?」 | 趣味や普段の生活から部下を理解する目的 |
発言に慣れた部下の場合の質問例
発言に積極的な部下には回りくどいことはせずに、質問してみましょう。
業務上の事だけではなくプライベートな部分の価値観も知ることで仕事観や将来のビジョンなどへの理解もしやすくなります。
| 「仕事で楽しいと感じるのはどんな時?」 |
| 「プライベートも含めて最近楽しい!と思ったことって何かあった?」 |
| 「今、一番仕事で思ったように進まないとか困っていることってあるかな?」 |
| 「仕事してて辛いな…と感じるようなことはどんなこと?最近あった?」 |
| 「今何か解決したい!と思っているような事案はある?」 |
| 「趣味とか最近はまってることって何かあるの?」 |
| 「仕事終わった後の愉しみって何かな?」 |
上司として気になる部分がある部下への質問例
ダメだしをしたり指示を出す場ではないと言いましたが、1on1ミーティングでは「部下の成長・リテンション」も課題の一つ。
そう考えると「ここが治ればもっとできるやつだと思うんだけどな…」と思う部分を伝えていくことも必要ですよね?
とはいえ、ダメだしにつなげてしまってはここまでの苦労も水の泡。
”伝える”のではなく”相手に気付きを与える”ような言い方を模索してみましょう。
- 「〇〇のプロジェクトの進捗は思い通りに進んでるかな?」 ⇒ 「進んでない原因てなんだと思う?」
- 「〇〇の業務ってどうやって進めているの?」 ⇒ 「うまく進んでる?」 ⇒ 「どうしてうまくいかないと思ってる?」
- 「残業多いけど疲れてない?業後のリフレッシュってできてる?」 ⇒ 「どうやったら残業減るかな」
- 「チーム内でコミュニケーションはうまくとれてるかな?」
など、相手に気づいて欲しい課題について、少しずつ話を近づけていくことでその場で答えが出なかったとしても、考える道筋をつくることはできます。
限られた時間で答えを出すのではなく、相手に気づいてもらう、それが大切なのではないでしょうか。
相手が自分が思う課題に気付くことができるような道筋をつけるということも1on1ミーティングの進め方として重要です。
特に指摘・課題が見当たらない部下への質問例
中には非の打ちどころのない優秀な人材もいるでしょう。
上司としては課題も特にないし、言わなきゃいけないようなこともない、本人も悩んでいる様子がない…そんな時にはどうしたらよいでしょうか?
そのような場合にはさらなる成長を後押しできるようなステップアップにつながる道筋を立ててみましょう。
常にステップアップに向けた話題だけ、ではなくプライベートなことを聞いてみるということも良いでしょう。
- 「今の業務をより効率化するには、どうしたらいいと思う?」 ⇒ 次回以降の課題としてクリア状況を確認できる
- 「どうしたらチームのパフォーマンスがさらに改善されると思う?一緒に考えてみて欲しいんだけどどうかな。」
- 「今やってもらってる業務以外で興味のあることとか、チャレンジしたいこと(案件)はある?」
- 「将来的にどんなビジョンをもって仕事してるのか聞いてみたいな」
- 「(課題のある部下にむけて)彼・彼女がうまく進まなくて困ってるみたい何だけど、君ならどうやってサポートする?」
- 「仕事の後って何か楽しみとか、やりたいこととかってあるのかな?」
※目標をもって行っているようなものがあれば、その目標を達成も後押しするということも良いでしょう
1on1ミーティングの進め方で重要なのは傾聴・共感・成長や相手を知るための質問
答えを出すのは部下。
上司として求めている結果(=答え)を引き出すための質問や話術が1on1ミーティングを進行して意義あるものにするのにもっとも重要ということがわかっていただけたでしょうか?
話しを聞く ⇒ 共感する ⇒ 悩みがあればまず話を聞く ⇒ どうしたら解決すると考えているか聞く ⇒ 解決への道筋を質問で導いていく
これが基本的な1on1ミーティングの進め方、と認識しておくことが大切です。
上司として、ではなく人生の先輩として、というスタンスでも良いかもしれません。
部下が自分という存在について、将来こうなりたいと思う明確なビジョンを持って業務に当たることができる環境を整える、そのためのサポートの場なのです。
業務に前向きに生き生きと働くことができる人材が増えれば、組織も活性化し、業績にも良い影響が出るでしょう。
まずは相手の話をしっかりと聞く、小さい時から言われていた事ではありますが『大人ならではのスキルとしてそれを求められている』ということを認識して進めていきましょう。
