新規事業の進行にコンサルは役立つのか?失敗しないための方法を考える

新規事業の展開において、コンサルの活用はひとつの解決策になり得ます。
コンサルが積み上げてきた実績やその能力から得られるものは、新規事業の発展を押し上げることにつながるでしょう。
しかし、その一方でコンサルの利用を間違えることは、新規事業の失敗を招くきっかけになるかもしれません。
「コンサルに任せれば大丈夫」「コンサルの言うことを聞いていれば失敗しない」
そんな簡単な話ではないのが、この問題のポイントになっているのです。
そこでこちらでは、新規事業においてコンサルを本当に役立てる方法について考えていきます。
これから新規事業を確立する企業は、こちらを参考にコンサルを利用する準備を進めてみてはいかがでしょうか。
目次
新規事業のコンサルに期待できること
そもそも、新規事業においてコンサルはどのような点で役に立つのでしょうか。
期待できるポイントを、まずは確認します。
- 積み重ねられたノウハウを活用できる
- 第三者視点を得るというメリット
- 仮説案の共有
積み重ねられたノウハウを活用できる
コンサルに期待できる点は、なんといっても積み重ねられた「ノウハウ」です。
「○○のような場面ではこうすべき」「今ならこの業界で○○を考えられる」
そういった指針を示してくれるノウハウを提供してくれる点は、コンサルを使う理由になるでしょう。
ノウハウとはつまり、「対応力」のようなものです。
これから新規事業を進めていく自社企業は、まだ知らないことが多い状態です。
そのためコンサルによって提供される対応力が、さまざまなシーンで活かされる可能性があるのです。
コンサルは多くの事例を経験しているため、成功例だけでなく失敗例も把握しています。
そのため、「失敗しないため」という観点からのサポートにも期待ができるのです。
ネットや書籍でも新規事業に関する話をいろいろ見ることはできますが、そこからは得られないさまざまな知識をコンサルは所有しています。
これまで担当してきた案件の数だけ、そのコンサルタント企業には対応力が備わっていると考えられるのです。
コンサルを選ぶときは、その企業の実績をしっかりとチェックするようにしましょう。
第三者視点を得るというメリット
コンサルを導入することで、新規事業のなかに第三者視点を持つことができます。
第三者による客観的な意見や考え方は、偏りがちな事業を自由にするきっかけになるでしょう。
自社の従業員だけで構成された組織では、どうしても上司の意見が優先されてしまったり、面倒ごとを避けたりする傾向に陥りがちです。
コンサルの存在はそういった環境を変化させ、本当に新規事業に必要なものを明確にすることにも期待できるでしょう。
また、コンサルはその業界に根付いている常識や通例に惑わされずに、アイデアを提案できるという強みもあります。
その業界にいる会社が知らぬうちにブレーキをかけてしまいがちな事柄にも、柔軟な発想を行ってくれるのです。
これまでになかった事業形態の発見に期待できる点も、コンサルを使う理由になるでしょう。
仮説案の共有
コンサルには新規事業を具体的に動かすための仮説案の提供と、その共有を手伝ってくれることに期待できます。
新規事業における話し合いを重ねても、なかなか前に進んでいかないということは珍しくありません。
それは話し合いが意見の交換に止まってしまい、「やっている感じ」だけになっていることが理由だと考えられます。
コンサルはそういった現状を変えるための具体的な仮説案を提示し、今何を考えるべきなのかを意識させてくれます。
仮説案ですので、それは必ずしも正解ではありません。
しかし、ひとつの仮説を共有して全員で考える時間を作ることは、新規事業をより深く知るきっかけになります。
結果的にそれは、新規事業に必要な意味のある話し合いを行うことにつながるでしょう。
コンサルには、停滞した事業を動かすカンフル剤を投与してくれる役割にも期待できます。
すべてをコンサル任せにすると、当然失敗する
新規事業にメリットを与えるコンサルですが、その一方ですべてをコンサル任せにすれば、当然ですが失敗します。
せっかくコンサルに依頼したのに、逆効果です。
なぜすべてをコンサル任せにすることが問題となるのか、以下で確認しましょう。
- あくまで主体となるべきなのは企業
- コンサルにも情報が必要
あくまで主体となるべきなのは企業
新規事業の進行において、主体となるべきなのはあくまで企業です。
企業というよりも、新規事業を実行する担当者でしょう。
どれだけノウハウや知識があったとしても、コンサルはサポートであり、手段に過ぎません。事業における進行や決定をコンサルに丸投げすることは、避ける必要があります。
担当者がコンサル頼りになってはいけないのはもちろん、経営者自身がコンサルの意見を優先し担当者はそれに従って進める、となってしまった場合は最悪のケースです。
仮にコンサルに決定権をゆだねるような形になれば、担当者のモチベーションは下がり、自社の「未来」につながらないその場だけの利益が優先されることになるかもしれません。
それはコンサル本来の魅力を阻害することにもなります。
コンサルの提案を精査し、本当に自社の新規事業のためになるのかを判断する。
それが新規事業において、担当者が本来やるべきことです。そして新規事業を任せた経営者は、担当者に任せるのが仕事と言えます。
コンサルにすべてを任せるようなことはせず、あくまで自社、担当者が主体となって新規事業をリードしていくことを意識しましょう。
コンサルにも情報が必要
コンサルは新規事業に必要なノウハウを持っています。
しかし、あなたの会社のことはまだ知りません。
コンサルもきちんとしたサポートをするにあたって、その企業の情報を必要としています。
所有しているノウハウを適切な形で提供するためにも、基本的な会社の事情を知らなければならないのです。
そのため、すべてをコンサルに任せてしまっては、本来想定していたものではない方向で新規事業が進んでしまう可能性もあるでしょう。
新規事業の方向性や実現したいこと、従業員の構成や特徴などが、コンサルに伝えるべき情報となります。
コンサルは万能ではなく、あなたの会社の情報や協力を必要としていることを、きちんと理解するようにしましょう。
新規事業でコンサルに依頼する前に確認したいこと
コンサルに任せきりになるような事態を避けるためにも、事前に以下の要素の確認がおすすめされます。
それぞれの解説から、ポイントを把握していきましょう。
- 自社の立場を確認する
- なにが「わからない」のか
自社の立場を確認する
新規事業のサポートをコンサルに依頼する場合、まずは自社の立ち位置を明確にすることが大切です。
特に「新規事業のアイデアが固まっているかどうか」という点は、はっきりとさせておく必要があります。
まだ新規事業のアイデアが固まっていない場合、コンサルに求めるのは「アイデア出しのサポート」です。
新規事業のアイデアが明瞭となっていない段階では、アイデアを共に考えるところからコンサルにサポートしてもらう必要があります。
マーケットの把握、市場の詳しい調査などといったアイデア出しに関わる点からコンサルの力を活用することが、ひとつのコツになるでしょう。
一方で、既に新規事業のアイデアや方策が決まっている場合には、「どうやって新規事業を実行すべきなのか」をコンサルに導いてもらうことが必要です。
商品・サービスの擬態的な売り方、将来のビジョンの考案をしてもらうことが、求めるべき内容になります。
このように自社のいるポジションによって、コンサルの活かし方が変わることがあります。
自分たちが主体であるためにもまずは、自社の立ち位置を明確にしておきましょう。
なにが「わからない」のか
コンサルに依頼するということは、「わからないこと」があるはずです。
そのわからないを解決できて初めて、コンサルを新規事業の展開に活用できたといえるでしょう。
「新規事業の進行手順がわからない」「プロジェクトを進めるための環境が決められない」
コンサルタントを依頼しようと決めたときには、そういった「わからないままでは困る」理由があったはずです。
そういった理由を改めてピックアップし、ひとつひとつ解決してもらうようにすることで、コンサルを適格に利用できるようになるでしょう。
コンサルに任せきりにならないためにも、自社がどうしてコンサルを利用することになったのかを事前に確認し直しておくのもポイントです。
新規事業でコンサルを利用する際に守りたいコツ
新規事業でコンサルを利用する場合には、下記のコツを守ることが重要です。
それぞれの解説から、コンサルとの付き合い方をチェックしましょう。
- コンサルに自社の意見をしっかりと伝える
- コンサルタントがいない状況でもミーティングを欠かさない
コンサルに自社の意見をしっかりと伝える
コンサルと仕事をする際には、気負うことなく自社の意見をしっかりと伝えることを意識しましょう。
どのような形で新規事業を進めたいのか、どんな結果や将来を作りたいのか。
そういったイメージをきちんと伝えることが、コンサルから魅力的なアドバイスを引き出すきっかけになるでしょう。
ポイントはあくまで自社の意見であり、誰かの個人的な考えにならないように注意することです。
個人的な見解を会社の総意として伝えると、後になってから軌道修正が求められる可能性があります。
コンサルに伝えるべき意見をまとめる時間を作って、正しく意思疎通ができるように備えるのがコツです。
コンサルタントがいない状況でもミーティングを欠かさない
コンサルタントが入るミーティングでしか話が進まない新規事業は失敗します。
当然ですが、実行力のある担当者であればコンサルタント抜きでも、しっかりと社内でミーティング及び話し合いを重ねることができるはずです。
コンサルに依頼をしていると、コンサルのいるときほど新規事業の重要な話をしがちになります。
しかし、コンサルがいる場面では話しづらいこともあるため、せっかくの貴重な意見が埋もれてしまう可能性もあるのです。
そのため定期的にコンサルタントのいない自社の人間だけの時間を作り、そのなかで新規事業についての話し合いをすることもおすすめされます。
新規事業のコンサル会社を紹介
最後に、どのようなコンサル会社があるのかを紹介します。
実際にコンサルを依頼する際には、それぞれを比較して自社に合ったものを選びましょう。
- プライマル株式会社
- 株式会社Relic
- アスタミューゼ株式会社
プライマル株式会社
プライマル株式会社は、新規事業に必要とされる「アイデア」「プランニング」「ハッチング」「アクセラレイト」といった各フェーズをすべてサポートしてくれるコンサル会社です。
新規事業の立ち上げ方や体制づくりはもちろん、市場やユーザーの調査なども担ってくれる点が特徴。
新規事業のスタートから安定までを支援してくれるので、初めて事業を進行していく際には頼りにできます。
株式会社Relic
株式会社Relicは、500以上の新規事業をサポートしてきた実績があるコンサル会社です。
独自のプラットフォーム、新規事業へのソリューション、共同事業開発やJVへのベンチャー投資など、さまざまな角度から支援を行っています。
新規事業を一貫して手助けしてくれるため、長期的なパートナーとしての活躍に期待できるコンサルです。
アスタミューゼ株式会社
アスタミューゼ株式会社は、世界中に新規事業のインフラ作成を目指すコンサル会社です。
世界80ヵ国の投資データを専門のアナリストが分析することで、2025年に有望となる成長市場を独自に定義しているのが特徴。
自社が作り出した定義を元に支援を行うことから、創造的なサポートに期待ができます。
まとめ:新規事業のコンサルを使いこなすためには準備が必要
新規事業を進めるうえで、コンサルは頼れる味方になります。
しかし、正しい付き合い方やポイントを把握していなければ、想定される効果を見込むことはできなくなるでしょう。
この機会に新規事業におけるコンサルの使い方・役立て方をチェックし、自社のこれからに活かしてみてください。