部下が突然辞めてショック!とならないための対処法から原因や前兆までを紹介

部下が退職を希望しているというとき 「なんで突然!?」 と驚いてしまう方にこそ知っていただきたいお話をまとめました。

人は急に気持ちが変わるものではありません。

何か原因・理由があって気持ちに変化が出てきます。

退職を希望する部下に驚きショックを受けているあなたがいるように、部下も退職を決定するまでに悩み苦しんでいた時期があるはず。

ここでは、このような章立てでみなさんに知っていただきたいポイントをまとめていきます。

  • 部下が辞める前兆のサイン
  • 退職の理由・原因は上司にあるのか?
  • 退職予兆が見えたときの対策と退職予防策について

まずは予兆としてどのようなものがあるのか、続いてどんな理由や原因で退職につながるのかを知っていただくことで有効な対策を講じていただけるはずです。

対策を講じるうえで有効なものも紹介しますのでお役立ていただければ幸いです。

部下が突然辞める前の前兆サイン8選

部下が退職するということは上司としてかなりインパクトのある出来事ですよね。

ある日突然に…と感じることもあるかもしれませんが、実は前兆を見逃していたために引き留められるものも引き留められなかったというケースもあります。

「辞める」というのは優秀な人材にとって「ここにいるままでは望むスキルアップができない・自分に見合う待遇が得られない」ことから行動に移すこともありますが、中には「会社・人間関係に対する不満が募った」ことにより退職するしかないと思い詰めてしまうケースもあります。

一人退職するとそのほかのメンバーへ波及することもある、退職連鎖が起こる懸念もあります。

部下が不満や不安を抱えている、その問題が会社として対応可能なものだったら…そう考えると会社としての損失も大きく後悔してしまうことに。

ここでは部下が突然退職をしてしまう、という最悪の事態につながる予兆について解説していきますのでチェックしてください。

  • 1.積極的な発言が急になくなる
  • 2.有休をとることが増えた
  • 3.服装・ヘアスタイルの変化
  • 4.表情の変化が気になる
  • 5.自分の作業を含め周りに熱心に指導するようになった
  • 6.就業時間中の自席不在時間が増えた
  • 7.職場内での付き合いが急に偏った
  • 8.作業はあっても残業をしなくなった

1.積極的な発言が急になくなる

今まで積極的に意見や考えを発信していたメンバーが急に自分発信をしなくなってしまったということがあったら要注意です。

これはミーティングなどの場でも見られることですが、それ以外でも積極的に自分の意見を伝えてくれていたメンバーの場合、日常の会話の中でも見受けられる前兆。

「もうここで張り切る意味がわからなくなってしまった…。」という心境のこともありますが、「辞めようかと思っているのに環境を良くする努力は必要ないな」と、ここまでの心境の変化の場合も考えられます。

優秀な人材ほど自分のスキルアップのためであったり、自分の能力に見合わない待遇などを理由に転職を考えることも多いのだということも会社として考えておくべきかもしれません。

2.有休をとることが増えた

何か明確な理由があり有休をとっている場合は問題ありません。

ですが明確な事情もなく有休取得することが急激に増えたな、と感じられたら要注意です。

「辞める、と話してからだと溜まっている有休消化もしにくくなりそうだから今のうちかな」という場合もあれば、

「有休がたまっているしなんだかもうやる気が起きない…」という後ろ向きな心境になっていることもあるでしょう。

前者の場合にはすでに転職を決断している状況というケースもありますが、後者の場合には話し合いで改善できる問題を抱えているケースも考えられます。

3.服装・ヘアスタイルの変化

見た目、というわかりやすい違いが出てきたときにも注意が必要です。

例えば今まで見たことがないようなリクルートスタイルが気になる、というのはすでに転職のために動き始めている可能性が高いことは言うまでもないでしょう。

逆に今までと違いだらしなく映るような髪形の乱れ、髭の手入れ、服装などが目立つようになったら、会社に対して不満を抱えていて悩んでいたり、気力を失ってしまっている状況にいるかもしれません。

単純に辞めると決めた会社で気を張ることが無駄だと考えての事もあるでしょう。

こういった変化が度々目につくようになったな、と感じたなら注意して観察してみてください。

後者のような乱れが気になる場合には転職云々だけでなく、精神的に参っていたりすることも考えられますから適宜会話を試みるなども必要です。

4.表情の変化が気になる

いつも明るくイキイキとした表情が魅力的なメンバーがずっとふさぎ込んでいたら心配になりますよね。

これはこれで心配ですが、もう一つ、最近表情が暗いなと気になっていたメンバーが急に明るく吹っ切れたような表情を見せるようになったら、それはすでに転職活動を始めているからかもしれません。

5.自分の作業を含め周りに熱心に指導するようになった

急に自分の作業について周りのメンバーや部下に伝える姿を目にするようになったな、というときも注意が必要です。

「人を育てていくことに目覚めてくれたか!」と喜ばしくも映るこのシーン、実は転職のための準備期間であることも考えられます。

この場合には他の予兆もないか、併せてチェックしてみると良いでしょう。

他に気になることがないのであれば、ほかのメンバーの成長を後押ししてくれる行動として感謝の気持ちを伝えてみても。

6.就業時間中の自席不在時間が増えた

就業時間中に頻繁に自席を外すメンバーがいる、ということが気になる場合も注意が必要なケースがあります。

転職しようとすると必然的に企業や、転職エージェントとのやり取りが必要になりますから、どうしても就業時間中にも電話での対応が必要になることも。

必ずしもそうではなく、プライベートで困っていることやどうしても電話をしなくてはいけないようなことがある場合もありますから、そのメンバーをしっかり観察してみましょう。

こちらで紹介しているそのほかの予兆がないか、ということも併せてチェックしてみてください。

7.職場内での付き合いが急に偏った

今までは自分とも話すことが多かったメンバーとの関わりが減ってしまったと感じているなら注意が必要です。

また特定のメンバーと関わりが増えたことが目につくようになったとしたら、そちらも注意が必要な場合があります。

気の合うメンバーとの付き合いは楽しいものですからあまり気にする必要はないようにも思えますよね。

そういうケースもありますが、転職や退職について話を聞いてほしい状況の時にも同様の偏りが見えることも。

急に自分との関わりがなくなってしまった、というケースは分かりやすいですが、後者の場合にはそのほかの予兆とあわせてチェックしてみると良いでしょう。

8.作業があるのに残業をしなくなった

ちょっと残業すれば終わる程度のやらなくてはいけない作業を抱えたメンバーが、今までなら残業して終わらせていたものをあえて残して残業なしで帰るということが続く場合も予兆かもしれません。

単純に疲れていたり、体調が万全でなかったり、プライベートで用事があるケースもありますから必ずしも転職の前兆とは言えません。

ケースバイケースではありますが、こういったことが目立っていたり、続くなということがあれば話を聞いてみることも必要でしょう。

部下が突然辞める原因は?上司のせい?

部下が突然退職を申し出てきたとき、「自分の管理能力が足りていなかったのではないか?」と自分を責めてしまう方もいるでしょう。

それにより自分の評価が下がってしまうのではという懸念を抱くかもしれませんね。

突然の退職の予兆に続き、退職の原因にはどのようなものがあるのか見てみましょう。

  • 上司との人間関係が原因のこともある
  • 職場内の人間関係によるケース
  • 会社に対する不満によるケース
  • スキルアップのため

上司との人間関係が原因のこともある

やはり退職の理由として挙げられることも多いのが上司との人間関係。

上司との折り合いが悪いというのは居心地が良いものではありません。一日に過ごす時間も長い職場においてはやはり気になるものでしょう。

『上司との折り合い』というだけでなく、自分の能力・努力に対する評価が適切とは感じられない不満があるというケースもあります。

職場内の人間関係によるケース

上司に限らずチーム内がぎくしゃくしている、チームワークが図れない、打ち解けられる人がいないなどの人間関係に起因している場合もあります。

仕事を円滑に進めるためにも重要なポイントですが、やはり気持ちよく協力しあえる体制というのも大切なポイント。

チームがうまく回っていない、などの場合にも上司の手腕の見せ所があります。

会社に対する不満によるケース

人間関係のみならず、会社に対する不満というのも退職理由の大きな要因。

  • このまま在籍することにメリットがないと感じた
  • 能力に見合う待遇が得られない
  • 社風が肌に合わない
  • 評価制度に不満がある

様々な理由で不満を感じてしまうことがありますが、このようなケースが目立つ理由といえるでしょう。

社風が合わないというのはカルチャーフィットしている人材なのかどうか、ということだけでなく、様々なポイントで自分の思いとそぐわない点があると感じていることもあります。

待遇は評価によるものですが、なかなか収入UPできない、自分の努力・能力に見合った報酬とは思えない状況で在籍し続けることも大きな不満につながります。

また在籍し続けることがメリットにならない、となる理由については次の項目が関連するので続けて目を通してみてください。

スキルアップのため

以前は転職というと良いイメージがもたれませんでしたが、今は優秀な人材ほど目指すビジョンを実現するため、スキルアップのために転職することが増えています

企業側にとっても中途採用で優秀な人材を得られることは大きなメリット。

待遇もよく中途採用を前向きに採る企業も増えていて、スキルアップのために転職する人が多いのです。

今の会社にいても自分の目指すところに到達できそうもない、そのようなポジションへのルートがない、などの理由から会社に対する不満を抱え転職活動を始めるケースもあるという認識も大切です。

部下が突然辞めてショックで寂しい!と後悔しないための対処法

部下の退職でショックを受けない上司はいないでしょう。

退職の予兆、そして原因をチェックしたところで人材流出を避けるためにしておきたい対策についてもまとめます。

退職の予兆がすでにあるメンバーに向けた対策と、予兆の有無にかかわらず組織として取り組んでおきたい対策を分けて解説します。

退職の予兆のあるメンバーに向けた対策

退職の予兆のあるメンバーを早い段階で見抜き、きちんと1対1での対話をするということが大切です。

ありきたりなことを!と思われるかもしれませんが、ここをおろそかにしてしまえば何に不満を抱えているのか気付けず、できるはずの対策も講じることができません。

不満を聞き出すことができて、不満を解消する手立てが打てれば人材流出を防ぐことも可能です。

また予兆がある場合、なんらかの原因があるはずで、その原因でほかのメンバーも退職を考えてしまったり、退職連鎖が起こる可能性も秘めています。

そうならないためにもしっかり話を聞く、ということが大切です。

話を聞いて、会社としてできる範囲ではない場合(キャリアビジョンとしてこのまま在籍しても実現できないなど)には、早期に引継ぎをしてもらうよう頼み、今後の活躍を後押しする姿勢をみせましょう。

日頃から取り組みたい退職予防対策

日頃から心がけておくことでメンバーの満足感を高め退職率を下げる効果のある対策を紹介します。

  • ①退職の予兆がないか日常的に気を配る
  • ②予兆につながりそうだと思ったら早めに対話を試みる
  • ③社内アンケートを定期的に実施する

①については普段のメンバーがどのような感じなのかも知っておかなければ、こちらで紹介した8つの予兆も見抜けない可能性があります。

仕事を円滑に進めるための管理はもちろん重要ですが、メンバー一人一人についての理解を深めることも重要だと認識しておいてください。

そのためにも1on1のような1対1での対話をする、ミーティングとまでいかなくても日常的に対話をするなどしておくのも有効です。

頻繁に話しかけられるということは内容云々ではなく、「自分のことを気にかけてくれている」という認識を持ってもらうことができますのでおすすめです。

②については日頃からチェックしておくことで早期発見することができるのでぜひ心がけていただくと良いでしょう。

退職しょう!と決心してしまう前段階で気付くことができれば、不満に思っている部分をくみ取り、解決策を導き出すこともできます。

③については、匿名だからこそ不満や改善を希望している部分を書きやすいというメリットがあるのでアンケートは特におすすめの方法なのです。

2か月に1度、半年に1度など定期的に行っていくことで部下の心のうちにあるものにいち早く気づき、対策も取りやすくなります。

まとめ:手遅れになる前に部下が突然辞める前の前兆サインに意識を向けよう!

部下の突然の退職、実は突然ではなく見逃しがちな予兆があるのだということがお分かりいただけたでしょうか。

この記事を読んでくださった皆さんなら、大切な部下の退職をなんとか食い止めたい、と願っていらっしゃるということですから、きっと有効な対策を講じて今後につなげていただけるでしょう。

対策として紹介した、定期的なアンケート、1対1での会話についても前向きに検討していただき、メンバーが明るく前向きに業務にあたれる環境を整えるのに役立てていただけるはず。

上司であるみなさんにとっても、働くメンバーにとっても、ひいては会社にとっても、良い影響を生み出すはずです。

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