リーンスタートアップ完全攻略ガイド!その手法や導入企業の成功事例を紹介
リーンスタートアップという言葉は、ビジネスに関わる方々、特に経営に携わる方であれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
一方で、リーンスタートアップとは何かと説明出来るほど理解している方が少ないのも事実です。
企業が導入している・していないに関わらず、ビジネスに携わる方であれば、リーンスタートアップとは何かを理解し、自分自身のビジネスに活用出来る1つの手法として頭の片隅には入れておくべき知識です。
本記事では、ビジネスマン(主に経営層の方)向けに、リーンスタートアップとは何かといった意味合いから、手法・導入事例までを解説していきたいと思います。
今後展開予定の事業でリーンスタートアップの手法が適応する場合には、積極的に取り入れられるよう基礎知識を身につけていきましょう。
目次
リーンスタートアップとは
まずリーンスタートアップの意味合いについてご紹介していきます。
リーンスタートアップは、アメリカの起業家であるエリック・リース氏が、自らのベンチャー起業立ち上げの体験を元に提唱した手法です。
2011年に出版された彼の「The Lean Startup」はアメリカでベストセラーとなるほどの売り上げとなり、大きな反響を浴びました。
- リーンスタートアップの定義
- リーンとは
- スタートアップとは
リーンスタートアップの定義
リーンスタートアップは「リーン」と「スタートアップ」の2つの言葉によって構成されています。
主にスタートアップや新規事業を対象とした起業手法です。
「仮説」「実験・計測」「学習」「意識決定・再構築」をミニマムコストで繰り返すことにより、コストを抑えながら無駄なく事業を成長させていくことが可能とされています。
リーンとは
1つ目の言葉である「リーン」は英語の「Lean」からきており、日本語で表すと「痩せている」「脂身がない」などの意味合いとなります。
つまり事業に置き換えると、事業を展開する際の「ムダ」を失くし、余分な時間や工程を減らす起業手法のことを指しています。
スタートアップとは
もうひとつの言葉である「スタートアップ」の意味合いは、「新しいビジネスで短期間の内に事業を急成長させ、利益を狙う企業」のことを指します。
ベンチャー企業とスタートアップが混同して考えられることも多いのですが、スタートアップの方がより短い期間でのEXIT(出口戦略)を持ち、イノベーション(革新性)を狙った事業であるため、厳密に言うと少し事業形態が異なります。
リーンスタートアップが優れている理由
では、なぜリーンスタートアップが優れているのかについても確認していきたいと思います。
簡単に説明すると「徹底的に無駄を省いて事業展開出来るから」です。
- 方針転換が容易
- 顧客と認識のズレが少ない
- リリースが早い
方針転換が容易
リーンスタートアップでは、最小限のコストで一旦の完成を目指します。
そのため、もし区切りの段階で市場が求めているものと違ったり、思いがけない問題が生じた場合には、すぐに方針転換することが可能です。
完成までに時間の掛かる事業では、完成目前で誤りに気づいても後戻りすることは難しいですが、リーンスタートアップであればいち早く方針転換して、損失を最小限に留めることが可能となります。
顧客と認識のズレが少ない
顧客との認識のズレを最小限に留められることも、リーンスタートアップが優れている理由として挙げられます。
顧客依頼で始まる事業では、一般的にサービス作成が始まる前の段階で綿密に打ち合わせをして、顧客との認識のズレを埋める作業を実施しますが、実物が存在しない以上、正確に認識を一致させるのは難しいのが現実です。
リーンスタートアップであれば、認識はズレるものと認識して、なるべく早く形となるものを作成し顧客に触れてもらうことで、大きな修正を失くし結果として最短距離での完成を目指します。
リリースが早い
上述している通り、リーンスタートアップでは、最小限の構成で短期間で一旦の完成を目指すため、リリース自体が作り込みを行う従来の方法よりも早くなります。
リリースが早いということは、市場のユーザーに触れてもらう機会も増えるため、先行者利益を享受しやすくなります。
例え未完成状態でも真っ先に市場にリリースし、ユーザーに気に入ってもらうことで市場シェアを確保出来ることも大きなメリットとなるでしょう。
リーンスタートアップを使いこなそう
ここからはリーンスタートアップの具体的な手順について解説していきたいと思います。
リーンスタートアップでは、大きく4つの工程を何度も繰り返すことで完成を目指します。
- 仮説構築
- 実験・計測
- 学習
- 意思決定・再構築
仮説構築
リーンスタートアップの最初の工程となるのが「仮説構築」です。
アイデアを元に、顧客や市場が求めるサービスを計画し、最小限の構成で実現させます。
仮説構築の段階では、なるべく時間を掛けずに、まず一旦の完成を目指すことがポイントです。
実験・計測
仮説構築で完成した試作品を一定の顧客に利用してもらい反応を確認するのが「実験・計測」の工程です。
顧客満足度や不満はどこにあるのかを計測し、仮説構築の段階で足りないものや不要なものを洗い出す実験でもあります。
初期段階では、試作品にあまり多くの機能を盛り込まず、最小限の機能から始めることがポイントです。
学習
実験・計測の結果から、試作品をどのように改良すれば良いか改善策を考えるのが「学習」の工程です。
学習のポイントとしては、仮説が正しかった部分・間違っていた部分の双方をしっかりと検証することです。
なぜ仮説通りの結果となったのか、どこが顧客に受け入れてもらえなかったのかを両面から検証することで、次回の仮説精度を上げることに繋がります。
意思決定・再構築
「意思決定・再構築」の工程では、仮説の方針に沿って完成を目指すのか、異なる仮説を再度たて再構築するのかを決定します。
再構築は難しい決断にも感じますが、早い段階で損切りすることが結果的には正解となることも少なくありません。
顧客にとって何が必要なのかを見極め、市場が求めるものに近づけるよう、早い段階で何度も方針転換を図れることがリーンスタートアップの魅力と言えます。
リーンスタートアップに欠かせないツール
リーンスタートアップに関連する用語の中には、必須ツールとして「MVP」「リーンキャンバス」という言葉が頻出します。
それぞれのツールについても少し触れておきたいと思います。
- MVP(Minimum Viable Product)
- リーンキャンバス
MVP(Minimum Viable Product)
MVP(Minimum Viable Produc)は、実験するための最小限の製品、つまり「試作品」のことを指します。
リーンスタートアップの主旨として、無駄を省くことがメインとなっており、試作品においても無駄な機能は一切作らず、検証に必要な最小限の製品を作成し、改善を繰り返すことで問題の顕在化と生産性の効率化を実現します。
※MVP(Minimum Viable Product)について詳しく知りたい方はぜひこちらの記事「MVP(Minimum Viable Product)とは?その役割とメリットについて解説」を参照ください。
リーンキャンバス

リーンキャンバスは9つの要素を1つの図面(キャンバス)にまとめて、事業計画を俯瞰的に理解するためのフレームワークです。
「顧客」「課題」「価値」「解決策」「販売経路」「マネタイズ(収益経路)」「ビジネス指標」「コスト」「競合優位性」の9つの要素から、事業の価値を判断します。
リーンスタートアップで成功した企業一覧
最後にリーンスタートアップで成功した企業一覧についてもご紹介しておきます。
みなさん一度は利用されたことのあるようなサービスでも、リーンスタートアップが採用されていることをご確認頂けます。
- トヨタ
- 食べログ
リーンスタートアップの事例として必ず登場するのが「Instagram」です。
Instagramは元々、位置情報を共有するアプリとしてリリースされましたが、人気が出ずリーンスタートアップによる改良により、写真の共有をメインとする現在のInstagramの形となりました。
現在でも日々改良は進んでおり、様々な機能追加が行われていますね。
トヨタ
「え?あのトヨタ?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
実はリーンスタートアップの先駆けはトヨタの「かんばん方式」と呼ばれるものです。
ジャストインタイムとも呼ばれる手法で、必要なタイミングで必要な物だけを作ることをコンセプトとしており、ムダを省くという根幹部分が一致しています。
トヨタが始めた当時は製造業が活用する手法でしたが、現在では他事業も含めてリーンスタートアップとしてプロジェクトマネジメントの手法に成長しています。
食べログ
日本国内のサービスでは、食べログでもリーンスタートアップが採用されたことは有名です。
サービス立ち上げ当初は、書籍などの情報を元に、データベースに地道に打ち込む作業を行っていたようですが、ユーザーからのフィードバックを取り入れ、早いサイクルでサイト改善を進め、現在のスタイルとして成功しました。
まとめ
本記事では、リーンスタートアップの意味合いから手法・導入事例までご紹介してきました。
一部では、リーンスタートアップは古い手法という認識を持たれている方もいますが、まだまだ現役のビジネスフレームワークと考えて問題ありません。
スタートアップ企業・新規事業を始める際、なるべくリスクを抑えて最大限の成果を出すためにも、今回ご紹介したリーンスタートアップに興味を持たれた方は、事業に適用出来そうな部分から積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
