バーンレートとは?スタートアップ企業の資金繰りを学ぼう
スタートアップ企業にとって、資金などのコストに関する問題は尽きることがありません。
現状の資金問題について正しく理解し、適切な対策を取っていくことが、事業の成否を左右することにもなるでしょう。
しかし、資金・コストの問題を把握することは難しく、ときには予想外の事態によって事業の継続が妨げられることにもなりかねません。
そこで知っておきたいのが、「バーンレート」という指標です。
バーンレートの意味や考え方を把握することは、スタートアップ企業が持つ資金面の現状をわかりやすくするでしょう。
こちらではバーンレートの基本的な概要と、計算方法や考え方について紹介します。
バーンレートとは?
まずはバーンレートという言葉の意味を解説します。
以下のポイントを参考に、バーンレートを正しく理解することから始めましょう。
バーンレートとは会社の経営に使われている資金のこと
バーンレートとは、会社の経営に使われている資金・コストを表す数値です。
会社にあとどれだけの資金があるのか、実際に毎月どのくらいのコストがかかっているのか。
そういったことを知る指標として、バーンレートは使われます。
借入金の返済や設備への投資など、キャッシュアウトの状況を把握することにもなるのがバーンレートの特徴。
一般的にスタートアップ企業はバーンレートが高くなるため、その意味を理解して確実に数値を把握することが重要です。
スタートアップ企業にとって資金は燃えてなくなるもの
バーンレートには、資金燃焼率や現金燃焼率といった呼び方もあります。
燃やすように現金を消費していくことから、バーン(燃やす)レート(割合)という名前が付けられたと想像できるでしょう。
その言葉通り、出費の多いスタートアップ企業にとって資金は燃えてなくなるようなものでもあります。
事業拡大を目指してあらゆる方面に資金を投入する必要がある一方で、安定した収入源の確保が難しいため、基本的にバーンレートは高くなるでしょう。
バーンレートを理解して、資金を燃やした分のエネルギーを、企業を動かすために使っていくのがポイントです。
バーンレートの種類について
バーンレートには、「グロスバーンレート」と「ネットバーンレート」の2種類があります。
それぞれの違いを確認し、バーンレートをより深く理解することにつなげましょう。
- グロスバーンレート
- ネットバーンレート
- どちらの話をしているのか明確にすること
グロスバーンレート
グロスバーンレートとは、企業で消費されている「総コスト」を指します。
月の出費を全てまとめた合計金額となり、グロスバーンレートを見ることで実際に支払った金額を把握することができます。
単純に企業が抱えているコストだけを確認したいときには、このグロスバーンレートに注目することになるでしょう。
ネットバーンレート
ネットバーンレートとは、コストから収入を差し引いて算出された数値を指します。
企業の実質的なコストを意味するものになり、ネットバーンレートを見ることでより具体的な出費を計算可能です。
ネットバーンレートは、以下の式によって求めることができます。
「グロスバーンレート−収入=ネットバーンレート」
たとえばグロスバーンレートが50万円のときに、収入が20万円あった場合、会社のネットバーンレートは30万円と計算されます。
ネットバーンレートを計算することで、必然的にグロスバーンレートも把握できるのが特徴です。
どちらの話をしているのか明確にすること
バーンレートを会議の議題などで取り扱うときには、グロスバーンレートとネットバーンレートのどちらの話をしているのかを明確にすることが重要です。
ビジネスシーンでは、省略してただ「バーンレート」として話に使われることが多いです。
このときにグロスバーンレートとネットバーンレートで認識が異なっていると、話に齟齬が生まれてしまうでしょう。
一般的にバーンレートは、実質的なコストを意味するネットバーンレートの意味で使われます。
具体的にどの程度のコストがかかっているのか、残り資金に対して減少スピードは許容できる範囲なのかといったことを話し合うためにも、ネットバーンレートが適していることが多いのです。
会社の役員やベンチャーキャピタルとの話でバーンレートが出たときには、ネットバーンレートの可能性が高いことを念頭に置いておくといいでしょう。
バーンレートの活用方法や考え方
バーンレートの数値を参考にすることは、さまざまな活用方法や考え方を導入するきっかけにもなります。
実際にバーンレートにどのような活用方法や考え方があるのかを、以下で解説します。
- ランウェイを算出することに使える
- ランウェイの把握は企業戦略の見直しや資金調達につながる
- 固定費を見直すきっかけにも
ランウェイを算出することに使える
バーンレートで把握した資金の数値は、企業のランウェイを算出することに使えます。
ランウェイとは、ビジネスの現場においては会社を経営していくための資金がなくなるまでの時間を意味する言葉です。
直接的に言えば、ランウェイとは「会社が潰れるまでのカウントダウンを表す数値」となるでしょう。
残り資金と月々のバーンレートが把握できれば、このランウェイを計算することができます。
計算は単純で、会社が持っている資金を500万円だと仮定し、月々のバーンレートが50万円とすれば、ランウェイは10ヶ月という結果になるのです。
このランウェイが明確になれば、いつまでに売り上げとしての利益を出すべきなのかがわかります。
ランウェイの把握は企業戦略の見直しや資金調達につながる
バーンレートを参考にランウェイを知ることは、現状の企業戦略を見直したり、資金調達のタイミングを測ったりといったことにつなげられます。
ランウェイが残り少ないのにバーンレートが高いままとなるのと、何かしら現状を変えていく必要が考えられるでしょう。
そういった見直しを行うきっかけとして、ランウェイは使われることがあります。
たとえばランウェイが10ヶ月の企業では、「半年程度で成立する事業戦略を立てて、経営を見直す」といった具体性のある計画を考えることができます。
ランウェイがわからない状態だと、焦って数ヶ月で結果を出そうとして無理な計画を立てたり、見直しを考えたときには資金が少なすぎて何もできなかったりといったこともあり得るでしょう。
そのためランウェイを把握するためのバーンレートが、企業に大きな影響を与えることがわかります。
また、バーンレートでランウェイの期間を算出すれば、いつ資金調達を行うべきなのかも考えやすいです。
数ヶ月後に資金が危うくなることが事前にわかっていれば、それを目安に資金調達を実施する計画が立てられます。
たとえば「会社を維持する1年間の期間と、資金調達にかかる半年の期間を合わせて、常に18ヶ月ほどは余裕のある状態にしたい」といった計算も可能となるのです。
このような具体性のある計画の立案にも、ランウェイとバーンレートを把握することが役立ってきます。
固定費を見直すきっかけにも
バーンレートは、固定費の見直しにも活用可能です。
多くのケースで、固定費はバーンレートを圧迫する原因として挙げられています。
人件費、オフィスの家賃、その他備品にかかる固定費を見直すことで、バーンレートを下げることができるかもしれません。
投資としてこれらの固定費にお金をかけることも考えられますが、バーンレートを見て今後の先行きが不安であるのなら、見直すことも考えられるでしょう。
逆に、バーンレートを参考にして月々にかけられる固定費を算出することも可能です。
バーンレートの許容範囲で収まるように調整することで、会社から無駄な出費を削減していけるでしょう。
「バンレートが高い=悪いこと」ではない
バーンレートの基本について解説してきましたが、最後に「バーンレートが高い=悪いこと」ではないことを確認しておきます。
バーンレートの数値の高さを単純に見るのではなく、その要因を把握することに意味があるのです。
バーンレートの指標を正しく使えるように、バーンレートの見方もチェックしておきましょう。
- スタートアップ企業にとって赤字は必要不可欠
- バーンレートが上昇・下降のどちらに傾いているのかを考える
スタートアップ企業にとって赤字は必要不可欠
バーンレートを参考にしていくスタートアップ企業にとっては、ある意味で赤字は必要不可欠な要素となります。
現在の出費は将来の利益のための投資になるので、バーンレートが高くなっても必ずしも悪い状況であるとは判断できないのです。
バーンレートが高い状態を乗り切ることで、スピード感のある事業展開が行えることもあります。
その赤字が必要な赤字であると自信を持って言えるのであれば、バーンレートを理由に行動を起こすことは保留にされるでしょう。
一方で、明らかに残高が足りないのにバーンレートが高いままだったり、予定していた通りに事業が進展していなかったりといった場合には注意が必要です。
あくまでその後の見通しが明確になっているときに、バーンレートの高さは問題にならないと考えましょう。
バーンレートが上昇・下降のどちらに傾いているのかを考える
バーンレートを見る際には、現在の状況が上昇と下降のどちらに傾いているのかを考えることも大切です。
バーンレートが下がってきているのなら、少しずつ事業の成果が出てきていると想定することができます。
逆にバーンレートがどんどん高くなっている場合には、収入が足りずに今後の先行きが不安定になる可能性も考えられるでしょう。
このようにバーンレートの変化を観察することも、その意味を正確に見出すことにつながります。
まとめ:バーンレートから今後の展望を考えることも重要
バーンレートは、会社の資金的な面を把握するのに使える便利な指標です。
事業にかかるコストの削減や資金繰りに悩んでいるのなら、バーンレートを導入して具体的な行動につなげてみてはいかがでしょうか。
バーンレートは企業のこれからのことを考える、ひとつのきっかけになります。
スタートアップ企業は基本的な考え方を理解した上で、バーンレートを参考にした事業展開を計画してみることもおすすめです。
