アサーションとは?あなたのアサーションのタイプも知ろう!
人事担当者として知っておきたい「アサーション」について詳しく、わかりやすく解説します。
「そもそもアサーションて何?」
というところから、知っておくべきアサーションのタイプ、どうやって身につけたらよいのか順を追って説明します。
最後まで目を通していただければ人の自己主張のタイプについて理解し、どのようにアサーションのトレーニングを行うか適切に判断できるようになりますよ。
自分に必要なアサーションを身につけ、その他のタイプについても理解を深めることで人と接するという職務上重要なことも今までよりスムーズに行えるようになるはずです。
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目次
アサーションとは?
アサーションとは、ビジネスするうえで必要不可欠なコミュニケーションスキルのことです。
コミュニケーションするという事を掘り下げると「伝える」「聞く」という2つの要素が重要。
アサーションを身につけることで「自分のことだけでなく相手のことも尊重し、相手を傷つけることなくしっかり自己主張も行う」ことができるようになります。
日本人は主張ができない、と言われていますがそれでは社会を生きていくうえでヒューマンスキルが足りているとは言えません。
自分の主張もしっかりしながら、相手も尊重することができれば日本人の美徳と言われる要素と海外の方が優れているといわれる要素を併せ持つことができるのです。
アサーションの語源と意味
もともとはアサーションというのは英語の「assertion」が元になったもので、日本語に訳すと「主張・断言」という意味になります。
ですがコミュニケーションスキルとして求められるアサーションは、もともとは医療用語で「自己主張」することで人間としての尊厳を取り戻し回復を図る上で有効なもの、として精神医学・行動医学の書籍にも1950年以前から登場している言葉です。
アサーション(自己表現)の種類3つ
ここで紹介するのはコミュニケーションスキルとしてのアサーションそのものではなく、自己主張の3つのタイプについてです。
どんなタイプの自己主張の仕方があるのかを知ることで、どのように主張すべきか、またこういうタイプの人はどういう風に付き合っていけばよいかの判断材料にもなります。
自己主張のタイプは以下の3つがあります。
- アグレッシブ(攻撃タイプ)
- ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
- アサーティブ(バランスが取れたタイプ)
アグレッシブ(攻撃タイプ)
アグレッシブタイプの特徴を簡単に理解しましょう。
- 常に優位に立とうとし、勝ち負けで判断する
- 精神年齢が幼い
- 大声で相手の恐怖心をあおったり、相手を傷つけることもズバッと言えてしまう
- 自分の思い通りにする為なら悪意ある行動もいとわない
多くの人が「この人とはお近づきになりなくないな…」と思ってしまう特徴がそろっているのがアグレッシブタイプの特徴ということになります。
ただしこのタイプは味方につけることができれば、心強い存在になってくれる可能性も秘めています。
どのようにすればうまく付き合えるか、相手をしっかり見ることで突破口が見えるのではないでしょうか。
ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
ノン・アサーティブタイプの特徴も簡単に理解しておきましょう。
- 自己主張することに苦手意識がある・控えめ
- ハッキリ断言することが無くぼかした表現を好む
- 言い訳ばかりしている
- おとなしい性格と思われている
海外の方の日本人に対する印象はまさにこれなのではないでしょうか。
日本のアニメにも絶対に1人はいる登場人物の特徴ですね。
よく言えば優しい、悪く言えばはっきりしない、自分で物事を決めることも苦手だったりすることも多いタイプです。
このタイプとビジネスでうまくやっていくには、相手がどうやったら実力を発揮してくれるのか考えてあげることも必要になるかもしれません。
アサーティブ(バランスが取れたタイプ)
最後の1つ、アサーティブタイプの特徴も簡単に理解しておきましょう。
- 周囲からコミュニケーション能力が高いことを指摘されることも多い
- 相手の気持ちを理解することもできるが、自分の気持ちも伝えられる
- 空気が読める
- 表現の仕方も適切
自然と人が集まり、人気も人望もあるタイプがこのタイプに該当します。
人を動かすスキルも当然高いということになるので、リーダーやリーダー補佐のポジションには適任でしょう。
相手から嫌われないように逃げ腰になることもなく、自分の気持ちも嫌みなくアピールできる、理想的な存在ですね。
自分のアサーションのタイプを知る方法
自分がどのタイプのアサーションを身につけているのか、簡単な質問に対する回答から判断することもできます。
この設問は、日本・精神技術研究所の記事に掲載されているもので、正確には同サイトから申し込む「内田クレペリン検査」で知ることもできます。
日本・精神技術研究所
Anaswer1 何も言わずに心の中だけでムッとする。
Anaswer2 不正に対し怒鳴り列から離れさせる。
Anaswer3 不正を冷静に指摘し、列の後ろに並んでくれるように頼む。
この設問はもう予想がついた方がいらっしゃる方もいるかもしれませんが、回答によって以下のアサーションタイプと簡易的に判断できるものです。
不測の事態で自分が理不尽に被害を被った場合の行動、このときの対応は素の性格を判断できるなと日常生活で感じた経験があるかも多いでしょう。
”Anaswer1” ノン・アサーションタイプ
”Anaswer2” アグレッシブタイプ
”Anaswer3” アサーションタイプ
このような結果になっています。
あなたはどのタイプでしたか?
アサーションのトレーニング方法
具体的にアサーションタイプに近づくためのトレーニング方法を紹介します。
これを見ていただくと、アサーションスキルを身につけるには、自分の主張を相手が素直に受けてくれるためにどうやって伝えるべきか、考えるだけでよいのだということがわかるはずです。
これこそがアサーションの神髄。
簡単な4つのトレーニングも繰り返していくことで、あなたのコミュニケーション能力を格段に高めるのに一役以上の働きをしてくれます。
- 「できない」ときは善処策も添えて
- 主張する際の主語を「あなた」から「私」に変える
- 主張するとき積極的に自分の感情や気持ちを表現する
- 「して」ではなく「してください」とお願いする表現を使う
「できない」ときは善処策も添えて
仕事上、どうしても指定の納期に間に合わない、その予算では請けかねるといった状況はあります。
このようなシーンもアサーショントレーニングのチャンスがあります。
まずは「できない」ということを伝えたうえで続けて、「ですがこの方法なら、この期日なら対応できます」と相手の要望を可能にできる代案を提示しましょう。
相手もできない、ということを前向きにとらえつつ、誠意ある対応ととらえやすく、円滑になります。
できない、というときの気まずさも大きく軽減できますよ。
主張する際の主語を「あなた」から「私」に変える
例えば頼んだ仕事が終わらずに困ってしまうシーンを思い浮かべてください。
「どうしてあなたは引き受けた仕事を責任もって進められないのか」
という気持ちになってしまった時、主語を「あなた」ではなく「私」に変えて文章を組み立ててみましょう。
「私はあなたがその仕事をきちんと収めてくれたら嬉しいのだけど。」
このような言われ方をするのであれば、相手も委縮するより、素直に「申し訳なかった」と感じることができるのではないでしょうか。
主張するとき積極的に自分の感情や気持ちを表現する
「あなたがこの仕事を3日以内に終えてくれたらとっても嬉しいのだけど、どうだろう?」
と言われるのと、
「これ3日以内にやっておいてよね」
と言われるのと、どちらの方が前向きに作業に取り組めるでしょうか。
前者の方が積極的に作業に取り掛かれる分、作業自体もスムーズに進みますよね。
「して」ではなく「してください」とお願いする表現を使う
相手に何かしてほしい時の言い方もトレーニングチャンスです。
「○○してくれませんか?」
「これお願いしてもいいですか?」
など仕事を振る、という上から目線の言葉ではなく「頼んでいる」という意識を持つこと。
相手が受け止めやすい言葉をチョイスして発信することで、コミュニケーションも仕事もスムーズになります。
まとめ:アサーションは人間関係だけでなく仕事を円滑に進めるためのツール
アサーションタイプの簡い易的な判定、あなたはどのタイプでしたか?
なかなか完璧なアサーションタイプになることは簡単ではありません。
ですが、アサーションは意識すれば確実にステップアップできるスキルです。
正しいアサーション能力を身につけることができれば、ビジネスだけでなく私生活も円滑になります。
相手のことも自分のことも尊重する、そうすることでより自分も楽になる。
そう思えばアサーションスキルアップも積極的に進めていけるのではないでしょうか。