部下のメンタルが弱い…。上司が取るべき行動とは?
部下のメンタルが弱い場合、上司はそれを考慮してさまざまな対策を講じなければなりません。
対策を取らずに部下と接し続けると、メンタルが弱い部下は気づかないうちに心身が疲弊する可能性があります。
それはときに退職や休職といった事態に発展することもあり、上司としての問題を抱える結果になることもあるでしょう。
そこでこの記事では、メンタルが弱い部下への接し方を紹介します。
メンタルが弱い部下の特徴や使ってはいけないNGワードなども紹介するので、こちらをチェックすることで具体的な対策イメージを持てるようになります。
メンタルが弱い部下の扱いに悩んでいるときには、こちらを参考に対応策を考えてみてください。
メンタルが弱く「打たれ弱い」部下の特徴
メンタルが弱い、つまり「打たれ弱い」部下には、いくつかの特徴が見られます。
まずは下記の特徴を確認し、どんな部下がメンタルが弱い傾向にあるのかを知っておきましょう。
- 物事をネガティブな方向に捉える
- 人の目を気にしやすい
- 過去や未来に囚われている人
物事をネガティブな方向に捉える
物事を常にネガティブな方向に捉える人ほど、メンタルが弱くなりやすいです。
ネガティブ思考な人は、心が休めるのが苦手な人ということでもあります。
常に心配や不安を抱えやすい性質を持っているため、疲れが溜まってメンタルが弱まりやすいのです。
さらにネガティブな思考が癖になっている人は、たとえば「頑張ったね」と褒めても「全然自分は頑張ったとは言えないのだろうか…。お世辞ではないだろうか。」と疑念を抱くなど、言葉通りに意味を受け取ってくれないことがあります。
こちらが意識してサポートをしようとしても、なかなかイメージ通りに話を進められないこともあるのです。
メンタルケアが難しいという点もあって、メンタルの弱さを改善させるのに時間がかかることも多いでしょう。
ネガティブな言動が多い部下は、メンタルが弱い可能性があることを把握しておいてください。
人の目を気にしやすい
人の目を過剰に気にするタイプの部下も、メンタルが弱いことが多いです。
「失敗を叱られないだろうか」「何か上司の気に入らないことをしていないだろうか」と考え過ぎてしまう人ほど、メンタルの弱さが顕著になります。
人の目を気にしやすいとは、言い換えれば「仕事に対して臆病な姿勢」を取っている人ということでもあります。
仕事中に極度に失敗を恐れたり、慎重過ぎたりする部下ほど、メンタルが弱い可能性があるでしょう。
常に人の目を気にしている部下がいる場合には、メンタル面でのケアが求められることも考えられます。
過去や未来に囚われている人
自分の過去や未来に囚われている人ほど、メンタルが弱いという傾向があります。
メディカルケア虎ノ門の院長である五十嵐良雄氏によると、「過去や未来の出来事が優位になり、現在のことに集中できない人」は、メンタルが弱くて打たれ弱いそうです。
つまり「過去の〇〇という失敗がトラウマになっている部下」や、「未来に〇〇のようなことが起きたらどうしようと不安になっている部下」ほど、メンタルが弱いと言えます。
過去や未来に囚われているかどうかは、客観的に見ているだけではわからないことも多いです。
そのためときには1 on 1ミーティングやメンタルケアのためのカウンセリングなどを行って、部下の心を縛っている過去や未来がないか調べる必要もあるでしょう。
部下が抱える過去や未来がメンタルの弱さに影響する可能性があることも、この機会に確認しておいてください。
参考:https://news.livedoor.com/article/detail/6906365/
メンタルが弱く「打たれ弱い」部下へのNGワード
メンタルが弱くて打たれ弱い部下には、言ってはいけないいNGワードがいくつかあります。
知らず知らずのうちにメンタルの弱い部下を言葉で追い込まないように、NGワードの種類を確認しておきましょう。
- 「期待しているよ」などのプレッシャーをかける言葉
- 「もっと頑張ろう」などの煽り立てるような言葉
- 「飴と鞭」を意識した「鞭」の言葉
「期待しているよ」などのプレッシャーをかける言葉
「期待しているよ」「君ならできるよ」といった言葉は、メンタルの弱い部下に取ってプレッシャーをかけるためNGワードとなります。
上司から見た本音の言葉だとしても、メンタルの弱い部下にとっては圧力に感じられることがあるのです。
つい部下の気持ちを高めるために期待の言葉をかけたくなりますが、メンタルが弱い部下にとっては逆効果になることがあります。
こちらの期待を押し付けるような形にならないように、メンタルが弱い部下にはプレッシャーになるような言葉を使わないようにしましょう。
「もっと頑張ろう」などの煽り立てるような言葉
「もっと頑張ろう」などといった気持ちを煽るような言葉も、メンタルが弱い部下相手にはNGとなります。
「もっと頑張ろう=努力が足りていない=叱られている」と、ネガティブな結果で捉えられる可能性があるのです。
マイルドに励ましたつもりでも、部下にとってそれは叱責になる可能性があるため、安易に「頑張ろう」「もっとできるよ」といった言葉は使わないようにしましょう。
努力を促したいときには、「〇〇をすると上手くいくよ」「先に〇〇をして欲しい」といった形で、具体的な提案をするのがポイントです。
指示をすることで上司に責任があることを明確にできるので、メンタルが弱い部下の心を楽にすることができます。
単純に「もっと頑張ろう」と煽るよりも、部下の心に寄り添うような言葉をかけるのがおすすめです。
「飴と鞭」を意識した「鞭」の言葉
「飴と鞭」を意識した「鞭」の言葉も、メンタルが弱い部下にはNGワードです。
飴と鞭とは、たとえば「君は〇〇がだめだ」とダメ出しした後で、「でも〇〇は素晴らしい」と褒める方法のことですが、メンタルが弱い部下には褒める「飴」の部分が届かないことがあります。
鞭による叱咤を受けた時点で気持ちが萎縮してしまうことが多いため、飴の効果が得られないことがあるのです。
そのため「一度強く叱ってから褒めよう」というコミュニケーションプランは、メンタルの弱い部下にとってマイナスになる可能性があるでしょう。
上司による飴と鞭という旧来の考えは一度捨てて、メンタルが弱い部下向けの接し方を実施していくのがおすすめです。
メンタルが弱く「打たれ弱い」部下への接し方
メンタルが弱くて打たれ弱い部下には、その特徴を意識した接し方が必要です。
有効な接し方を以下で紹介しますので、実際にメンタルが弱い部下とコミュニケーションを取る際の参考にしてみてください。
- 話を聞く姿勢を意識する
- 「当たり前」を褒める
- 「KPT」を使った見直しを提案する
話を聞く姿勢を意識する
メンタルが弱い部下と接するときには、話を聞く姿勢を意識するのがポイントです。
上司と部下という関係上では、どうしても上司の方が話をリードする機会が多くなります。
しかし、上司ばかりが話題を提供するようだと、部下の話を聞くチャンスが潰れてしまい、相互理解が進められません。
上司の話を聞くことが部下の負担になるケースもあり、積極的なコミュニケーションが裏目に出ることも考えられるのです。
一方で、話を聞く姿勢を意識できれば、部下の話を聞く機会が増え、相手が何を考えているのかがわかりやすくなります。
メンタルの弱さの原因や、今現在の悩みを聞くことができるため、その後のケアにつなげやすいというメリットもあるのです。
メンタルの弱い部下と接するときには、意識して聞き上手な上司を演出し、相手が自分のことを話しやすくなるように誘導してみましょう。
「当たり前」を褒める
「当たり前」を褒める意識も、メンタルが弱い部下と接するときに重要なポイントです。
成果を出したときだけでなく普段から何気ない部分を褒めるようにすることで、メンタルの弱い部下の自尊心を高められます。
ちょっとしたことでもチャンスがあるのなら、積極的に褒めて「自分は君を評価している」ということを伝えるようにしてみましょう。
結果ではなく過程を褒めて、次の行動に向かわせるように意識することがメンタルの弱い部下を動かすコツです。
メンタルの弱さゆえの挫折を防ぐことにもなるので、当たり前の過程を褒めることはおすすめの接し方になります。
「KPT」を使った見直しを提案する
メンタルが弱い部下に対しては、「KPT」というフレームワークを用いて接することもおすすめです。
KPTとは、Keep・Problem・Tryの3つの要素をピックアップして、物事を見直すフレームワークです。
何を継続すべきなのか(Keep)、何が問題となっているのか(Problem)、次は何をするべきなのか(Try)という3つを考えることで、論理的に次の行動を導き出せます。
このKPTを使うことで、部下に対して論理的な指摘が可能となり、相手のメンタルをケアしながら行動の見直しや提案ができるのです。
たとえば部下の仕事が上手くいかなかったときには、いきなり叱るのではなく、
Keep:仕事の中で良い結果になったもの
Problem:失敗の原因となったもの、もっと上手くできるもの
Try:上の2つを考慮して次に取り組むべきもの
といった3つの要素を部下と話し合って、前向きに話を進めることが考えられます。
メンタルの弱い部下を感情的にただ叱るのではなく、KPTを使って論理的な提案をすることを意識してみましょう。
まとめ:部下のメンタルの弱さは上司がカバーできる!
いかがでしたでしょうか?
今回は、メンタルが弱い部下に対して上司がどのような対応をすべきなのかについてご紹介しまします。
メンタルの弱い部下は、上司の力量によってカバーすることができます。
簡単に見放したり突き放したりするのではなく、こちらの記事を参考に上司としてサポートする方法を考えてみてください。