部下の退職で上司の評価が下がるって本当?退職の兆候や未然に防ぐ方法を解説
部下が会社を辞めた場合、上司の評価は下がってしまうのでしょうか?
責任問題に発展するのでしょうか?
部下が会社を辞める事や新しい社員が入ってくるということは一般的な会社であれば珍しいことではありません。
しかし、部下を持つ上司としては部下の退職が自分の評価に影響するか気になりますよね。
そこで本記事では、部下の退職は上司の評価に影響するのか。また、退職兆候をもとにそれらを未然に防ぐ方法などを解説していきます。
部下を持つ上司の方は必見です!それではいきましょう!
目次
部下の退職で上司の評価が下がるって本当?
結論から言うと、基本的には労働者が仕事を辞めるのは自由であり、部下が辞めたからといって直接上司の評価が下がることはありません。
ひと昔前は「部下が退職したのは上司の管理能力がないからだ」と言われていましたが、
最近ではその考え方は変わってきています。
なぜなら、退職理由が「会社や上司への不満」ではなく、「ライフワークバランスを一番に考える」という人が増えているからです。
(参考;https://www.kakehashi-skysol.co.jp/rishokuboushi-chiebukuro/rishokuriyuu_ranking/)
その背景には、今までは当たり前だった終身雇用の崩壊、フリーランスやテレワークといった働き方が一般的になり、正社員以外の働き方が浸透してきたことがあります。
特にIT業界など慢性的に人不足な業界では中途採用も積極的に行っており、転職や独立する人が多くなっています。
また、子育てや介護など止むを得ない理由で退職することもあるので部下の退職で上司の評価が必ず下がるということはありません。
部下が退職して上司の評価が下がる2つのパターン
部下が退職することで上司の評価が下がることはない、と説明をしましたが一部例外もあります。
では、部下が退職して上司の評価が下がるのはどんなパターンがあるのでしょうか。
- 部下の退職が原因で売上目標が達成できなかったパターン
- 部下が短いスパンで立て続けに辞めるパターン
部下の退職が原因で売上目標が達成できなかったパターン
部下が退職したことでリソース不足に陥り、結果的に部署の売上目標を達成できなかった場合、上司の評価が下がるケースはあります。
とは言え、例えば1部署の中のチームの1つのリーダーや、チーム内で部下を持つ方の場合には評価に影響を受ける可能性は低いでしょう。
ただし、部署を任させるマネージャー・リーダークラスの方や事業部長レイヤーであれば、部下が退職した場合に、売上目標を達成するためにその穴埋めをどうするのかを考えるところまでが求められます。
もちろんですが、仮に部下が退職したとしても売上目標を達成できたなら、部下が辞めたことが理由で上司の評価が下がることはないでしょう。
部下が短いスパンで立て続けに辞めるパターン
中途入社の社員や他部署から転籍してきた部下が短いスパンで立て続けに辞めた場合、上司の評価が下がるケースがあります。
部下1人が辞めることについてはそれほど問題視されませんが、ある期間に続けて2,3人と部下が辞めてしまうと会社としては上司に原因があるのではないか?と当然考えるでしょう。
部下の退職理由が上司にある場合、その上司の管理能力がないとみなされて評価を下げられる可能性は十分にあります。
もし、部下が短いスパンで退職してしまう場合には、教育法に問題がないか、無意識にセクハラやパワハラをしていないかについて一度自身を見つめ直す必要があるでしょう。
部下が退職を匂わす3つの兆候
部下が退職する場合、事前になんらかの黄色信号を出しているケースが少なくありません。
その黄色信号を見落とさずに気づけていたら突然の退職のリスクを回避できるかもしれませんよね。
そこで、部下が退職を匂わす兆候をいくつか紹介していきます。
- 部下が自分の意見を言わない
- 上司とのコミュニケーションが減る
- 部下が席にいない時間が増える
部下が自分の意見を言わない
退職を考えている部下は、既に自身の評価や会社の行く末はどうでも良くなっているため、会議で自分の発言をしなくなる傾向にあります。
・「もうすぐ辞めるから発言する必要がない」
・「この会社のことはどうでもいい」
と思いながら、必要最低限のことしか発言しなくなります。
いつも活発に意見を言う部下が発言しなくなってきたら退職を考えているかもしれないので、注意しましょう。
上司とのコミュニケーションが減る
会社を辞めようと思う時、部下は上司とのコミュニケーションを避けるようになります。
なぜならば、会社に対しての熱量が下がっている事はもちろんですが、一定の気まずさもあるのでしょう。
特に優秀な部下であればあるほど、これまで活発に上司に相談したり意見を求めたりする機会も多かったはずです。
そんな部下が話しかけてこなくて、一定の寂しさを覚えたら注意が必要です。
席にいない時間が増える
退職しようか迷っている。または決意している部下は自席にいない時間が増える傾向にあります。
というのも、転職エージェントや転職先の会社とやり取りしている可能性があるからです。
特にいままで真面目に自席で仕事に集中していた部下が席を外す時間が増えた場合には、気持ちが転職に向かっているかもしれません。
もちろん、他に悩み事やトラブルを抱えているかもしれませんが注意が必要です。
部下の退職を未然に防ぐ5つの方法
管理職の方であれば部下が退職しないか不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。
大事に育ててきた部下が退職してしまうのは会社にとって不利益というだけでなく、感情的にも寂しいですよね。
やむを得ない理由であれば別ですが、できれば部下の退職は避けたいものです。
では、部下の退職を未然に防ぐためにはどんな方法があるでしょうか。
- 1対1で部下と話す時間を作る
- 仕事を任せきりにしない
- 公平な人事評価制度をつくる
- 社員全体での情報共有をする
- 風通しのよい環境づくり
1対1で部下と話す時間を作る
1対1で部下と話合う時間を意識的に作るようにしましょう。
忙しいのであれば15分程度でも構いません。ランチに誘うなどでも構わないでしょう。
この時、仕事の状況だけでなくプライベートでの悩みなどを聞く事も大切です。
相談に乗れる上司であれば、部下としても心を開ける唯一の上司になれるでしょう。
仕事を任せきりにしない
部下に対して、業務範囲や責任については上司であるあなたが明確にしましょう。
特に優秀な部下だと仕事を任せきりにしてしまいがちです。
そうなると部下にとっては負担が多くなり体力面や精神面で辛く感じて転職を考えるようになるケースが多いです。
リスクのある仕事を任せる場合は、責任は上司が取るということをきちんと伝え、安心して業務に取り組めるようにしてあげることが重要です。
公平な人事評価制度をつくる
人事評価の基準を明確にすることも部下を退職させないためには大事です。
中小企業などでは特にそうですが、トップの好き嫌いや気分で人事評価をしていることが少なくありません。
頑張っているのに正当に評価されないと感じれば誰でもやる気を無くしてしまいます。
そうならないためにも主観で評価せずに明確な人事評価制度をつくり、正当に評価できる仕組みをつくりましょう。
社員全体での情報共有をする
上司だけでなく、社員全体で情報共有できていることも部下が退職しない大事な要素です。
部署の目標や他の社員が関わっているプロジェクトなどは、できるだけ全体で情報共有しましょう。
そうする事で、メンバー全員が同じ目標を目指している組織の一員として働いている実感が持てるので、仕事に対するモチベーションが上がります。
社内のコミュニケーションも活発になり、退職しようという気持ちが起きにくくなるでしょう。
風通しのよい環境づくり
普段から意見を言いやすい風通しの良い職場づくりをこころがけましょう。
仕事で行き詰まり、相談したいけど言い出しづらい雰囲気がある。または、意見を言っても否定されやすい。上司が忙しくて自席にいないため相談できない。等、気を使わずに相談できる環境でないと仕事へのモチベーションも下がり、部下のパフォーマンスも十分に発揮できません。
よい意味で上司との関係がフラットで、自分の意見を言いやすい環境であれば部下は仕事がしやすくなり、退職リスクを減らせることができるでしょう。
まとめ:部下の退職で評価を下げないためにも日々のコミュニケーションを意識しよう!
今回の記事では、部下の退職が上司の評価に影響するのかというテーマで解説してきました。
部下が退職することが直接上司の評価につながらないとしても、部署や会社にとっては痛手です。
新しい部下を雇うのはコストがかかり、戦力になるためには多くの時間も要するため、できるだけ部下の退職は避けたいですよね。
この記事を参考に、日々部下とのコミュニケーションが十分にできているかを見直してみてはいかがでしょうか。