新規事業の立ち上げにはフレームワークを活用しよう!抑えておきたい5つの手法
新規事業の立ち上げはビジネスの中でも非常に難易度が高く、成功率は10%を切ると言われています。
難易度が高いと分かっていながら、思いつきや闇雲な案で新規事業を立ち上げていたのでは、事業を成功に導くことは出来ません。
事業の成功率を少しでも上げるためには、各企業の実績や環境を分析して事業計画を練るためのフレームワークを活用する方法が有効です。
そこで本記事では、これから新規事業の立ち上げを計画している企業の担当者向けに、抑えておきたいビジネスフレームワークを5つご紹介していきたいと思います。
フレームワークの内容を理解して、新規事業計画にうまく組み込んでみてください。
目次
新規事業フレームワーク1: ポジショニングマップ
ポジショニングマップでは、自社のサービスや商品を、業界・市場において、どのポジションを狙うのか明確化するために利用します。
縦軸と横軸の2次元座標で表現することが可能です。
- ポジショニングマップの特徴
- ポジショニングマップの作り方
- ポジショニングマップを作成する際のポイント
ポジショニングマップの特徴
ポジショニングマップでは、市場における競合の状況や狙いを視覚化することが可能です。
それぞれの商品やサービスの関係性を可視化することができるため、競合の少ないポジションを狙うことや自社のターゲットとするポジションの状況を把握することが可能となります。
ポジショニングマップの作り方
ポジショニングマップは縦軸と横軸にキーワードを設定し、2次元座標で市場の動向を可視化します。
他社製品や既存製品が、設定したキーワード軸上でどの位置に属するかを明確にし、開発予定の製品が狙う位置取りをマップ上で行い対策を立てていきます。
ポジショニングマップを作成する際のポイント
ポジショニングマップを作成する際には、キーワード選びを慎重に行うことが重要です。
それぞれの軸を独立した重要度の高いキーワードで作成することにより、効果的なポジショニングマップを作成することが可能となります。
キーワードが異なる複数のポジショニングマップを作成して、競合の少ない領域を探すことも有意義な手法の1つです。
新規事業フレームワーク2: SWOT分析
SWOT分析は自社以外に依存する「外部環境」と、自社のスペックや状況を表す「内部環境」のプラス面・マイナス面を分析する、新規事業立ち上げ時に頻繁に利用されるフレームワークです。
「強み(Strength)」「弱み(Weekness)」「機会(Oppotunity)」「脅威(Threat)」の頭文字をとって「SWOT分析」と呼ばれます。
- SWOT分析の特徴
- SWOT分析のやり方
- SWOT分析を実施する際のポイント
SWOT分析の特徴
SWOT分析では、自社でコントロール可能な強み(Strength)と弱み(Weekness)、自社ではコントロール出来ないプラス面(機会:Oppotunity)とマイナス面(脅威:Threat)から、重点的に取り組むべき改善点を明らかにします。
内部環境と外部環境の要素を組み合わせて分析することで、市場における可能性や自社内で改善すべき事業課題を明確にすることが可能です。
SWOT分析のやり方
SWOT分析の一般的なやり方として、外部環境(Oppotunity・Threat)の分析から始めます。
外部環境での分析結果を元に、内部環境(Strength・Weekness)を分析し、自社の強みや改善すべきポイントを明確化していきます。
内部環境・外部環境それぞれの分析結果から、新規事業の戦略や計画を具体的に決定していきましょう。
SWOT分析を実施する際のポイント
SWOT分析を実施する際のポイントとしては、SWOTの頭文字である4つの要素をそれぞれ分けて考えるだけでなく、組み合わせて分析することも重要です。
クロスSWOT分析と呼ばれ、多面的に分析をすることが可能となります。
また、SWOT分析は事業計画や戦略を作成するためだけに活用するのではなく、実際に新規事業を始めた後に、再度SWOT分析で計画と戦略のレビューを実施することが重要です。
新規事業フレームワーク3: ペルソナ分析
ペルソナ分析は新規事業だけでなく、マーケティング戦略として幅広い分野で取り入れられているフレームワークです。
ペルソナと呼ばれる具体的な顧客像を想定し、事業計画や戦略を練っていきます。
- ペルソナ分析の特徴
- ペルソナ分析のやり方
- ペルソナ分析を実施する際のポイント
ペルソナ分析の特徴
ペルソナ分析では、具体的な顧客像を描くことで、明確なターゲットを定めることが可能となります。
ペルソナに設定した人物が求めているサービスは何か、どんな商品が必要なのかを分析していくことで、顧客視点で事業計画や販売戦略に必要な情報を集めることが可能です。
またペルソナでは具体的な1人の顧客を作成するため、社内で共通の認識を持ちやすいこともメリットとなります。
ペルソナ分析のやり方
ペルソナ分析では、まず具体的な顧客像を決めるところから始まります。
ペルソナとなる人物像の情報を集めることが必須です。
既存顧客の情報やインタビュー・アンケートといった潜在顧客からの情報を元に、より多くの情報を集めていきます。
集めた情報を元に、年齢・性別・職業・地域・趣味など、細かくペルソナ(顧客像)を設定していきます。
作成出来たペルソナに対して、どのような事業展開・販売戦略で新規事業の売り上げを達成するか分析していきましょう。
ペルソナ分析を実施する際のポイント
ペルソナ分析では、ターゲットとなる顧客像をより具体的に設定することが重要なポイントとなります。
ペルソナの作成には時間が掛かるものですが、ここで手を抜いてしまっては効果を得ることは出来ません。
またペルソナ作成に当たるリサーチやマーケティング調査もしっかりと行うことを意識しましょう。
間違ったペルソナを作成してしまったのでは、分析自体が意味のないものとなってしまいかねません。
新規事業フレームワーク4: 3C分析
3C分析は「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3軸で新規事業戦略を分析するフレームワークです。
それぞれの頭文字がCであることから3C分析と呼ばれています。
- 3C分析の特徴
- 3C分析のやり方
- 3C分析を実施する際のポイント
3C分析の特徴
3C分析では、それぞれの観点から新規事業を検討することで、多方面から漏れのない新規事業計画を立案することが可能となります。
顧客からの観点では市場のニーズや成長性を分析可能で、競合・自社からはそれぞれの強み・弱みを分析することで戦略的な事業計画を練ることが可能です。
3C分析のやり方
3C分析では一般的に「顧客分析」からスタートします。
まず市場のニーズや成長性を知ることで、自社や競合他社の強み・弱みが明らかになることが要因です。
次に競合他社のサービスや商品の分析を行います。
なぜ競合他社が成功しているのか、反対に市場シェアを獲得出来なかった原因は何かを分析します。
最後に、自社の強みや弱みを分析し、顧客が求めるニーズに答えることで、新規事業を成功へ導ける可能性が高まるでしょう。
3C分析を実施する際のポイント
3C分析を実施する際のポイントとしては「事実」に目を向けることが重要です。
特に顧客のニーズや自社の強み・弱みという点では私的解釈が含まれがちですが、事実に目を向けて分析することが重要です。
多方面から事実を確認することで、自社に足りない物、何をすれば顧客のニーズに答えることが出来るのかを明確化していきます。
新規事業フレームワーク5: PEST分析
PEST分析では、業界全体の動向である「マクロ視点」での分析を行うことが可能です。
「政治(Political)」「経済(Economical)」「社会(Social)」「技術(Technorogical)」の4視点から頭文字をとってPEST分析と呼ばれます。
- PEST分析の特徴
- PEST分析のやり方
- PEST分析を実施する際のポイント
PEST分析の特徴
PEST分析では、業界の中長期的な動向を見据えて、新規事業を検討することが可能なフレームワークです。
上述した4つの視点を分析することで、どの分野にどうやって参入するかを検討でき、将来的な可能性や問題を踏まえた上で、事前に戦略を練ることが可能となります。
世の中の流れを把握した上で新規事業を始めることで、成功確率を大きく引き上げることが可能となるでしょう。
PEST分析のやり方
PEST分析では、各項目に関して将来の動向を仮説立てするところから始まります。
PEST項目それぞれが、どのような時代の流れとなっていくのかを推察・分析し、新規事業としての戦略を当てはめていきます。
また、不変的なものと変化が訪れる分野の見極めもしっかりと行いましょう。
変化が訪れると予測される分野の流れに上手く乗ることが出来れば、大きな利益を挙げられる可能性も高まります。
PEST分析を実施する際のポイント
PEST分析では、如何に時代のトレンドを読めるかが重要となります。
将来のトレンドを予測することになるため、確実な答えを出すことは難しいのが事実です。
各項目の流れを仮説立て、何らかの大きなトレンドの波が起こりそうな時には、いち早く積極的に行動することが、新規事業成功への近道となるでしょう。
まとめ:新規事業フレームワークを活用してプロジェクトを成功へ導こう!
本記事では、新規事業を始める際に抑えておきたいフレームワークを5つご紹介してきました。
フレームワークはどれか1つに絞って実施しないといけないわけではありません。
各フレームワークを少しずつ試しながら、それぞれの結果を組み合わせて、自社に合った戦略や事業計画のサポートとして役立ててみてください。