出戻り社員とは?雇用するメリット・デメリットを解説
優秀な人材を確保したいのになかなか良い候補者が集まらない、欲しい人材には内定を蹴られてしまった、などのお悩みはありませんか。
多額のコストを採用しているのにも関わらずうまくいっていなかったり、自社の魅力をうまく伝えられなかったりと悩みは深くなるばかりです。
そんな企業の人事の方のお悩みを解決する1つの方法として、以前在籍していた社員を再雇用することがあります。
今回は、そんな出戻り社員を雇用するメリットとデメリットをご紹介していきます。
目次
出戻り社員とは?
出戻り社員とは、一旦退職した会社に再度雇用された社員のことを指します。
出戻りと言ってもパターンはいくつかあります。
例えば一旦会社を退職して、他の会社に就職した後に戻ってくる場合と、育児や介護が理由で退職し、転職することもなく戻ってくる場合があります。
他には、定年退職した人が再度会社と雇用契約を結ぶことがあり、会社を一旦離れて再度雇用するという部分では同じですが、この場合は出戻り社員とは言いません。
このように一旦何らかの理由で会社を退職して、再度同じ会社で雇用契約を結んでいる社員のことを出戻り社員と呼んでいます。
なぜ出戻るのか?
一度会社を離れた社員が出戻るに至るまでには、様々な背景があります。
例えば育児や介護などの理由で退職して、その状況が変わった場合もあるでしょうし、前の会社から戻ってきてほしいと懇願されたり、なんとなく転職をしたけれどうまく馴染めなくて戻ったり、転職しても理想の職場ではなかったなどが主な背景です。
明確な意思決定のもと一旦会社を離れて転職したにも関わらず、やっぱり前の会社に戻りたいと思う人は意外と多くいらっしゃいます。
出戻り社員はどのくらいいるのか?
それでは出戻り社員はどの程度いるのかということですが、全体の約7割程度の企業が再雇用しています。
やはり会社側にとっても、人となりが分かっていたり、採用コストをかけずに即戦力を獲得できる点は大きなメリットです。
出戻り社員の場合には研修や教育する必要がなく、すぐに現場で活躍することができます。
再雇用された側としても、企業の理念や事業内容などの理解はありますので、会社とのミスマッチがなく現場に戻ることができます。
雇用される側も受け入れる側にも、お互いメリットがあるため、出戻り社員を受け入れる企業が多いという結果になっています。
出戻り社員を雇用するメリットとは?
改めて出戻り社員を雇用するメリットを確認していきましょう。
- 即戦力になる
- 人間性やスキルのミスマッチがない
- 低コストで素早く採用できる
- 他社の経験を活かせることができる
- 研修を行う必要性がない
即戦力になる
メリットの1つ目は、即戦力となって実力を発揮してくれることです。
なぜなら、会社のルールや理念、業務内容などを既に知っているので、会社が求めているものをスムーズに理解して動くことができるからです。
また周囲にも好影響を及ぼすこともあります。
例えば再雇用された人がすぐに結果を出すことで、既存の社員に刺激を与え、職場が活性化されることもあるでしょう。
再雇用された側もすぐに結果を出せる条件も揃っているため、即戦力として大いに活躍することができます。
人間性やスキルのミスマッチがない
メリットの2つ目は、お互いの人間性や能力面においてミスマッチがないことです。
当然ですが、お互い理解できている分、意志のズレはほぼないでしょう。
反対に新入社員の場合ですと、面接などで何度か顔合わせはしているものの、まだ一緒に働いていない分、本当の部分は理解できていないことが多いですし、新入社員の方から「社風に合わない」と感じたら退職する可能性もあります。
出戻り社員の場合は、以前より目的意識を高く持っていることが多く、以前以上に頑張ることができる社員が多いです。
低コストで素早く採用できる
メリットの3つ目は、採用する際のコストがかからない点です。
また、採用が決まるまでに何度も面接をする必要もないため、採用活動の工数削減にも繋がります。
反対に、転職エージェントなどに依頼すればそれなりに応募者も集まるかもしれませんが、自社にマッチングするかどうかの保証はありません。
既存社員の中から出戻りたい人がいるという情報を得たら、すぐに面接をして条件面などを調整しましょう。
他社の経験を活かせることができる
メリットの4つ目は、転職先での経験を活かし、以前よりもレベルアップをして帰ってきてくれることです。
また、外に出て自社の魅力や改善点を客観視できるのは、既存の社員に対しても良い影響を与えることがあります。
ぜひ他社で培ってきた経験やノウハウを自社で活かしていただきましょう。
研修を行う必要性がない
メリットの5つ目は、もともと自社に在籍していたため、改めて研修などを行う必要がない点です。
新入社員の場合は社会人1年目のため、社会人としての心得から教育していく必要があります。
すぐに即戦力として活躍してくれる出戻り社員は、会社としてもとても助かる存在でしょう。
出戻り社員を雇用するデメリットとは?
また出戻り社員を雇用することで発生するデメリットもあります。
なぜなら、快く出迎える社員ばかりではないからです。
例えば、今までは部署で一番の営業成績だった人は出戻り社員が入ることにより、その立場を奪われるかもしれないというストレスを感じることもあるでしょう。
再雇用することは、マイナスの方向に影響を及ぼすこともあるのです。
- 既存社員の反発がある
- 以前の手法から抜け出せない
- 以前のように結果を残してくれるとは限らない
- 現在の会社に馴染めない
- 他の社員が出戻りができるという認識になる
既存社員の反発がある
デメリットの1つ目は、既存の社員に反発されることです。
人は何か変化が起きる際には、それに逆らおうと反発するものです。
例えば、今まで上司がいなかったポジションに新たに上司として入ってきたら、元々いた社員が嫌がるのは当然でしょう。
出戻り社員への待遇や条件などによっては、既存社員からの反発が起こり、社員全体のモチベーションが下がりかねません。
以前の手法から抜け出せない
今の手法に馴染めずに以前の手法から抜け出せないこともあります。
特に年齢を重ねていればいるほど、組織の変化に対応することは難しいでしょう
即戦力として活かせる反面、新しいルールに順応できない場合がある点はデメリットと言えます。
現在の会社に馴染めない
組織の雰囲気が変わっていることで、、現在の会社に馴染めないこともあります。
例えば、前に在籍していた時は後輩だった人が現在では上司になることもあるでしょう。
退職してから時間が経っていればいるほど、以前とは違う環境になっていることが多く、馴染むのが難しいこともあります。
他の社員が出戻りができるという認識になる
再雇用してくれるという前例を作ることにより、他の社員にも出戻りができるという認識を植え付けることはデメリットの1つでしょう。
会社を退職しても戻ることができるという意識を持たれることは、会社としてもデメリットになり得ます。
例えば事例を作ってしまうことで、安易に退職する人が一時的に増加するという事態を引き起こす可能性も考えられます。
他の社員のモチベーション低下に繋がらないかは注意が必要です。
まとめ:出戻り社員はWinWinの関係ならあり
出戻り社員を再雇用するには、お互いがWinWinの関係性になれるかが大切です。
なぜならば、出戻りの理由として前向きな理由ばかりではないからです。
例えば、転職先の方がノルマがきつく大変だったから、前の会社に戻りたいというような理由であるならば、それはWinWinの関係性ではありません。。
出戻り社員が出戻りたい理由を面接などで明確にし、判断することが重要です。