【厳選20選】マーケットイン・プロダクトアウトの成功・失敗事例をどこよりも詳しく紹介!
マーケットインとプロダクトアウトは、事業戦略を立てる際に使われる考え方の指標です。
このマーケットインとプロダクトアウトについての知識を把握しているかどうかは、事業の成否を分けることにもつながります。
しかし、マーケットインとプロダクトアウトの基本的な内容を知っているだけでは、事業の成果を導くことが難しいこともあるでしょう。
そこでこちらでは、マーケットインとプロダクトアウトの基本的な内容に加えて、それぞれの成功・失敗事例を紹介します。
具体的な事例を確認して、よりマーケットインとプロダクトアウトを事業戦略に役立てられるように備えていきましょう。
目次
マーケットイン・プロダクトアウトとは?
事例をチェックする前に、まずはマーケットインとプロダクトアウトの詳細を確認します。
それぞれにどういった意味があるのかを、以下を参考に確認しておきましょう。
- マーケットイン・プロダクトアウトの違い
- マーケットイン・プロダクトアウトのサービス事例
マーケットイン・プロダクトアウトの違い
マーケットインとプロダクトアウトには、以下のような違いがあります。
マーケットイン
マーケットインとは、顧客となるユーザーのニーズをチェックしたのち、それに合わせて製品やサービスを提供するスタイルです。
まず顧客の求める性能を第一に考えて、それを実現する形で事業を進めていくことになります。
ある程度の売上予測を立てやすく、具体的な完成形を事前に把握しやすいというメリットがあります。
プロダクトアウト
プロダクトアウトとは、会社が製品化したい商品や考え方を主軸に事業展開する方法です。
顧客となるユーザーでさえまだ気付いていない潜在的なニーズにアプローチするため、インパクトのある商品を開発できることがあります。
新規で市場を開拓できるパワーがあり、成功すれば圧倒的なシェアを獲得できる可能性もあるでしょう。
このような内容が、それぞれマーケットインとプロダクトアウトが持つ意味になります。
顧客が示すニーズを提供するのがマーケットイン、顧客が気付いてないニーズを提供するのがプロダクトアウトと、それぞれまとめることができるでしょう。
マーケットイン・プロダクトアウトのサービス事例
マーケットインとプロダクトアウトは既に珍しい方法ではなく、多くの企業が実践してきた基本的なものになっています。
そのため、参考にできるようなサービス事例は多数あり、簡単に比較や応用を行っていくことができるのです。
マーケットインとプロダクトアウトをそれぞれ進める予定があるのなら、まずは事例を確認していくことがおすすめされるでしょう。
マーケットインとプロダクトアウトの事例を確認する際には、成功と失敗の両方を知っていくことがコツです。
両面の事情を把握することで、なぜ成功事例となったのか、逆になぜ失敗事例になってしまったのかを考えるきっかけが生まれます。
それは今後の事業を進める、重要なヒントになるでしょう。
マーケットインとプロダクトアウトの事例を知る際には、これまでの企業の成功例と失敗例をそれぞれチェックすることを意識してみてください。
マーケットインの成功事例7選
以下からは、まずマーケットインの成功事例を7つ紹介します。
ひとつの参考として、これまでにどのような成功事例があるのかをチェックしてみてください。
- マーケットイン成功事例①:USJ
- マーケットイン成功事例②:スマホ
- マーケットイン成功事例③:缶コーヒー
- マーケットイン成功事例④:ロボット掃除機
- マーケットイン成功事例⑤:ライザップ
- マーケットイン成功事例⑥:Wii Fit
- マーケットイン成功事例⑦:Windows
マーケットイン成功事例①:USJ
USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)は、そのときの流行を積極的に取り入れる形で多くの入場者数を獲得しているアミューズメントテーマパークです。
元々はハリウッド映画の作品をメインにしていましたが、後にエヴァンゲリオンや進撃の巨人などの国内エンタメを取り入れて、ユーザーのニーズに応える事業展開を進めました。
今後はゲームソフトのマリオなど、さらにユーザーニーズの対象を広げていく予定であるのも特徴です。
マーケットイン成功事例②:スマートフォン
AppleのiPhoneの登場して以来、ガラケーに代わる新しい携帯端末として各社がスマホ(スマートホン)の発売に力を入れました。
手元に収まる端末に通話、インターネット検索、アプリケーションなどといった多くの機能を盛り込み、手軽に多機能を利用したいというユーザーニーズに応えています。
マーケットイン成功事例③:缶コーヒー
手軽に安価で飲める朝専用缶コーヒーも、マーケットインによって誕生した商品です。
朝のちょっとした時間に飲めるコーヒーの需要が高いことに気づいたアサヒ飲料は、ワンダ・モーニングショットの販売を開始します。
ゆっくりと時間をかけて味わうコーヒーとの差別化に成功し、今でもひとつのジャンルとして確立されています。
マーケットイン成功事例④:ロボット掃除機
自動で動くロボット掃除機も、ユーザーのニーズに応えた成功事例と言えます。
共働きの家庭が増え、家事にかける時間が節約される現代において、自動で室内を掃除してくれるロボット掃除機を求める声は強くなりました。
その点を調査した結果、ルンバをはじめとしたロボット掃除機が新しい家電として登場することになったのです。
マーケットイン成功事例⑤:ライザップ
短時間&週に数日のトレーニングや、専門家によるマンツーマンの食事指導などによって話題になったライザップも、事例に数えられるでしょう。
ダイエットをしたいが続かない、科学的に意味のある方法でダイエットをしたい、そういったニーズに応えたことが結果につながっています。
マーケットイン成功事例⑥:Wii Fit
自宅でできるフィットネスゲームとして世界で注目されたWii Fitも、マーケットインの成功事例になるでしょう。
ゲームに合わせて体を鍛えられる画期的なアプローチは、家庭用ゲーム機Wiiの人気も手伝って大変な需要を生み出しました。
この流れは現在任天堂で発売されているリングフィットアドベンチャーに続いていて、今後さらにゲームで体を鍛えたいユーザーのニーズに応えていく可能性があるでしょう。
マーケットイン成功事例⑦:Windows
Appleが開発したPCによって明らかになったパソコンの需要に応える形で登場したのが、Windowsパソコンです。
一家に一台パソコンを設置する時代に合わせて低価格での提供を行ったり、ビジネスマン向けにワードやエクセルといったソフトを提供したりといったマーケティングを行いました。
他社にライセンスを開放したため、多くの外部アプリケーションやデバイスに対応できるようになっています。
この汎用性の高さを使って、幅広いユーザーのニーズに応えられるようになったのもこの事例の特徴です。
マーケットインの失敗事例3選
マーケットインの失敗事例には、以下のようなものがあります。
- マーケットイン失敗事例①:HD-DVD
- マーケットイン失敗事例②:セグウェイ
- マーケットイン失敗事例③:省エネルック
マーケットイン失敗事例①:HD-DVD
DVDの次世代規格として期待されたHD-DVDですが、2008年に東芝が事業撤退したことから、事実上の失敗が確定しました。
ユーザーニーズだけでなく、企業のニーズにも振り回された結果として参考にできる事例でしょう。
マーケットイン失敗事例②:セグウェイ
立ち乗り式の二輪車として注目を集めたセグウェイも、2020年に生産中止が発表されました。
自転車や車以上の求心力を出せなかった点や、各国の法規制の厳しさなどから一般家庭に普及できなかった点が、失敗の理由として挙げられるでしょう。
環境への配慮や交通渋滞の解消などといった独自のメリットがあっても、実際に使うユーザーにとってそれらの優先度が低かった場合、成功事例となるのは難しいのかもしれません。
マーケットイン失敗事例③:省エネルック
1979年のオイルショックを受けて推進が始まった半袖の背広を着用する省エネルックも、失敗事例として見ることができます。
見た目の評判の悪さなどからユーザーを引き付けることができず、結果的に社会的に推進されたクールビズにお株を奪われる形になりました。
プロダクトアウトの成功事例6選
以下からは、プロダクトアウトの成功事例を確認します。
どのような発明がユーザーの隠されたニーズに届いたのかを、下記でチェックしていきましょう。
- プロダクトアウトの成功事例①:Mac
- プロダクトアウトの成功事例②:iPhone
- プロダクトアウトの成功事例③:iPad
- プロダクトアウトの成功事例④:ウォークマン
- プロダクトアウトの成功事例⑤:ポケモンGO
- プロダクトアウトの成功事例⑥:Yahoo BB
プロダクトアウトの成功事例①:Mac
AppleのパソコンMacは、これまで計算機などの専門分野のみで重宝されてきたパソコンの役割を、一般的に落とし込んだプロダクトアウトの成功事例として知られています。
マウスを使っての直感的な操作を可能としたため、多くのユーザーをパソコンに触れさせるきっかけを作りました。
プロダクトアウトの成功事例②:iPhone
Apple製品のスマホであるiPhoneも、プロダクトアウトの成功事例になります。
タッチパネルを初めて採用し、指による接触だけで複雑な操作を完了させることを成功させたiPhoneは、新たなスマホ市場を開拓して現在の価値を形成しました。
iPhoneをきっかけに多くのスマホが誕生し、今やひとり1台持つのが当たり前になるまでその価値は急上昇しています。
プロダクトアウトの成功事例③:iPad
スマホよりも大きなサイズで使えるタブレット市場を定着させたiPadも、ひとつの成功事例に数えて良いのではないでしょうか。
イラストの作成や動画視聴など、ユーザーの隠れたニーズに広範囲で対応できた点が評価されています。
プロダクトアウトの成功事例④:ウォークマン
SONYの携帯音楽端末ウォークマンは、音楽を持ち歩くという新しい価値基準を生成しました。
音楽の市場拡大と合わさって、ユーザーに自由な音楽視聴の機会を提供したその実績から、プロダクトアウトの成功事例として参考にできるでしょう。
プロダクトアウトの成功事例⑤:ポケモンGO
位置情報を使って遊ぶアプリポケモンGOも、隠されたユーザーニーズを引き出した事例として考えても良いのではないでしょうか。
健康志向のユーザーに、収集要素や対戦要素を提供したことで、毎日歩くことに前向きな理由づけを行っています。
「ただ健康のために歩くだけなのは嫌だ」そんなユーザー層にも応えた事例として、参考にできるでしょう。
プロダクトアウトの成功事例⑥:Yahoo BB
月額固定料金によって提供されたADSLサービスのYahoo BBも、インターネットの常時接続という希望に応えた成功事例です。
このYahoo BBが先陣を切ってADSL事業を展開したため、その後も多くの企業がそれに続くことができました。
結果的に市場拡大につながったため、潜在的なユーザーニーズをしっかりと捉えられていた事例となるでしょう。
プロダクトアウトの失敗事例3選
以下では、プロダクトアウトの失敗事例を紹介します。
- プロダクトアウトの失敗事例①:3Dテレビ
- プロダクトアウトの失敗事例②:Apple Newton
- プロダクトアウトの失敗事例③:バーチャルボーイ
プロダクトアウトの失敗事例①:3Dテレビ
3D表示に対応したテレビはかつて各社で提供されていましたが、2017年ごろから対応機種はほぼなくなっています。
専用のメガネをかけなければならなかったり、3D酔いがしやすかったりといった点がユーザーの不評につながり、失敗の原因になったのでしょう。
当時テレビの価格が下がりつつあったなか、付加価値として導入された3Dでしたが、結果的にメーカーがただ売りたいだけの商品になってしまったようです。
プロダクトアウトの失敗事例②:Apple Newton
Apple Newtonとは、1993年にAppleから発売された世界初のPDA端末です。
iPhoneやiPadの前身に当たる商品で、手書き入力対応の液晶パネルなどを搭載した先進的な要素が話題になりました。
しかし、重さやサイズの大きさが足を引っ張り、結果として失敗事例になっています。
プロダクトアウトの失敗事例③:バーチャルボーイ
バーチャルボーイは、任天堂が1995年に発売した家庭用ゲーム機です。
現在のVRのヘッドマウントディスプレイのような形で、立体視の3Dによるゲームプレイを前提にして作られました。
しかし、ユーザーのニーズを捉え切ることができず、結果的に失敗事例となっています。
マーケットインとプロダクトアウトの二元論は時代遅れ?
これまでは、マーケットインとプロダクトアウトを二元論的に考えることが主流でした。
しかし、今後は二元論の視点でマーケットインとプロダクトアウトを捉えることは、時代遅れになると予想できるでしょう。
以下を参考に、マーケットインとプロダクトアウトのこれからの付き合い方を考えてみてください。
マーケットイン・プロダクトアウトを融合した考え方が主流
これからの時代は、マーケットインとプロダクトアウトを融合した考え方が主流になるでしょう。
狙いとなる部分は違いますが、マーケットインとプロダクトアウトは両方ともユーザーのニーズに応えるという点は一致しています。
そのため両方の視点を取り入れて考えることで、よりユーザーのニーズを正確に捉えつつ、事業におけるリスクを低下させることができるでしょう。
顧客が求めているニーズを満たしつつ、まだ気づいていないニーズにもアプローチを行う。
そういった商品・サービスを提供するためには、マーケットインとプロダクトアウトの融合が欠かせません。
どちらかの考え方に偏るような方法ではなく、上手に両方の利点を活用することが求められるのです。
この機会にマーケットインとプロダクトアウトの両方を把握して、この2つを融合することを考えてみてください。
まとめ:マーケットインとプロダクトアウトの事例から具体的な戦略立案につなげよう
マーケットインとプロダクトアウトは、それぞれ事業戦略の立案に貢献します。
各事例を知ることができれば、その貢献度はさらに大きなものになるでしょう。
この機会にマーケットインとプロダクトアウトの基本と事例を確認し、これからの事業展開の参考にできる部分を探してみてください。