リードインベスターとは?その定義と必要性について解説

スタートアップ企業が想像するビジョンを達成するためには、さまざまな壁と対峙しなければなりません。

その壁は資金調達や手続きなどといったあらゆるシーンで登場し、事業のスムーズな展開を阻むことがあるでしょう。

そういった壁への対策として、スタートアップ企業が把握しておきたいのが「リードインベンスター」の存在です。

リードインベスターとの関係性は、スタートアップ企業に取って重要なものとなり、結果の成否を分けることにもなりかねません。

スタートアップ企業はこのリードインベスターについてきちんと理解を深め、正しい協力関係を築いていくことが求められるでしょう。

そこでこちらでは、リードインベスターの基本やその必要性について考えていきます。

スタートアップ企業にとってどれだけリードインベスターが重要になるのかを、こちらで確認していきましょう。

リードインベスターとは何か?

まずはリードインベスターの意味や意義について確認し、その存在を説明できるようになりましょう。

下記でリードインベスターの基本を確認してみてください。

  • 資金調達ラウンドで中心となってくれる存在
  • ラウンドの最大出資者
  • 次のラウンドまでサポートを行ってくれる

 

資金調達ラウンドで中心となってくれる存在

リードインベスターとは、スタートアップ企業の資金調達ラウンドにおいて中心的な役割を担ってくれる存在です。

中心的な役割とは、たとえば契約の手続きやデューデリジェンスの実施など、事業に必要なあらゆる業務をリードすることが当てはまります。

特定のラウンドに発生する課題を協力して乗り越えるためには、このリードインベスターの活躍が重要となります。

リードインベスターは資金を投入するスタートアップ企業のことはもちろん、他の投資家たちのことまでも考えて動いてくれるからです。

そのためリードインベスターと良い関係を築くことができれば、事業のスムーズな進行が見えてくるでしょう。

リードインベスターは個人投資家がなることもあれば、ベンチャーキャピタルが担うこともあります。

そのラウンドの状況や企業の環境が考慮され、最適な人物がリードインベスターとなるでしょう。

 

ラウンドの最大出資者

基本的にリードインベスターは、そのラウンドの最大出資者となります。

企業への期待感、信頼感がその部分で表されることになるため、リードインベスターであれば多くの出資が通常となるでしょう。

ラウンドによっては過半数以上の割合がリードインベスターによって賄われるため、リードインベスターの影響は大きくなります。

場合によってはリードインベスターだけが出資者となることもあり、文字通りスタートアップ企業を支える存在になるでしょう。

一方で、過半数以上の出資額が絶対の条件ではなく、あくまでそのときのラウンドに関係してきます。

ラウンドが大きな規模を持つようになれば、その他の投資家も多くの出資を行うようになるため、自然とリードインベスターのシェアは下がるでしょう。

だからといってリードインベスターの価値が低下するわけではなく、むしろその状況に持って行った能力が評価されることもあります。

いずれにせよ出資というお金の問題でも頼りとなるのが、スタートアップ企業にとってのリードインベスターとなります。

 

次のラウンドまでサポートを行ってくれる

スタートアップ企業を次のラウンドまでサポートすることも、リードインベスターが役割として担ってくれることがあります。

ときには会社の重要な会議に出席したり、事業の進捗について具体的な話し合いをしたりといったことも考えられるのです。

リードインベスターがこれまでにスタートアップ企業の事業に携わってきた経験がある場合には、こういった関係性の構築は大きな利点になるでしょう。

リードインベスターの役割は、その企業の状況などによって変化します。

そのため必ずしも、リードインベスターがラウンドごとに決まった役割を担ったり、同じサポートを継続したりといったことばかりではないのです。

そのため、特に資金調達ラウンドが変わるタイミングでは、リードインベスターとの関係が今現在どのようになっているのか、今後はどうなっていくべきなのかを考える必要もあるでしょう。

リードインベスターから得られるメリット

スタートアップ企業にとって、リードインベスターからはたくさんのメリットを得られます。

特にチェックしておきたい部分を、以下から確認しましょう。

  • 外部からの「信用」を獲得できる
  • アドバイスを受けられる
  • 投資家を紹介してくれることも

 

外部からの「信用」を獲得できる

リードインベスターは、スタートアップ企業にとっての「信用」につながる可能性があります。

多くの場合、スタートアップ企業は知名度や実績が足りないため、会社としての信用も低い状態となります。

これからどうなっていくのかがわからない、本当にアイデアが実現するのか不安、そういった「信用しない理由」が多いことは、スタートアップ企業のひとつの特徴だといえるでしょう。

そしてリードインベスターの存在は、そういった「信用しない理由」を上書きするより強い理由になります。

リードインベスターとなる人物がいるということは、そこに大きな出資を行うだけの価値があると認められているということになります。

また、有名なリードインベスター(個人投資家、ベンチャーキャピタルのいずれも)が参加していることがわかれば、その知名度が信用を生み出すこともあるでしょう。

企業名に「リードインベスターがいる」という情報が付け加えられることで信用がアップする点は、スタートアップ企業にとっての大きなメリットになるのです。

 

アドバイスを受けられる

リードインベスターから事業に関するアドバイスを受けられる点も、スタートアップ企業にとってはメリットになります。

今後の道標となるようなアドバイスを受けることで、明確な方向性を確認しながら事業を展開していくこともできるでしょう。

リードインベスターになっているということは、その企業の所属する業界や業種に興味があり、それなりの知識を持っていることが予想できます。

そういった人が側にいるのなら、アドバイスを積極的に受けることがおすすめされるでしょう。

リードインベスターも自分のアドバイスによって事業が好転するのであれば、その知識の提供を拒むことは少ないです。

むしろアドバイスを受け入れる姿勢をスタートアップ企業側が提示することで、互いの信頼関係を構築することもできるかもしれません。

当然リードインベスターから得られるアドバイスは、その人が深い経験を持つほどに価値のあるものとなります。

リードインベスターがどういった経歴を持った人物なのかを、企業側はよりきちんと把握することが求められるでしょう。

 

投資家を紹介してくれることも

リードインベスターは、スタートアップ企業に投資を行う新たな投資家を紹介してくれることもあります。

新しい投資家、いわゆるフォロー投資家が増えることがあれば、それだけ事業の安定感は増していきます。

企業にとっての見込みがあるのであれば、投資の輪を積極的に広げていくことも考えられるでしょう。

リードインベスターの存在は、先にも取り上げた通り企業の信用アップにつながります。

そのためリードインベスターの呼びかけをきっかけにして、フォロー投資家が増えることは十分に考えられるでしょう。

リードインベスターとフォロー投資家について

リードインベスターに対して、フォロー投資家もその意味を理解しておくと良いでしょう。

下記を参考に、簡単な概要を確認します。

  • フォロー投資家とは
  • フォロー投資家はリードインベスターの動きを見て投資を決める

 

フォロー投資家とは

フォロー投資家とは、たとえばリードインベスターが参加している企業に対して出資を行う投資家のことを指します。

基本的にリードインベスターよりも出資額は少なくなりますが、それでもスタートアップ企業を支える存在として価値があります。

フォロー投資家は、リードインベスターの影響力が大きく関係する要素になるでしょう。

 

フォロー投資家はリードインベスターの動きを見て投資を決める

一般的にフォロー投資家は、リードインベスターの動きを見て投資を決めることになります。

いかにリードインベスターがフォロー投資家を牽引して動いてくれるかが、投資の結果を左右することにもなり得るのです。

企業とリードインベスターは、協力してフォロー投資家を引きつけるような何かを提示することが、ひとつの目標として成り立つのではないでしょうか。

スタートアップ企業はリードインベスターだけでなく、フォロー投資家にも目を向けていく必要があります。

リードインベスターはどうやって選ばれる?

リードインベスターを決める方法はひとつではなく、企業によってさまざまとなります。

以下では選ばれるパターンの例として、2つのケースを紹介します。

  • ラウンドの過程で絞り込まれていく
  • 投資条件を決めてそれに見合った人を選ぶことも

 

ラウンドの過程で絞り込まれていく

リードインベスターは、ラウンドの過程のなかで絞り込まれていくことがあります。

ラウンドの中で投資家と企業側の接点が増えていくことで、少しずつリードインベスターとしての存在が確立されていくこともあるのです。

そのためラウンドの開始時点では、リードインベスターが決まってないこともあります。

特に複数の投資家がいる場合には、そこからのコミュニケーションを通して、リードインベスターとなる人物が絞り込まれていくこともあるでしょう。

 

投資条件を決めてそれに見合った人を選ぶことも

スタートアップ企業側から投資条件を決めて、それに見合った人をリード投資家に選ぶこともあります。

条件を明確に提示できるのであれば、求めるリードインベスターを積極的に絞り込んでいくことも可能でしょう。

リードインベスターの候補になる投資家が複数いる場合には、全員の意見を元にして細かな条件を指定していくことも考えられます。

まとめ:リードインベスターの価値を知ろう

リードインベスターは、スタートアップ企業にとって非常に有益な存在となります。

どのような特徴を持ち、どういったメリットを与えてくれるのか。

この機会にそういった基本について確認し、その価値を改めて把握しておきましょう。

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