リファラル採用の報酬の決め方!相場から注意点まで解説
社員からの紹介で人材を採用する「リファラル採用」を導入する際には、その成果に応じた報酬を設定する必要があります。
しかし、明確なルールや指針がないと、どのように報酬を決めていいのかわからなくなりますよね。
報酬が少ない、もしくは多すぎると、リファラル採用を行う際にいろいろな不具合も出てきます。
そういったリスクを避けるためにも、こちらではリファラル採用の報酬に関する基礎情報と、決め方について確認していきます。
リファラル採用を導入する予定がある場合は、ぜひこちらで報酬についてチェックしておきましょう。
目次
リファラル採用に報酬は必要?
リファラル採用の成功報酬として、社員に報酬を出す企業は多いです。
報酬を支払うことには次のような理由があります。
リファラル採用を導入するときの参考にしてみてください。
インセンティブが社員のモチベーションにつながる
成果に対するインセンティブとして報酬を支払うことは、社員のモチベーションを高めることにつながります。
リファラル採用のために自分の周りから人材を探すきっかけにもなるため、まずは報酬を提示して社員に興味を持ってもらいましょう。
報酬がなくてもリファラル採用を進めることは可能ですが、その場合は別の方向で社員にリファラル採用を行う動機付けを行う必要があります。
リファラル採用を導入したばかりの時期は、わかりやすい指標として報酬制度を導入してモチベーションを高めることがポイントです。
交際費として渡して社員の負担を減らす
リファラル採用の過程で支払うことになった食事代や移動費を補填する目的で、報酬を支払うケースも考えられます。
長期的な施策となるリファラル採用では、社員の交際費がかさむことも多いです。
その負担をそのまま押し付けるのではなく、企業がきちんと補填するためにも報酬制度は必要となるでしょう。
不正受給を防ぐためにも、事前に交際費に関するルールを決定しておくことは不可欠です。
どのような条件で支払うことになるのかは、リファラル採用の導入時に提示しておきましょう。
社員の負担を減らすことはリファラル採用の継続に不可欠となるため、報酬とは別で設定することも検討してください。
リファラル採用における報酬制度は違法?
リファラル採用で社員に報酬を与える場合、違法になるのではないかという疑問もあります。
詳細を確認して、正しい形で報酬を与えられるように備えましょう。
- 基本的に違法にはならない
- 人材紹介業を行っていると勘違いされないように注意
- 就業規則や賃金規定に報酬を明記する
基本的に違法にはならない
基本的にリファラル採用で報酬を支払うことは違法になりませんが、職業安定法40条によると、労働者の募集を行う社員に対して報酬を与えることは禁止されています。
しかし給料や賃金として支払う場合には、例外として報酬制度が認められているのです。
そのためリファラル採用を導入する際には、給料や賃金の形で渡すよう制度を整える必要があるでしょう。
人材紹介業を行っていると勘違いされないように注意
リファラル採用に対する報酬があまりに多すぎると、許可を得ずに人材紹介業を行っていると判断される可能性があります。
目安としては転職エージェントなどに支払う金額よりも大きくならないように設定することです。
他社の実用例などを参考にして、人材紹介業を行っているという疑いをかけられないように注意してください。
就業規則や賃金規定に報酬を明記する
リファラル採用の成果として報酬を支払っていることを就業規則や賃金規定に記載することで、会計上の問題をクリアすることができます。
その際には支給額や支給条件も明確にし、不正がないことを示す必要があります。
就業規則や賃金規定の改訂も、リファラル採用の導入時に必要な準備になると覚えておきましょう。
リファラル採用の報酬相場
リファラル採用で報酬を支払うことにした場合、その相場を理解しておくことも重要です。
以下を必要資金の目安にして、リファラル採用の導入を具体的に進めてみましょう。
- 3〜10万円程度のインセンティブが多い
- 高額にしすぎない
3〜10万円程度のインセンティブが多い
エン・ジャパンが行ったリファラル採用のアンケートによると、入社1名につき支払っている報酬は、3万円以内が28%、3〜10万円が52%、10〜30万円が24%、30〜50万円が4%となっています。
参考:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/11266.html
もっとも多いのが3〜10万円のケースとなっているので、そのあたりを報酬の基準として考えるといいでしょう。
高額にしすぎない
先に紹介した通り、報酬をあまり高額にしすぎると人材紹介業を生業にしている企業だと判断される危険があります。
また、リファラル採用は長期的な運用を視野に入れた施策になるため、あまりに高額な報酬を設定してしまうと制度の維持が難しくなる可能性があるでしょう。
上記の相場を参考に、高額な報酬設定にならないように調整してください。
リファラル採用の報酬の決め方
報酬相場を参考にした上で、以下からはどのようにして報酬を決めるべきかを考えます。
すぐに報酬設定を変更するようなことがあると、社員の不信感を招く可能性もあるので、決め方を学んで慎重にリファラル採用を進めるようにしましょう。
- 人材のスキルごとに報酬を決定する
- 期間で報酬を決定する
- 成果で報酬を決定する
人材のスキルごとに報酬を決定する
紹介した人材のスキルや経験に合わせて報酬を決定するのが、ひとつの方法になります。
たとえば「〇〇というスキルや経験を持っていたら〇〇円」「営業職の人材で〇〇円」といった形で設定し、採用後に報酬を支払うケースが考えられるでしょう。
その際には曖昧な表現は避け、勘違いが起こらないようにはっきりと資格名や職業経験年数を明記するのがポイントです。
企業が求めるスキルや経験をピックアップして、それに合わせて報酬を設定してみましょう。
期間で報酬を決定する
期間を軸に報酬を設定することも、リファラル採用でよくあるケースです。
「〇〇日までに紹介することで〇〇円」「入社後〇〇月以上経ったら〇〇円」などの形で設定するのが考えられます。
期間を理由に採用方法が雑にならないように、あまり大きな増額は控えて、少々のプラスに止めることも重要です。
また「入社後〇〇月以上経ったら〇〇円」のパターンを採用する場合、社員のためにも入社した段階で一度報酬を支払い、上記の期間が経過したのちに再び支払うといった配慮が求められます。
早めに従業員を確保したい、採用後すぐに辞めない人材が欲しいといった場合には、期間で報酬を決めることがおすすめです。
成果で報酬を決定する
リファラル採用の成果ごとに報酬を決めておくことも方法のひとつです。
「年間で1番多くの人材を集めた社員に〇〇円」などといった形で決定することが考えられます。
社内におけるリファラル採用の共通の目標にもなるので、最終的なゴールと報酬を組み合わせることも検討してみましょう
リファラル採用は長期的な施策になるため、遠い未来を意識しての行動が不可欠になります。
成果で報酬を決定することは、自然と長期的な視野を社員に意識させるきっかけにもなるでしょう。
リファラル採用がまだ社内に根付いていない段階では、長期的な施策になることを示す意味でも成果で報酬を設定することが推奨されます。
リファラル採用の報酬額を設定する際のポイント
リファラル採用の報酬額を設定する際には、以下のようなポイントを把握しておくことも大切です。
- 採用状況に合わせて報酬の内容を変更する
- 紹介された社員に対しての報酬も考えられる
採用状況に合わせて報酬の内容を変更する
採用状況に合わせて報酬の内容を変更することで、無駄なくリファラル採用を進めることができます。
必要な人材が集まったら現在の設定を変更し、新しく必要になったスキルを持つ人材を紹介した際の報酬を増額する。
そのように採用状況に合わせて報酬の増減を繰り返すことが、リファラル採用のポイントになります。
いつまでも同じ報酬条件のままでは、紹介される人材に偏りが生まれたり、社員の視野も同じ場所にばかり限定されて狭まったりといったデメリットが考えられます。
採用状況を理由に報酬内容は適宜変更し、現状に最適な条件を設定するようにしましょう。
紹介された社員に対しての報酬も考えられる
リファラル採用の報酬は通常、紹介した社員に対して支払われるものですが、場合によっては紹介された社員に対しても支払うことが考えられます。
高いスキルや魅力的な経歴を持った人材に対して、期待の意味を込めて報酬を与えることも検討されるでしょう。
報酬が出るという点は転職者にとってもメリットになるので、リファラル採用を受けるひとつの理由になります。
リファラル採用で本格的に人材獲得を目指すのなら、紹介された社員に対して報酬を支払うパターンも考えてみましょう。
まとめ:リファラル採用を進めるのなら報酬についてよく考える
リファラル採用を実施するにおいて、報酬の設定は重要な項目になります。
報酬を正しく設定できるかどうかが、その後の成否を分けることにもなるでしょう。
こちらで報酬の決め方やポイントを把握して、一度リファラル採用の具体的な報酬設定を行ってみてください。