新規事業の成功例・失敗例から分析する考慮すべき要因とは?
新規事業が成功する確率というのは決して高いものではありません。
大企業・中小企業問わず、それぞれの新規事業を成功させるために様々な取り組みを行っていますが、成功率は残念ながら高くないのが実状です。
新規事業を成功させるためには、顧客のニーズやライバルとなる企業のチェック、様々な企業による新規事業の成功例・失敗例を分析し対策を行った上で計画を実行する必要があります。
本記事では、新規事業の着手を検討している企業の担当者向けに、新規事業の成功例・失敗例から学ぶ様々な要因を分析していきたいと思います。
今回ご紹介する内容を、新規事業を始める際の対策としてぜひご活用ください。
目次
新規事業の成功例から共通した要因を分析しよう
まずは新規事業の成功例を3つの大きな共通した要因から分析していきたいと思います。
それぞれ成功例として特徴的な企業についても合わせてご紹介していきます。
- ライバルの少ない市場を狙っている
- ターゲットが明確になっている
- トレンドに沿った内容である
ライバルの少ない市場を狙っている
ライバルの少ない市場というのは、新規事業を始める上で最初に検討したい部分です。
既に市場シェアの大半を握っている企業やコンテンツが存在する場合、後からの参入でシェアを奪っていくのは難しいのが実情です。
ライバルの少ない市場を狙った企業例としては、株式会社コークッキングが提供する「TABETE」などが挙げられます。
TABETEでは、閉店間際の店舗などから廃棄となってしまいそうな食事を、割引価格でユーザーに提供します。
TABETEはフードシェアリングサービスとして、少しでも安く美味しい食事を購入したいユーザーと廃棄量を減らしたい飲食店の架け橋となるサービスです。
これまで廃棄量の問題は頻繁にニュースになっていますが、明確な打開策は出てきていません。
新たなサービス形態としてライバルも少ない状態のため、「TABETE」サービスは一気に飛躍したと言えます。
ターゲットが明確になっている
ターゲットが曖昧な状態で新規事業を始めても成功する確率は格段に低くなってしまいます。
需要の高い分野でターゲットを絞って始めることは、新規事業にとっては必須事項と言えます。
ターゲットを明確に定めて新規事業が成功した企業例としては、株式会社アクティバリューズが提供する「talkappi(トーカッピ)」などが挙げられます。
talkappiは、AIを用いて多言語の問い合わせ対応を自動で行うことが出来るチャットボットです。
近年、日本への観光客は増えてきており、中でも中国・韓国・台湾からの来日客が多くを占めています。
そこでtalkappiでは英語・中国語・韓国語に標準対応していると同時に、wechatやFacebook messengerといった諸外国でのシェア率が高いSNSアプリとも連動させることで、多くの旅行者のニーズに答えられるサービスを提供しました。
旅行者にとっても、母国語で普段から利用しているSNSを利用してサービスを利用出来ることから、人気のサービスとなっています。
トレンドに沿った内容である
トレンドに沿った内容の新規事業は爆発的ヒットに繋がることも多いため、見逃せない分野です。
企業例としては、株式会社Greedが提供する「企業」と「Live配信インフルエンサー」を繋げるマッチングプラットフォーム「Onteras(オンテラス)」などが挙げられます。
Youtubeやインスタグラムなど、動画投稿やLive配信を通して強い影響力を持つ「インフルエンサー」と呼ばれる投稿者が増えてきています。
企業も芸能人に変わる広告塔として価値を見出しており、様々な企業が広告を出し始めています。
「Onteras」では、「商品を紹介して収入を得たいインフルエンサー」と「発信力のあるインフルエンサーに自社商品を紹介してもらいたい企業」をマッチさせることで、近年のトレンドに沿った新たな新規事業サービスとして人気が出てきています。
新規事業の成功例だけでなく失敗例にも注目してみよう
新規事業の成功例をご紹介してきましたが、失敗例についても把握しておきましょう。
企業にとっては新規事業の失敗は大きな痛手となることも少なくないため、失敗例から回避策を事前に考慮しておきましょう。
- 資金不足及び人材不足による失敗
- 参入タイミングが悪い
- 顧客ニーズの検討不足
資金不足及び人材不足による失敗
新規事業というのは企業が未経験の分野やノウハウが確率されていない分野で展開されることが多くなるため、想定外の自体が起こる確率は高いと言えます。
ターゲットとする分野は間違っていなくても想定外の自体が起きた場合、十分な資金が用意出来ていないとバックアップするための資金繰りも難しくなり、新規事業の停止または廃止となり得ます。
また人材についても同様で、当初想定していた人材では運営していく上で人数が足りないことや、知識が追いつかないことも考慮しておく必要があります。
未経験の分野では完全に予測することは不可能に近いため、なるべく入念な準備と何か起きた時に対策出来るだけの余力(バッファ)を残しておくことが重要と言えます。
参入タイミングが悪い
参入タイミングについても見極めが重要です。
例としては、海外で成功しているサービスを日本でも展開する場合などが挙げられます。
日本では法整備や組合などの問題もあり、新規事業の参入を遅らせている分野も多いのが事実です。
新規事業を始める上では、なるべく早く事業を初めて市場シェアを獲得することは最優先事項となりますが、あまりにも先走り過ぎて大金を注ぎ込むと法律問題や規律の問題で、足元をすくわれる可能性も否定出来ないため注意が必要です。
顧客ニーズの検討不足
根本的な問題として、企業の想定していたニーズと顧客ニーズがマッチしていなかった場合も多くの失敗例として挙げられます。
例としては、東京で成功したサービスを新規事業展開として地方で展開した際に、全く売り上げに繋がらなかったという問題は良く見られる失敗例です。
また企業の想定しているニーズは、ユーザーがお金を払ってでも解決したい問題なのかという点も重要なポイントです。
顧客ニーズはあっても、お金を払うくらいなら今のままで良いやと考えているユーザーが多い問題も世の中には多く存在します。
顧客ニーズが実際に企業にとって新規事業を始めることで、利益に繋がる問題なのかを十分に検討していくことも合わせて重要な要素となります。
新規事業の成功例を具体的に分析してみよう
ここからは新規事業の成功分野を具体的に分析していきたいと思います。
トレンドに合ったサービスで如何に早く市場シェアを獲得しているのかが、どの分野でも大きなポイントとなっています。
- Youtubeをはじめとした動画配信サービス
- 提供サービス急増中サブスクリプション型サービス
- シェアリングサービスも海外を中心に拡大中
Youtubeをはじめとした動画配信サービス
現在のトレンドで最も注目を集めていると言っても過言ではないのが、Youtubeをはじめとした動画配信サービスです。
近い将来、「5G」と呼ばれる高速通信技術が世界中で利用されるようになると予想されており、動画配信サービスは従来のブログのような文字のみで構成されたサイトよりも一般化するのではないかと期待されています。
5Gが一般化すると「超高速通信」「タイムラグなし」「多数同時接続」通信を低価格で利用することが可能となります。
動画配信は従来の文字コンテンツよりも、「手軽」で「分かりやすい」といった特徴から多くのユーザーが利用するものと期待されており、動画配信サービスにも多くの企業が参入しています。
中でも、Youtubeは2005年に最初の動画が投稿されたと報じられており、5Gが始まる以前から動画配信界隈のシェア率を大きく占めていたことが飛躍の要因として考えられます。
提供サービス急増中サブスクリプション型サービス
日本国内でも人気のサブスクリプション型サービスとして「Spotify」や「Netflix」といったサービスが挙げられます。
サブスクリプション型サービスの特徴としては、「定額使い放題」で比較的安価な価格設定で充実した内容のサービスが提供されている傾向にあります。
従来は「買い切り型」と呼ばれるサービス体系が大半を占めており、商品やサービスを購入してユーザーが「所有」する形態が一般的でした。
サブスクリプション型サービスには企業・ユーザー共にメリットがあります。
まず企業側には1度切りの支払いで終わる「買い切り型」とは異なり定額制による「継続的な収入」が期待出来ます。
また従量課金制などを取り入れることで、使用量に応じて契約金額を変更することも可能です。
ユーザー側のメリットとしては、短期間での契約の場合、「買い切り型」よりも低価格でサービスを利用することが可能な点が挙げられます。
もし自分には合っていないと感じれば簡単に解約することも可能なため、気軽に契約出来ることもメリットです。
頻繁に利用するユーザーにとっても定額使い放題は大きなメリットです。
例えば「Netflix」の場合、一度課金すると映画やドラマを見放題ですが、従来のように買い切りですと1本の映画で数百円以上は費用が発生するため、月に数本以上視聴するだけで「買い切り型」のサービスよりもお得に利用することが可能となります。
企業とユーザーお互いにとってメリットがあり、時代のトレンドに沿ったことからサブスクリプション型サービスは一躍人気のサービスとなったと言えます。
シェアリングサービスも海外を中心に拡大中
海外を中心に人気が出てきているシェアリングサービスについても注目しておくべき新規事業です。
有名な例では「UBER」を筆頭にライドシェアリングサービスや「Airbnb」をはじめとする民泊サービス、「タイムズカープラス」のカーシェアリングサービスなどが挙げられます。
上記でご紹介したサブスクリプションサービスと共通する要因にもなりますが、近年では「所有」する文化から「シェア」する文化に様々なサービスが変わりつつあります。
カーシェアリングサービスを例にとると、自分で車を保持した場合、保険や駐車場代・ガソリン代など月々に掛かる費用は高額で、維持費だけでも大きな負担となるため気軽に車を購入することは出来ません。
車があれば便利だけど所有するのは負担だと考えるユーザーが、自分の必要な時だけ安価で車を借りられるサービスとしてカーシェアリングサービスは普及してきました。
一方で、貸し手にとってもシェアリングサービスを利用するメリットはあります。
Airbnbなどの民泊サービスの例では、別荘を購入したけれども自分で利用するのは1年に数回程度というケースは珍しくありません。
民泊サービスを利用することで、自身が利用していない期間を別ユーザーに貸し出し、収入を得ることが可能となるため、放置しているよりは良いだろうと考えるオーナーが増えています。
所有欲のないユーザーにとっては格安でサービスを利用することができ、オーナー側にとっても既存の資産を活用出来るため双方にとってメリットがあることがサービス拡大の要因となっています。
まとめ:新規事業の成功例では顧客の隠れた需要を見つけ出し積極的に活動することが大切
本記事では、新規事業の成功例と失敗例の要因について企業例を交えながらご紹介してきました。
成功している企業の共通点として、顧客の隠れた需要にいち早く気付き、サービス提供を開始することで市場シェア率を大きく獲得していることが確認出来ます。
ライバルの少ない市場で顧客の需要に合ったサービスをなるべく早く見つけ出し、積極的に活動することが新規事業成功へのポイントとなるでしょう。
