リーダーシップの6つの種類と3つのスタイルを解説

今回の記事では、リーダーシップの種類・スタイルやリーダーシップを身に着けるために必要なことをまとめました。

「そもそもリーダーシップとは何か?」から知りたい場合には、リーダーシップとは?具体例と3つの鍛え方を解説で解説しています。

6種類のリーダーシップ

リーダーシップとしては、ダニエル・ゴードマンが提唱した6つのリーダーシップが有名です。

ダニエル・ゴールマンは、アメリカの心理化学者で、前述のクルト・レヴィンの後に頭角を現しました。

なかでも1995年に発表されたベストセラー「EQ・こころの知能指数」は、現在でも多くの人に読まれています。

  1. ビジョン型リーダーシップ
  2. コーチ型リーダーシップ
  3. 関係重視型リーダーシップ
  4. 民主型リーダーシップ
  5. ペースセッター型リーダーシップ
  6. 強制型リーダーシップ

①ビジョン型リーダーシップ

ビジョン型リーダシップとは、共通の夢や目標に向かって共に成長しながら取り組む方法です。

ゴールはリーダーが示しますが、その過程はメンバー同士で決め、リーダーは補佐役に徹します。

共通の夢を追うことで、メンバー同士の帰属意識が高まり、個々の自立心を高めることができます。

このスタイルのアプローチが最も有効的なアプローチでもあると言っています。

しかし、リーダーが示すビジョンにメンバーが賛同しない場合には、効果は期待できません。

②コーチ型リーダーシップ

コーチ型リーダーシップとは、メンバーのコーチ的役割を担い、メンバーの個々の目標に対してサポートをしながらチームを成長させる方法です。

このタイプのリーダーシップは、高いモチベーションを持つメンバーに対して非常に効果的です。

短所は、リーダーはメンバー個人と深く話し合うことでプロジェクトを進めていくため、やる気のないメンバーがいる場合には時間の無駄になることがある点です。

十分な経験と洞察力、コミュニケーション能力が求められます。

③関係重視型リーダーシップ

関係重視型リーダシップとは、メンバーと同じ目線に立ち、メンバーとの信頼関係を重視しながら進める方法です。

一旦壊れてしまった人間関係や、組織全体のモラルを高めたい時に効果的です。

短所は、メンバー同士の人間関係を重要視するあまり、目標を後回しにしがちであり、さらにリーダーも人間関係を重要視するあまり消極的になりがちです。

主にビジョン型リーダーシップとの併用が多いです。

④民主型リーダーシップ

民主型リーダシップとは、その名の通りメンバーの民意を吸い上げ、組織内の活動に反映させていく方法です。

メンバーからの提案や意見を広く受け入れることができるため、新しいアイディアが生まれやすいです。

しかし、多彩な意見や細かな提案が集まってしまい結輪を出すのに時間がかかることで、緊急時の判断が難しくなる場合もあります。

⑤ペースセッター型リーダーシップ

ペースセッター型リーダシップとは、リーダー自らが初めに手本を示すことで、メンバーのパフォーマンスの向上を促す方法です。

実力重視の職場で、メンバーの実力がとびぬけているときに効果を発揮します。

また、優秀なメンバーがそろっている場合には、リーダーからスキルを盗んで自分のものにするという、モチベーションが高いグループに最適です。

コーチ型と似ていますが、こちらは直接業務をコーチングするわけではなく、メンバーにお手本を提示し、目標への成功ビジョンを持たせることを狙いとしています。

⑥強制型リーダーシップ

強制型リーダシップとは、リーダーがすべての権限を持ち、メンバーに押し付ける方法です。

大きな権力を持つリーダーがいるメリットは、災害時など危機的な状況に陥った場合、素早い決断を下すことができるため危機を脱することができる点です。

単独判断となるため、メンバーに対する説明などはなく即座に命令に従うことが求められます。

また、全ての指示はリーダーから直接出るので、メンバーの成長や自立心の育成が困難です。

さらに、メンバーのモラルや自尊心、モチベーションが失われ、人間関係が悪くなることがあります。

リーダーシップの3つのスタイル

では次に、クルト・レヴィンが提唱した3つのリーダーシップスタイルについて確認していきます。

クルト・レヴィンはドイツ生まれの心理学者で、アメリカに渡ってからさまざまな大学の研究で評価されました。「社会心理学の父」とも呼ばれています。

以下のリーダーシップスタイルは、アイオワ大学で行った研究を元に3つの種類に分けられました。

  1. 専制型リーダシップ
  2. 民主型リーダシップ
  3. 放任型リーダシップ

1.専制型リーダシップ

専属型リーダーシップとは、リーダーがメンバーに対して、全ての行動を指示するスタイルです。

これは目標設定から詳細まですべてをリーダーが決めることで、メンバーの積極性や能力が低い場合に活用されます。

さらに、絶対に失敗できないプロジェクトにも効果を発揮します。

しかし、メンバー自身で自ら考え行動ができないために、メンバーの成長や自立心を育てることはできません。

管理色が強いため、自立した組織を作りたい場合には向かないリーダシップスタイルです。

2.民主型リーダシップ

民主型リーダーシップとは、メンバー同士が考え意見を出し合い、リーダーはサポート役に回り、メンバー同士の話し合いで物事を決めていくスタイルです。

メンバー個々の積極性や経験を積むことによって、一体感が生まれ成長が期待できます。

しかし、短期間のプロジェクトなどでは、成果を求めるのには向いていないでしょう。

3.放任型リーダシップ

放任型リーダシップとは、リーダーは全く関わらず、メンバーだけで物事を決めていくスタイルです。

そのためメンバーの個性やアイディアが重要視され、経験を積むことで成長にもつながります。

しかし、リーダーが不在のため、意見がなかなかまとまらないことや、モチベーションの低いメンバーだと脱落してしまう恐れがあります。

上手くいけばメンバー全員がリーダーシップを発揮できる組織を作ることができますが、ハイリスク・ハイリターンのリーダーシップスタイルとも言えますね。

リーダーシップを発揮するために必要なこと

リーダーシップを持った行動をしたいと考えたとき、どういったことに気を付ければいいかご存じでしょうか。

自分の行動を見直していくことで、リーダーシップを身に着けていくことも可能となります。

ここではリーダーシップを発揮するために必要なことについてご紹介していきます。

  • ①目標の設定
  • ②主体的に行動する
  • ③コミュニケーション能力
  • ④決断する力

①目標の設定

リーダーシップを発揮するためには組織における目標を明確化させる必要があります。

曖昧な目標だと力の方向が一か所にまとまらないため、はっきりとした目標を打ち立てる必要があります。

まだリーダーの立場にいない人も、自分の仕事に細かく目標を設定し、目標達成のために行動していく力をつけていくと、自分がリーダーの立場に立った際、明確な目標を打ち立てやすくなります。

②主体的に行動する

リーダーシップを持つ人は自己の信念に従った行動を心掛けています。

上からの指示で仕方なく仕事をするという気持ちでいるとモチベーションは上がりません。

組織の目標達成のために自分にできることを最大限やっていくという気持ちでいれば、主体的に関わることができます。

この気持ちを持つことが後のリーダーシップ性に繋がるのです。

③コミュニケーション能力

リーダーシップを持つ人はコミュニケーション能力に秀でています。

例えば部下との意見の摺り合わせができることで、組織内の人間関係を取りまとめることができます。

人と人の調整ができることは大きな強みです。

また、人から頼りにされることが増えれば、それは自信に繋がります。

④決断する力

リーダーに必要な能力は多々ありますが、ここぞという時の決断力は必須です。

組織の将来を左右する選択を前にしたとき、状況判断や様々な意見を聞いたうえでリーダーが決断を下しその責任を負う必要があります。

決断力を身に着けるためには、何事にも責任感を持つことが必要です。

自分の判断で不利な状況になったとしても、それに冷静に対処していく能力を身に着けていくと良いです。

リーダーシップ能力を高めるためには

もともとリーダーシップを持ち、違和感なく組織を先導していける人も世の中にはいます。

しかし、大抵の人は社会生活を営んでいく中でリーダーシップと向き合い、身に着けていきます。

ここでは、リーダーシップ能力を高めるために必要なことについてご紹介いたします。

  • 生活レベルでセルフマネジメントを行う
  • 人との繋がりを大事にする
  • 傾聴力を高め、コミュニケーションスキルを身に着ける

生活レベルでセルフマネジメントを行う

セルフマネジメントとは、日本語訳で自己管理能力と表されます。

仕事に限らず生活の中で目標を立て、それを達成していく、また、目標達成までに出てきた問題を解決していくことで自己管理が徹底されるようになります。

リーダーシップを持つ人は必ずセルフマネジメントを行い、自分の行動を管理しています。

自分の行動を管理し、ある程度コントロールできるようになれば、生活の質、さらに仕事の質アップに繋がります。

人との繋がりを大事にする

リーダーシップを持つ人は、人との繋がりを大事にする傾向があります。組織内で仕事をする場合、単独でできることばかりではありません。

苦手な人と接しなければならない時もあります。

そういった人との関係作り一朝一夕ではできません。

日ごろから人との繋がりを大事にし、自分の能力を上げるチャンスだと思って挑むことが重要です。

傾聴力を高め、コミュニケーションスキルを身に着ける

組織で仕事をすると、リーダーは必ず人と調整を行う機会があります。

そういった場合に、メンバーに対し一方的に指示を告げるだけ、もしくは相談を受けても相手に寄り添えないというような状況を作ってしまうと、周囲から人が離れていってしまいます。

組織で仕事をするうえで人材は必要不可欠なので、人と人との調整がうまくいけば業績アップに繋がります。

そのため、コミュニケーションスキルは必須です。

コミュニケーションとはまず聞くことから始まります。

相手の考えを一度受け止めたうえで指示やアドバイスを出せるようになると、信頼度もぐっと高くなるでしょう。

リーダーシップの種類を踏まえた適切な人員配置へ

リーダーシップには様々な種類があることがわかりました。

全ての要素を併せ持つ人間は一握りしかいないです。

そこで、それぞれの種類別リーダーを理解したうえで、組織に合ったリーダーを配置することが経営側には求められます。

最適な配置を行うことで業務の効率化も狙えるため、是非参考にして下さい。

  • 得意分野を伸ばせる
  • 業務を分配できる

得意分野を伸ばせる

例えばコーチ型のリーダーシップを持つ人がいる場合、優秀な部下が揃うチームへ配置されればより業務が効率化します。

逆に能力がバラバラの人が集められたチームでは、能力のある人とそうでない人をうまく扱えない場合もあるでしょう。

そういった組織では、関係重視型のリーダーシップを持つ人が力を発揮します。

それぞれの人と関係性を作っていけるため、ギスギスした人間関係となりにくくなるはずです。

このように、リーダーの種類を踏まえた人員配置を行えば、組織やチームの得意分野をより伸ばしていくことができます。

業務を分配できる

リーダーの適切な人員配置が行われれば、それぞれのリーダーや組織が得意分野を伸ばせることがわかりました。

つまり、自分の不得手分野のチームを受け持つことがなくなるため、業務が適切に分配できるようになります。

苦手分野で時間を割かず、得意分野の業務に取り組めるため、業務は効率化アップが狙えます。

まとめ:リーダーシップの種類を知り、身に着ける努力が必要

リーダーシップには様々な種類があることがわかりました。

それぞれのリーダーシップに意味があり、これが一番という形はありません。

しかし、組織の効率をより高めていくためには、リーダーの立場以外の人もリーダーシップを持つ、また、最適な人員配置を行うことが重要です。

より一層業績アップを狙うためにもリーダーシップについて知ることは意義のあることではないでしょうか?

この記事を参考に是非リーダーシップについて考えてみて下さい。

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