エンジニア採用で媒体を有効活用するには、まず採用ブランディングが必須な理由
エンジニアの採用が年々難しくなる中で、採用媒体の利用もエージェントの「お任せください」の言葉に頼っていたのでは、「お金はかけたが採用できなかった」という結果が目に見えています。
それは選ぶ媒体が悪かったのではなく、媒体の利用の仕方が悪かったのです。
この記事では、エンジニアを採用するための媒体の種類と利用のポイントを説明するとともに、どの媒体の利用でも欠かすことができない「採用ブランディング」について分りやすく解説しています。
媒体の種類と利用する際のポイント
採用媒体といえば、狭い意味ではDODA、wantedlyなどの求人サイトを指しますが、広い意味では下記のすべてが企業と人材をつなぐ「媒体」といえます。
- 求人サイト
- 転職エージェント(人材紹介)
- ダイレクトリクルーティング・サービスの人材データ
- イベント、転職フェア
- 自社サイト、SNS
- リファラル採用(自社社員によるリクルート)
年々難しくなるITエンジニアの採用で結果を出すには、1.広い意味での採用媒体の利用を検討する、2.各媒体の効果的な利用法を研究する、という二方向の作戦が必要です。
求人サイトという釣堀で釣果を上げるには
Googleで「エンジニア採用 媒体」を検索すると、求人サイトの広告が1ページ目に8つ、2頁目は7つ掲載されています。また、記事の8割はサイトの比較や紹介です。
これらのサイトに求人広告を掲載するには、1週間または2週間の掲載で20万円~200万円という高額の費用が必要です。
採用側はまず「どの媒体を選ぶべきか」を考えます。もちろん求める人材の目にとまる適切な媒体を選ぶことは重要ですが、あれこれと迷っても「正解」はなかなか見つかりません。
「エンジニア採用」をうたっているサイトにはエンジニアの登録者がいるのは間違いないので、サイト選びは実は採用の成否を分けるポイントではありません。
それより肝心なのは、その媒体の中で、自社を際立たせる広告を出稿をすることです。釣り堀Aと釣り堀Bはどちらが釣れるかを考えるより、釣りの腕を磨く方が大切なのです。
各サイトは「制作のプロフェッショナルが貴社の魅力を引き出し、採用ターゲットの心をつかむ求人広告を制作・掲載します」と「お任せください」アピールをしていますが、そのつもりでお任せしてしまうのは、まさに下手な釣り師のやり方です。
転職エージェントに優秀なエンジニアを紹介してもらうには
転職エージェントは、採用できた場合に年収の約30%の成果報酬をもらう契約で、人材を紹介するサービスです。
採用に成功して初めて費用が発生するので、求人広告で空振りするよりは安心ですが、紹介された人材を採用しきるかどうかは、やはり採用側の腕にかかっています。
また、それ以前に重要なポイントは、エージェントがどんなエンジニア人材を、どんな優先順位でクライアント企業に紹介するか、ということです。
エージェントは、紹介しても採用までこぎつけられないクライアントには、優秀な人材を優先的に回してくれなくなります。手間がかかるばかりで成功報酬が発生しないからです。
ダイレクトリクルーティング・サービスの人材データを活用するには
2010年くらいから盛んになってきたダイレクトリクルーティング・サービスは、人材データをレンタルして、そこから採用側が欲しい人材をピックアップし、メールでアピールするものです。
ここでも重要なのは、どんな人材データをレンタルするかより、どんなメールを送ってエンジニアに興味を持たせるか、「おや」と思わせるかです。
イベント、転職フェアに参加して魅力的なテーマを語る
IТ関連のイベントや転職エージェントが主催する転職フェアに参加してブースを設けるのも、優秀なエンジニアに出会うチャンスです。
ここでも、どんなイベントに参加するかより、自社ブースに誰がいてどんな話をするかが重要です。
人事担当者が人待ち顔に座っているだけでは、エンジニアは近づいてくれません。社長やシステム開発の責任者が、あるいは逆に若手のエンジニアが自社のテーマについて語る方が、面白そうなのです。
SNSから自社サイトに誘導する
ダイレクトリクルーティングの手法は、人材母集団のデータをレンタルするだけではありません。
Twitterやfacebookでエンジニアに興味を抱かせて、自社webサイトに誘導することができれば、無料で確率の高い候補者をゲットすることができます。
あるいは自社の採用サイトのコンテンツを充実させれば、Googleの検索上位に記事として掲載されることも可能です。例えば「エンジニア 中途採用」で検索すると、研究開発/本部長メッセージ | 京セラ株式会社 エンジニア中途採用特設サイトが第3位に掲載されています。
システム開発会社なら、SNSやwebサイトの仕掛けづくりは苦手分野ではないはずなので、後は文科系の知恵も借りてコンテンツを充実させていけば良いだけです。
自社エンジニアを媒体にする
エンジニアの採用では、自社エンジニアの人脈からリクルートするリファラル採用は、非常に有力な採用手法です。
エンジニアにはエンジニアの友達がいて、友達の友達にもエンジニアがいます。即戦力にしろポテンシャル人材にしろ、ミスマッチの少ない人材に出会う可能性が高いのが、リファラル採用です。
採用ブランディングが媒体利用の成功率を上げる
上記に6つの広い意味での採用媒体について述べましたが、どの媒体を利用する上でも重要なのは、サーチライトでエンジニアを探し回ることではなくて、ライトアップで自社を目立たせる(輝かせる)ことです。
エンジニアを求める多くの競争企業から自社をライトアップし、際立たせるためには、採用ブランディングという考え方が有効です。
- 採用におけるブランディングとは
- スキルを用いる仕事内容を具体的に説明する
- 会社の歴史と達成したい未来を提示する
- 社長の人柄と職場の雰囲気をリアルに伝える
採用におけるブランディングとは
ネームバリューのある会社(企業そのものが有名ブランドになっている会社)なら、求人広告にその社名があるだけで際立たせることができますが、社名にそのようなブランド力のない会社の採用ブランディングとはどのようなものでしょうか?
それは、まず自社を正直に分かりやすく自己紹介することです。次に、どんな人材を求めているかを具体的に欲張らずに伝えることです。
自社をブラックボックスにしてターゲットを追いかけても、ターゲットは本能的に逃げようとします。
ターゲットから見た自社をシースルーにして、会社が何を求めてどこに行こうとしているのかをライトアップするのが採用ブランディングです。
スキルを用いる仕事内容を具体的に説明する
プログラミング言語は何と何が使えるかなど、求めるスキル要件を明確にするのは当然ですが、それだけでは人材に「この会社はまさに私を求めている」と思わせることはできません。
そのスキルがどんなプロジェクトで必要とされているのかなど、仕事の内容をできるだけ具体化して、ターゲットが自分のキャリア、経験が生かせるかどうかをイメージできるようにすることが重要です。
会社の歴史と達成したい未来を提示する
これまで会社がどんな道のりを歩んできたか、これからどういうことを達成したいのかを、具体的に、リアルに(正直に)ターゲットに提示しないとブランディングになりません。
媒体広告にあふれているストックフレーズに便乗せずに、言葉を飾らずに、ありのままを伝えることで、マッチングした人材に自社を強く印象づけることができます。
社長の人柄と職場の雰囲気をリアルに伝える
社長の人柄とそれが反映される職場の雰囲気をリアルに伝えることで、候補となった人材に「この職場でやっていけそうだ」という安心感を与えることができます。
単に「リモートワーク可能」とか「フレックスタイム制あり」と書くだけではなく、それがどのように運用されているかを、エピソードを交えて、問題点も隠さずに紹介することで、リアリティが生まれます。
媒体を有効活用する採用ブランディングのコツ
エンジニア採用で媒体を有効活用する採用ブランディングのコツは、次の3つです。
- 採用戦略の策定、実行に社長と現場が参加する
- 採用サイト、SNSのコンテンツを充実させる
- 面接に自社のエンジニアが参加する
採用戦略の策定、実行に社長と現場が参加する
人事担当者だけで採用ブランディングを行なうことはできません。
即断即決できる経営者と、仕事内容をよく知っている現場の人間が積極的にコミットすることが、採用の成否を左右します。
採用サイト、SNSのコンテンツを充実させる
採用ブランディングを進める中で、自社の採用サイト、SNSのコンテンツを充実させていくことが大切です。
採用広告や候補者へのメールの文面もブラッシュアップしていき、アピールノウハウを蓄積していく必要があります。
面接に自社のエンジニアが参加する
人事担当者が、候補者の面接マナーや髪型、コミュニケーション能力などを採点基準にして面接を行っても、優秀なエンジニアを採ることはできません。
エンジニアが参加して具体的に仕事の話をし、それに候補者がどう答えるか、どこに興味を示すかを見きわめなくてはいけません。
エンジニア求人媒体5選
エンジニア採用に定評のある求人媒体を5社紹介します。各社ともさまざまプランがあり、それによって料金やサービスが異なります。どのサービスを使うにしても、ここまで述べたような採用ブランディングを行なったうえで、効果的な利用をすることが重要です。
paiza
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成功報酬型のダイレクトリクルーティングの1つです。
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まとめ
エンジニアの採用が難しい現状にあっても、採っている会社はあります。そして、採れる会社が大企業とは限りません。
採れる採れないの違いは、その会社が採用ブランディングをしているかしていないかです。
ターゲットを追い求める前に、まず自社の採用戦略をしっかりブランディングして、競争他社から自社を際立たせなければなりません。