エレベーターピッチとは?その目的や”15秒”のチャンスを活かす方法を紹介
・「プレゼンに苦手意識がある」
・「もっと相手を惹き込める会話術を身に着けたい」
・「業績アップのためにもプレゼン力を磨きたい」
こんな悩みを抱えていらっしゃるみなさんに、効果的かつ効率的なビジネススキルとして「エレベーターピッチ」とはなにか解説してまいります。
ビジネスするうえで欠かせないのは顧客となってくださる方に「いかに魅力的な企業・サービス・商品だと感じてもらえるか」ということを説明できることは非常に重要ですよね。
そこで当記事ではこのようなポイントを抑えつつ、エレベーターピッチについて網羅的にお伝えしていきます。
- エレベーターピッチとは何か
- エレベーターピッチはどんなシーンで役に立つのか
- エレベーターピッチを上手にこなす方法
- エレベーターピッチの実用例
エレベーターピッチについて理解を深め、モノにすることができれば「効果的な会話で顧客の心を引き付ける」ことができ今まで逃してきたかもしれないビジネスチャンスも手中に収めることができるでしょう。
目次
エレベーターピッチとは
エレベーターピッチとは15秒から30秒、長くても1分という限られた時間で有効的に言いたいことを相手に伝えるための手法で、アメリカ・シリコンバレー発祥とされています。
アメリカにおけるプレゼンの極意ともいわれ、もともとは「エレベーターで移動している極めて短い時間でも、自社のサービスや商品を売り込み、どんなチャンスもモノにする」ということが発端で、とにかく短くわかりやすく惹き込むことこそ成功への切符だというわけです。
「そこまで短い時間でプレゼンすることなんてないんだから…」と思ってしまったあなたにこそ知っていただきたいビジネススキル、エレベーターピッチをものにすれば業績だけでなくプライベートでも確実に役に立つことが実感できるでしょう。
エレベーターピッチの目的
エレベーターピッチは何のために使うのか、目的についても簡単に見てみましょう。
- 短くても効果的なプレゼンをする
- 手短でも確実な自己アピールを可能にする
- ビジネスチャンスをものにする
③については①と②をおこなうことで付随してくる結果でもありますが、本来の目的は3.、ビジネスチャンスを逃さず確実にGETするためにこそエレベーターピッチを活用していきましょう。
エレベーターピッチで成功したのアメリカでの実例
ここでアメリカで実際にあった例をご紹介しておきましょう。
出先で偶然世界的に有名な投資家であるバフェット氏に出会った宝石販売チェーンオーナが、出会って30秒で「自分の会社がいかに投資する価値があるか」を話し、1年後にはその話が実を結び自社をバフェット氏に買収させたという例があります。
たった30秒、ですがここで忙しい毎日を過ごすバフェット氏に偶然であったタイミングを逃さず、効果的に魅力を伝えることができたからこそなしえたものでしょう。
だらだらと要点を得ない話が続けば忙しいバフェット氏がまともに取り合うことはなかったかもしれません。
私たちの普段の会話でも、要点が伝わらない、だらだらとした話を聞かされるのは苦痛に感じることも多いですよね。
手短でもわかりやすくまとまった話ができる人と話をしていると、会話のテンポもよく自然と聞き入ってしまうことも多いのではないでしょうか。
もちろん魅力的な人物として映るのも後者であることは言うまでもないでしょう。
エレベーターピッチのメリット
エレベーターピッチを身に着けること、活用することで得られるメリットには以下のようなものが挙げられます。
- いつでもどこでも伝えたいことを確実に伝えられるようになる
- 考えを整理するスキルが向上する
- コミュニケーションスキルが向上する
- 忙しい相手にも短時間で効果的にプレゼンできる
- 打ち合せなども短い時間で済ませられる
- まとまりのある会話で信頼感も高まりやすい
エレベーターピッチを実用するためには、自分の言いたいこと・伝えるべきポイントを整理し、短くまとめることが必須になります。
繰り返し実践することで、頭の中にある情報を他者にわかりやすく魅力的に伝える能力が向上することは言うまでもありません。
「この人の話はわかりやすい」、「きちんと整理された情報をこれだけ手短にまとめられるのだから、きっと仕事もできる信頼できる人なのではないか」と感じてもらうこともできるでしょう。
ビジネスではもちろん、どんな時でも役に立つのがエレベーターピッチ習得を強くお勧めする理由です。
エレベーターピッチをうまく活用する5つの方法
エレベーターピッチを実践するためにはいくつかの方法があります。
方法について解説する前に目安となる数字として「15秒〜30秒で話すことができる文字数は200〜250文字前後」ということをお伝えしておきます。
1分とすると500文字前後、原稿用紙1枚と1/4です。決して多くはない情報量でまとめる必要があるということを覚えておいてください。
エレベーターピッチ実践の方法を簡単にまとめました。
- まずは結論、目的を明確に伝えること。
- 話の要点を設定時間に合わせてピックアップする。
- 相手が本当に求めているものはなにか把握・分析すること。
- 相手にとって商談成立することで得られるメリットを伝えること。
- 相手の決断を促すフレーズで締める
5つの方法として簡単にまとめましたが、特に難しいと感じる方が多いのは冒頭部分でもある①のところで、相手の心を惹き込む部分ではないでしょうか。
文章でも、「どのような導入で相手を惹き込むか」が一番難しいところですが、相手の現状を調査・把握し、そして売り込みたいサービス・商品を得ることで得られるメリットにどのように結びつけるかを考えていくようにします。
相手が抱えている課題・問題を解決することができる商品やサービスであれば、そこを起点として会話の流れを考えていくと簡単です。
5つのポイントすべてにおいて、「しっかりわかってもらえるように説明しなくては」と考えてしまうと、エレベーターピッチの利点は損なわれてしまいます。
この会話で相手の気持ちをこちらに傾倒させることが目的である、ということも忘れないようにしましょう。
まずは結論、目的を明確に伝えること
限られた時間で伝える、引き込む、その為には周りくどい会話は不要です。
自分の目的を明確にし、何について話をするのかわかりますい言葉で伝えましょう。
会話に引き込むための大切な冒頭部分ですから、相手にとって聴く価値のある話である、ということをわかってもらえるような内容が好ましいです。
話の要点を設定時間に合わせてピックアップする
内容を盛り込みすぎてはエレベーターピッチは成立しなくなります。
まずはこの会話で惹きつける、その為にまず伝えるべき要点をピックアップしましょう。
要点・ポイントとなるものをまずは洗い出し、必要なものだけをチョイスするのがオススメです。
相手が本当に求めているものはなにか把握・分析すること
相手がどんな状況にあり、何を求めているのか、それを知らずに惹きつけることはできません。
しっかり調査、分析を行い、その解決の為に自社のサービスや商品がメリットとなるという紐付けをします。
相手にとって商談成立することで得られるメリットを伝えること
短い時間で惹きつけるためには、どれだけメリットが得られそうかを伝えることは欠かせません。
上で紐付けをしたことの根拠となるような実例があれば紹介したりするのも有効です。
相手の決断を促すフレーズで締める
最後にもう一度、どうして欲しいのかをはっきりと伝え、行動を促すためのワンフレーズで締めくくりましょう。
決断してもらえるようなフレーズを挿入することでより、効果があがります。
エレベーターピッチを利用する際の注意点
エレベーターピッチを実践するとき、陥りがちな失敗として「早口になってしまう」ということがあります。
短い時間で終わらせなければ!と強く意識するあまりのことではありますが、相手が聞き取りにくいのでは意味がありません。
どのような流れで話をするか、上記でご紹介した5つの方法を踏まえて文章を組み立てたなら、実際に口に出して練習してみることもおすすめです。
相手にとって聞き取りやすく、要点がきちんと伝わっているか、抑揚もつけつつまとまっているか確認します。
そのうえで実際どのくらいの時間がかかっているのか、相手の心をつかめているかなども調整していきましょう。
エレベーターピッチの例文
エレベーターピッチを実践するために、いくつか例文を上げさせていただきます。
あくまで例にはなってしまいますが、どのような構成になっているのか、御社ではどのようにアレンジすればよいか考える参考にしてみてください。
エレベーターピッチの例文①:自社で開発したツールを導入してほしい
『弊社は開発コストを20%削減し効率的に管理できるツールを開発しました。
円滑に回らない開発現場の多くでは開発管理がうまくいかず担当者を悩ませ、メンバーのストレスとなり生産性DOWNにつながっています。
弊社のツールは同様の他社ツールと異なり、わかりやすく操作しやすい抜本的な改革で開発チーム全体を円滑にします。
御社がさらなる高みを目指し生産性大幅UPをとお考えでしたら、ぜひ導入に向けて無料体験からスタートされてみませんか?』
エレベーターピッチの例文②:自社のエンジニアをプロジェクトに参画させてほしい
『弊社在籍のエンジニアは技術力の高さはもちろんですが、コミュニケーション能力の高さにも自信があり円滑にプロジェクトを回せる人材です。
開発技術は高くてもメンバーと意思疎通が図れない、チーム内がぎすぎすして生産性が上がらないという話も耳にすることはありますが、それではプロジェクト成功は難しいかと存じます。
ありがたいお話ですが弊社のエンジニアを参画させていただいたプロジェクトでは、他のプロジェクトにも名指しでご指名いただくことも多くございます。
御社でこれから手がけられるプロジェクトにも、一メンバー以上の働きで貢献し、プロジェクト成功の一端を担えると考えておりますがいかがでしょうか。』
エレベーターピッチの例文③:自社開発サービスを導入してほしい
『弊社でIT企業に向けた画期的なクラウド型の勤怠管理サービスを開発しました。客先へ出向・常駐していらっしゃる社員の方、在宅勤務の方、社内勤務の方それぞれに公平感・納得感のある管理サービスになっています。
操作も簡単で働く場所にとらわれないこれからの時代に合ったサービスになっており、人事評価にもご活用いただけるデータ分析機能もございます。
御社にとっても、社員の方々にとっても安心かつ納得感のある管理サービスで、業績UPにも貢献できると確信しております。無料体験もご用意がありますのでご検討いただけないでしょうか。』
まとめ
エレベーターピッチについて、メリット・方法・例文も含めて解説させていただきました。
習得すればビジネスだけでなく、みなさんの人生そのものにもよい影響をもたらすエレベーターピッチ。
目的をしっかりとあぶり出し、聞いてほしい相手の状況・課題・悩みなどを調査・分析したうえで、15秒から1分の範囲で分かりやすく魅力的にまとめることが非常に重要です。
エレベーターピッチを活用するための例文も併せてご紹介しました。
あなたにとって、御社にとって最適な伝え方になっているか確認を含め練習してみましょう。
日々の意識と繰り返しの実践であなたの話術は多くの方の心を惹き込むことができるようになるはずです。