【PJ炎上全力回避!】プロジェクト炎上とは?炎上理由と原因&鎮火の4手順
チームリーダーとして、またプロジェクトマネージャーとして、これからプロジェクトを切り盛りしていくにあたって
「絶対に炎上させない!!」という強い決意を持ってるTL・PMの皆さん、
「炎上しているプロジェクトにをおさめなくてはならない」という厳しい状況にあるTL・PMの皆さん。
ここでは、
- プロジェクトを炎上させないためのコツ
- 炎上させないために知っておきたい過去の炎上事例
- 炎上してしまった時の鎮火方法
などをまとめて紹介します。
チームリーダー(TL)・プロジェクトマネージャー(PM)という立場においては円滑に求められるシステムを提供することが必須になりますが…
これまで参画したプロジェクトで炎上を経験したり、同僚の炎上経験をまるで武勇伝でもあるかのように聞いてきたという方もいらっしゃるでしょう。
実際私もいくつかの炎上プロジェクトを乗り越えてきた経験があります。
最初から炎上覚悟で立ち上げられた案件のスタートアップ要因だったこともあります。
面談に行った時の上司となる(TLでした)方から感じられる不穏な空気が見事的中して散々な目に…という経験も…。
過去の事例だけでなく実際に私が経験した炎上プロジェクト、炎上とは無縁のスムーズなプロジェクトの話も含めて紹介させていただきますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
目次
プロジェクト炎上とは?その定義とは?
プロジェクトが炎上するというのはどういうことかという明確な定義はありません。
一部エンジニアはデスマーチともいうのですが、どのような場合に「炎上したー!」といわれるのか説明すると…
- 事前に取り決めていた予算内では到底実現できそうもない状況に陥ってしまった
- 残業は当たり前、休日出勤もしているのに納期に間に合うスケジュール感では到底ない
- 事態を収束させたいが収束できる見通しすら立たず八方塞がり状態…
このように「完了の目途もたたずやるべきこともわからない!減らない!できていない!」そんな状況で”炎上”というワードが上がってきます。
TLとして、またPMとして炎上させてしまうというのは不名誉でもありますから、なんとしてでも避けたい!と多くの方が考えるはず。
それでも時に炎上してしまうこと、最悪なケースでは炎上しているプロジェクトの火消しに出向かなければならないということもあります。
そこで今回は、炎上させないためのコツ、炎上してしまったプロジェクトの火消し対策についてチェックしてみてください。
プロジェクトを炎上させない!【プロジェクト立ち上げ準備時に重要なポイント】
プロジェクトを炎上させないために必要なポイントをまとめてみます。
- 炎上プロジェクトの理由と原因を知ること
- 炎上してしまうプロジェクトの特徴を把握しておくこと
- 過去の事例に学んで炎上しないための策を立てておくこと
- それでも炎上してしまった時のための対策も把握しておくこと
PMとしてTLとして、プロジェクトを立ち上げるにあたり、炎上回避にこれらのポイントを押さえておく事は重要です。
そして以下のこともとても重要なので、忘れないようにしていただきつつ、この後も読み進めてみてください。
炎上しやすいプロジェクトの特徴
続いて、具体的にどのようなプロジェクトが炎上しやすいのかピックアップしてみます。
- 有識者が極端に少ない、いないプロジェクト
- 有識者に各メンバーが気軽にコンタクトをとれない状況
- WBSの管理をチーム単位ではなくPMが取り仕切っている
- 各工程毎にタスク・ノルマが達成できないまま進行する・せざるを得ない
- 協力会社間で連携がとれていない
このような特徴のあるプロジェクトは高確率で炎上する、と知っておくことで炎上を避ける対策も取りやすくなります。
特に大規模プロジェクトになると、協力会社が複数介入しているケースも多々ありますが、それぞれ別の機能を作り1つのシステムとしなくてはならない場合、協力関係がないことであとあとトラブルになるという例は少なくありません。
また、スケジュール管理やコミュニケーションに関する失敗が尾を引いてあとあと炎上につながるケースが多いので要チェックです。
なぜプロジェクトが炎上?過去の事例からみる理由と原因
炎上させないために過去の事例を知っておくことはとても有効です。
まずはどんな原因で炎上プロジェクトが発足したのか?その理由と原因を過去の事例から見てみましょう。
プロジェクト炎上理由 | 詳細内容 |
---|---|
甘すぎた見積り | 適切な見積りを提示できておらず案件獲得を優先した結果炎上確定でスタートせざるを得なかった |
営業力不足 | ユーザーに良い顔をしすぎたり、折衝能力が不足したことで無理難題を受け入れざるを得なくなる |
PMの能力不足 | 前PMが精神的にダウン、急きょ抜擢されたPMは能力不足 |
基本設計が甘い | 基本設計できちんと必要な情報を実現可能な形で固められていなかったことにより方針転換が度々起こる |
システムの現状把握に時間を要する状況からのスタート | 仕様書がなく既存ソースもprintを入れつつ動かさないとわからない状況、稼働環境についても資料なし |
フレームワークなど基幹部分の理解が進まない | 導入したフレームワークの有識者がいない状態でプロジェクトがスタートし手探り状態のまま進行している |
別会社の作ったシステムを連結させると正常動作しない | 協力会社が複数いて、それぞれ相手が作った部分に干渉しない(できない)で独自に進んでいる |
各メンバーが必要としている情報を即時入手できないので進まない | 有識者が上層部にだけいて、協力会社など作り込みをしているメンバーが直接質問できない状況で進んだ。 |
メンバーで体調不良者(精神的にも)が続出して進まない | 最初から予算の関係もあり人手不足、常に残業・休日出勤ありきでやっていたが倒れる人(精神的にも)が続出する |
過去の事例から「このような原因で炎上した例がある」ということを知っておけば、有効な炎上回避策を事前に打ち出すことができます。
スケジュールに無理がある、というのは当然ですが上流工程の段階でミスがあると後で取り返しがつかない事態になるということは特に理解が必要です。
1つ1つのステップを確実にこなしていくこと、それがどうしてもできない場合には後でトラブルにならないための策を立てつつ進む、など考えておく必要もあります。
プロジェクトを炎上させないためのコツ
炎上しがちなプロジェクトの特徴、過去の炎上事例と原因を把握したところで、次にみていただきたいのは「炎上させないためのコツ」です。
大分すると4つのジャンルに分けることができますので、目を通してみてください。
業務の効率化
- 効率化できる部分は時間(可能なら予算も)とってしっかり効率化してからスタートする
- 開発に関する環境・仕様書・コードなどはきちんとわかりやすい形で整理するべし
できるところを徹底的に効率化する、ということはスムーズなシステム開発と切っても切り離せない要素。
面倒に感じてしまうほど、徹底して効率化しておくことでスムーズに納品までこぎつけることができます。
有識者とのスムーズなコンタクトを確立
- 上層部への風通しをよくしておく事(きちんと情報が上がってこないので炎上してから知らされることも)
- PJ内に有識者がいない場合、PJ外でも有識者を探して見つけて繋がりを持っておくこと
これは即ち、開発メンバーに対しても「このことに詳しいのは誰なのか」をわかりやすく明示しておくということも大切になりますが、有識者にスムーズにコンタクトが取れる状況であるということは言うまでもなく重要です。
”ここで躓いてしまったらどうしたらよいのか”をメンバーが把握していないと「誰に聞けばよいのか」、正解にたどり着くまでにも時間がかかり無駄な時間が発生します。
各メンバーが自分で考えて行動するための材料を明示する、ということを怠ってはいけません。
スケジュール管理
- プロジェクトの進行状況や現状は短いスパンで適宜把握すること
- 各工程ごとにやっておくべきことがきちんとできているか確認するポイントを設けること
- 現場のチームごとにタスクを挙げてもらうなど実情を把握できる単位でタスク洗い出しやWBSを作成
- スケジュールを堅め過ぎず余裕をある程度設けておくこと
スケジュール管理に関しては、スケジュールを立てるだけでなくタスクの洗い出し時のポイントやノルマ達成の確認のタイミングなども大切になります。
特に上層部がきちんと現状を把握できていない、というのは炎上に直結しかねない問題。
しっかりポイントを押さえておきたいところです。
メンバーへの配慮
- 特定の人物に負荷がかかってしまわないような配慮をすべき
- PMはチームリーダーやメンバーとのコミュニケーションを日頃からとる
- 人選時には能力だけでなくコミュニケーション能力も見ておくこと
有識者が少数しかいない、という場合には特に注意が必要です。
少数しかいない有識者に負担がかかりすぎると結局プロジェクトがうまく回らない原因になりかねません。
また日頃から現場の状況を把握しやすいように、上層部もリーダーやメンバーとコミュニケーションをとっておくというのも重要。
見落としがちなポイントですが、「コミュニケーション能力が低いメンバーが多い現場」になってしまうことが無いようにしましょう。
技術力は重要ですが、少々劣っていたとしてもコミュニケーションが活発な現場は技術力不足もカバーして余りある環境になることも多いものです。
プロジェクトが炎上してしまった時の火消し【鎮火の4手順】
担当しているプロジェクトが炎上してしまった、そんな時にどうしたらよいのかを知っておくことも必要です。
基本的なことでもありますが、間違いなく任務を遂行するためにどうしたらよいのか、簡単な4つの手順を紹介します。
①原因を突き止める
どうしてこうなってしまったのか、何が原因でうまくいっていないのかを見極めましょう。
ここで何となく動き始めてしまったがために、逆に大変になってしまう例も過去に見ているので、ここで確実に元を断つ!ということを意識してください。
②課題は何か見極める
鎮火するために、まずは立ちはだかっている障壁の実態は何か見極めが必要です。
その中で優先して対応すべきもの、そうでなないものを分別します。
③収束させるためのタスクを洗い出す
やみくもに人数だけを投下して火消ししようとしてうまくいくものではありません。
原因がわかり次第、タスクを徹底的に洗い出します。ここで漏れがあってまた振り出しに戻る…というケースは多々ありますよね!!?
そうならないためにもここできちんと洗いだし、進め方も確定してから手を付けるようにするのがおすすめです。
④人的リソースを確保しつつスケジュールの調整
お客様との調整次第では、予算の見直しや、急務ではない機能だけ後追いリリースを許可してもらえる場合もあります。
ですがどうしても納期に間に合わせないといけない場合、どうしたらよいのでしょう。
この場合は納品ドキュメントを可能な範囲で略式・省略させていただいたり、必須ではない機能を削減して対応させていただくなど調整可能なこともありますからあきらめずにまずは調整してください。
調整後のスケジュールを実現するための人的リソースの見直し(必要な場合は追加要員など)を含めて、具体的な対応スケジュールを立てます。
ここまで来たら最終的な納期に間に合うように頑張る!その一手で乗り切りましょう。
炎上しないプロジェクトはここが違う!
プロジェクトに炎上の「え」の字さえ予測できないようなまとまりのあるスムーズな現場ももちろんあります。
そのような現場ではどのようなことに気を使っているのか、独自の目線で読み解いてみました。
- リーダー・PMは折衝能力はもちろん、メンバーとのコミュニケーションも円滑で信頼されている
- 各機能ごとに把握できる人材配置がされている
- 協力会社内の責任者が空気が悪くならずに協力的でられるような気配りをしている
- チーム内の空気を重視して人選されている
- スケジュールは短いスパンで区切り管理されている
- トラブルがあったとき犯人捜しをする空気すらなく対策をとる
炎上していないから、ということではなく残業があっても和やかな空気で自然と協力しながら進んでける、そんなチームはあります。
こうしたチームは当然ながら、トラブルがあっても迅速かつ正確な対策をとることもできるので炎上する気配すら漂いません。
また、こうしたチームを作り上げるにはチームリーダーはもちろんプロジェクトマネージャーの器も重要になるということもわかっていただけるのではないでしょうか。
プロジェクトの炎上はPM・TLの力量で回避可能!炎上PJの鎮火は原因と対策を!
プロジェクトを炎上させないためにどうしたらよいのか、を過去の事例を含めてみていただきました。
メンバーの技量だけでなく、人選や立ち上げ時の準備、スケジュールの立て方などにもポイントがあるということと同時に、PM・TLの技量と器がとても重要ということもわかっていただけたのではないでしょうか。
炎上プロジェクトの鎮火のために特に重要なのは「どこに責任があるか」を知ることではなく「どうしてこうなってしまったのか」原因を探り、課題とタスクをしっかりと洗い出す事。
ユーザーとの折衝能力も重要ですから、いい顔ばかりするのではなくこちらの安全も確保しながらニーズをくみ取り調整する、ということも大切です。
ここでご紹介したような過去の事例に学び、同じ轍を踏まないようにプロジェクトを推進していただければ幸いです。