360度評価を失敗させない!失敗事例と原因・目的と評価項目の運用方法のコツ(メリット・デメリット)

360度評価は「公平で多面的な評価」を実現でき、社員同士の関係性も良くなるとして注目されています。

ですが運用を間違ったり、認識が違ってしまうとたちまち失敗してしまう諸刃の剣でもあるのが360度評価のむずかしさ。

『360度評価の導入を検討していて失敗しないコツを探りたい』
『360度評価の運用に失敗したので次は成功させたい!』

そんなお悩みを解決するため、ここでは360度評価で失敗しないために抑えておきたいポイントを網羅的にお伝えします。

  • 失敗事例やその原因
  • 360度評価についてとその目的
  • 評価項目と評価反映先
  • 成功させるための施策アイディア
  • 360度評価のメリット・デメリット
などまとめました。

最初から通して目を通していただくと、どうして失敗してしまうのか、360度評価への理解を深めつつメリットを活かした360度評価を実施していただくことができるはずです。

360度評価の失敗回避には原因と事例に学ぶべし

まず最初に、どうして「360度評価に失敗してしまうのか」を簡単に結論づけてみます。

『導入目的を見失い、人事考課に組み込んでしまった』というところで失敗させてしまっている例が多く見受けられます。

どんな失敗事例があるのか見てみましょう。

360度評価の失敗事例4選と失敗した理由

失敗事例 失敗理由
結果がでないと焦ってしまう 短期間ででるものではない
適切な運用ができていない 待遇に関わる評価と別に考え人材育成に焦点をあてることができていない
現場への負荷が増大してしまう 負荷を軽減しながら適切な評価を下せる仕組みになっていない
社員の混乱を招いた・積極的に参加してもらえない 安心感をもって協力してもらう準備(導入意図の説明など)が不足している

上の表は特に多い失敗事例を4パターンピックアップしてまとめたものです。

それぞれの失敗事例の理由(原因)も簡単に掲載しています。

このような失敗が多いということがわかれば、失敗せずに導入するのに反面教師として活かすことができます!

続いて更に詳しく、360度評価が失敗する原因についてみていきましょう。

360度評価が失敗する原因を知ろう

360度評価を成功に導くには、以下のポイントが重要です。

逆説すると、このポイントが守られていないと360度評価が失敗してしまう原因になるので、しっかり覚えてください。

360度評価を成功させる4つのコツ
・360度評価を人事評価に組み込まない
・現場の負荷は最小限に押さえる工夫が重要
・導入の目的や背景の説明は十分にすべし
・結果がでるまでに時間がかかるものと心得る

360度評価は結果が出るまで時間がかかります。

また日頃の業務を行いながら複数人の評価を出すというのは、従業員にとっては間違いなく負荷となります。

この点を踏まえないと360度評価は間違いなく失敗してしまうでしょう。

安定した評価が下せるようになるにも時間がかかりますが、工夫すれば結果がでるのを早めることも可能です。

そのためには、どうして導入するのか、評価の目的は何でどのように反映されるのかもしっかり伝えて参加してもらうということも重要になります。

失敗しないために|360度評価とは何か

失敗せずに360度評価を行うために、そもそも360度評価とは何かをおさらいしてみましょう。

360度評価とは「上司・同僚・部下」と様々な立場から評価対象者を評価するというもの。

そのために偏りのない公平な評価が下され、評価対象者も納得しやすい、色々な人から評価を受けるので上司ばかりでなく周りに公平に意識を向けられるようになるということから注目されています。

自分が周りからどんな風に評価されているのか、課題は何か素直に聞き入れやすいというのもメリットです。

評価というと上司の視線を気にするもの、という過去の常識を覆し、正常な人間関係で組織をうまく回していく原動力にもかわるもの。

チーム内がぎくしゃくしていたり、円滑ではない、協力体制ができていない場合にも360度評価は効果を発揮するでしょう。

360度評価の導入目的への理解なくして成功なし

基本的には360度評価の導入目的は2つあります。

  1. 公平に評価する仕組みを導入するため
  2. 人材育成や社員のモチベーションをあげるため

360度評価で失敗しないためには、「目的は何とするか」を明確にすることです。

目的に合わせた運用をしてこそ360度評価を成功させることができる、と覚えておく必要があります。

360度評価の評価項目と評価反映について

360度評価の評価項目 評価反映先の例
業務成果(業績貢献度) 処遇につなげる
スキル(技術力)・技能・リーダーシップなど 人材育成に反映
執務態度(勤勉さ・積極性・勤怠など) 処遇・人材育成・異動・配置転換など広く応用できる

360度評価の失敗例で多いのは評価項目と反映先について間違ってしまうということ。

360度評価を成功させるには評価項目と評価の反映先を明確にして社員への伝達を確実にするのが最重要項目です。

導入の目的は「公平な評価をする、人材育成に生かす」であることを考えた評価項目と反映先の設定をすることも大切です。

360度評価のメリットが活かせないのなら360度評価を導入する意味がなくなってしまいます。

360度評価の導入率

労政時報が行った調査により引用します。

2013年における360度評価の導入実績は、従業員1,000人以上の企業で16.2%。2016年秋発表の日本経済新聞社が約1,600社の企業(上場企業・連結従業員1,000人以上の企業とそれらに準じる有力企業)に対して行った調査によると、360度評価の導入率は46.1%

となっていて、2016年時点では従業員数1000人を超える企業では半数近い46.1%が360度評価を導入していることからも注目度合いが急激に高まっている事がわかります。

評価を公平にすることは『リテンション施策としても重要な従業員エンゲージメントを高める』のにも効果的だからではないかと推測します。

360度評価で失敗しないために|メリット

360度評価で失敗しないためには『360度評価のメリット』を正しく認識することが大切です。

360度評価の6つのメリット
・人事評価の効率UP・コストダウン
・客観性の保たれた評価ができる
・一方的な印象を受けないので社員も評価に納得しやすい
・FBを受けて自分の改善点に気付きやすく改善につながる
・自分の特性を客観的に把握できるので成長につながる
・上司だけでなく部下や同僚に対しても意識が自然と向くようになる

360度評価で失敗しないために|デメリット

360度評価の3つのデメリット
・慣れない評価者は主観が入りやすい
・評価の為に上司が正しい指導をしなくなる可能性がある
・社員同士で結託する可能性がある

デメリットについてはこの3つがあげられます。

ただ、2つ目に関しては、上司は自分の上司や同じ立ち位置の人材からもチェックが入る事が阻止につながりやすいのも360度評価の良さです。

特に日本人特有かもしれませんが「人を評価する」ということを公平に行うのは難しいものがあります。

ですから360度評価を導入する場合には評価の反映を適切に設定したうえで、社員に対してその評価がどのように反映されるのか、目的やメリットもしっかり周知することが大切です。

評価を行うためのスキルを身に付ける研修を行うのも有効な施策となるでしょう。

社員同士での結託の可能性についても、実施するたびに評価対象者と評価者に偏りが無いように配慮しつつシャッフルする、などで対策をとることができます。

360度評価で失敗しないコツ|導入意図・評価の伝え方・現場の負荷を考える

360度評価を失敗させないために重要な部分なので、「社員それぞれに向けて配慮すべき」ポイントと、「担当部署が実施にするにあたって考慮すべき」ポイントに分けて解説します。

導入に当たり社員へ配慮すべきポイント
・360度評価の仕組み・導入目的や意図を丁寧に社員に説明するよう徹底
・導入することで発生するメリットも伝える
・評価内容は詳細でなく「各評価の平均」を伝えてモチベーションUPに生かす

一人一人の社員に360度評価を導入する事について、しっかりとした認識を持ってもらうことこそ、「公平性のある評価」を的確に下してもらうのに欠かせないコツとなります。

そのためには、どうして導入するのか、導入することで得られるメリットも明確に認識を持ってもらう事が大切です。

360度評価で評価する部分と、それぞれの評価をどのように反映するのかという部分もしっかり伝えましょう。

また評価を伝える際のコツとして、モチベーションを下げてしまうことが無いように、「平均値」で伝えることもポイント。

社員に対して「誰が」「どのような評価を付けたのか」を伝える必要はありませんが、モチベーションアップになると思えるものについては伝えても良いかもしれません。

担当部署で考慮すべきポイント
・回答者の年齢層に偏りを避ける
・現場の負荷をあげない配慮が必要
・評価得点は公平性の為平均値にする
・評価項目と反映先をきちんと明示する

360度評価を実施する人事部など、担当部署で考慮すべきポイントもあります。

社員は「日常の業務をこなしながら360度評価をしなくてはならなくなる」ということを忘れてはいけません。

公平に効率よい評価を行うためには現場に無駄な負担をかけないようにしましょう。

積極的に・前向きに評価してもらうためには「負荷にもならず回答しやすいシステム」にすることも重要です。

1つ目に紹介した「回答者の年齢層に偏りを避ける」については説明が必要なので、次項で詳しく解説します。

360度評価で失敗しないために|年齢層の偏りをなくし対比誤差回避

人を評価する、その時に無意識に”自分”が起点となって考えてしまうのが人間です。

これにより生じる回答のズレや偏りを「対比誤差」といいます。

若手の場合、自分より優れていると感じやすいのは想像に難くないですよね?

一人の評価対象者に対する回答者(評価者)が若手ばかりになってしまうと、当然回答に公平性も妥当性もなくなってしまいます。

回答者の年齢層に偏りがない状態で360度評価を実施するということも重要、と覚えておいてください。

360度評価で現場の負荷を抑える為の施策アイディア

  • 設問数は多くせず10個程度を目安に
  • 回答しやすい選択肢を準備する
  • 細かい部分はフリーコメント欄で補う
複数人の評価をしなくてはならない360度評価を成功させるには、現場の負荷を抑えてメリットを活かす配慮が重要です。

一人一人の社員の負担を軽減するためのコツを上のリストにまとめましたのでチェックしてください。

360度評価の失敗事例にならないためにメリットを活かす

上の画像は360度評価のメリットとその効果の派生を理解するためのチャートです。

簡単なものですが、メリットが従業員とのエンゲージメント・人材育成・生産性UPにもつながるものであることもお分かりいただけるのではないでしょうか。

社員が働きやすいと感じられ、信頼度もUPし、社員同士のつながりも強化することができるのが360度評価の良さです。

360度評価で失敗しないための回答を読み解くポイント

評価の結果をまとめる際に「平均点で評価する」ということはすでにお伝えしましたね。

それと合わせて、回答をまとめる際には「評価対象者の人材育成につながるフィードバック」とするという目的も忘れずに。

フリーコメントを設定した評価項目については、コメントもしっかりチェックしましょう。

またフリーコメントをそのまま評価対象者に伝えるのは良いことも悪いこともあります。

プラスコメントは積極的に伝えたいところですが、マイナスコメントは伝え方がポイントです。

点数だけ、でも良い場合もありますが伝え方次第で人材育成になることも多いですから、しっかり考慮しつつ、評価対象者にも評価内容のフィードバックの見方を伝えることも大切になります。

360度評価で効果がでるには時間がかかることも忘れずに

安定して的確な結果がだせるようになるまでにも時間がかかる360度評価。

評価の結果を踏まえて社内が変わることを実感できるようになるまでにも時間がかかることを忘れてはいけません。

360度評価で失敗しないために事前準備・適した運用・社員への配慮が大切

360度評価で失敗しないために知っておくべきことをお伝えしてきました。

企業としての成長、そして社員に対する人材育成に向き合うという事、評価を適切・公平にしエンゲージメントを高めることこそ、360度評価を成功させるのに欠かせないものと覚えておいてください。

360度評価を導入する目的を忘れず、適切に実施するために社員の負荷をおもむろに増やさないことも大切です。

返ってきた360度評価の結果を読み解く場合にどこを見るべきかもお伝えしましたね。

適切に運用すれば確実に企業を成長させてくれる360度評価を失敗させないために、ここでお伝えした情報を役立ててください。