フォロワーシップとは?5つのフォロワータイプを見極めよう

ジョブウィズ 編集長の小川です。

突然ですが、企業にとって重要なのは何だと思いますか?

現状維持をするにも、今以上の成功を収めるにも、働くメンバーの活躍は欠かせません。

より良い製品やサービスを生み出し、競合他社にリードを付けるためには何が必要なもの。

それが『フォロワーシップ』です。

リーダーシップではなくフォロワーシップこそ、企業を支え大きく成長させる原動力となります。

そこで今回は、フォロワーシップとは何か、どのようなフォロワーのタイプがあってそれぞれどのような対応をするのが良いのかを網羅的に解説していきます。

一人一人のメンバーが気持ちよく働き成長していける企業であるために必要なフォロワーシップの全貌を理解しましょう。

参考記事:リーダーシップとは?7つの要素と3つの鍛え方を解説

フォロワーシップとは何か

フォロワーシップは、カーネギーメロン大学のロバート教授による「組織の成功の8割がかかっている上司を支える部下の力」がフォロワーシップであるという考えによって発祥したものです。

リーダーシップのある上司がうまく引っ張る、それだけでは組織はうまく機能しません。

フォロワーシップのフォロワーとは「支える人」を表す言葉。

有能なリーダーのもと、組織の為に率先して考え、動くことができるメンバーがいてこそ組織が大きく成長していくことができる、というのがこの考えの根源にあります。

ロバート教授は、「フォロワー」には5つのタイプがあるとして、それぞれの特徴も明らかに示しています。

フォロワーが企業にとって必要な理由

企業が存続していく中で問題や難関はいつでも存在しうるもの。

そのような時に力を発揮できるフォロワーが「理想のフォロワー」であり、そうなるためには

  • 問題が起こった時に提案することができる力
  • 自発的に動くことができる能力

以上の2つを軸として高めていくことが重要としています。

この考えを知っていくと、問題が起こったときにリーダーを支える部下にも必要なフォロワーとしての資質は、当然リーダーにも必要ということになります。

ここではさらに深堀し、それぞれのフォロワータイプにあった対策や対応の仕方、どのタイプなのかを見抜くためのポイントも紹介します。

リーダーにもフォロワーシップが必要

リーダーに必要なのはリーダーシップだけではありません。

先に少しだけ触れてしまうと、5つあるフォロワーのタイプのうち、「理想的なフォロワータイプ」とされるものはリーダーとしての資質も兼ね備えた内容です。

リーダーは組織を引っ張っていくだけではなく、円滑なコミュニケーションがとれる場を提供することも大切な任務。

併せて、メンバーの成長を促すために必要であればアドバイスをしたり、相談を受けたり会話をしたり、ということも必要です。

メンバーに愛されるリーダーとはそうした人物が多いことを考えれば、有能なリーダーは優秀なフォロワーでもあるという結論に至ります。

メンバーのフォロワータイプを知らずに企業は成長できない

先ほども軽く触れましたが、フォロワーシップは人によって違う5つのタイプに分かれている、というのがロバート教授の考えです。

5つそれぞれにまったく異なる特徴を持っているので、それぞれのタイプに適した対応をとることで業務を円滑にすすめていくことができ、強い組織へと成長することにつながります。

逆にいうと、適した対応を取らなければ思うような働きをしてくれない、ということになってしまうということ。

タイプごとに日頃の仕事上での付き合い方、成長を促すためのポイントも解説するのでこのまま読み進めてみてください。

フォロワーには5つのタイプがある

ここからは具体的なフォロワーのタイプについて解説していきます。

その前に、前提条件としてロバート教授が考えるフォロワータイプを分けるための要素としている「クリティカルシンキング」と「積極的関与」についても知っておきましょう。

クリティカルシンキングと積極的関与とは

『クリティカル・シンキング(=批判的思考)』とは自分の視点で物事を判断・考えることを指しています。

上からの指示にただ従うのではなく、自分なりの判断基準をもって考えることができる、という事なので主体性をもって仕事を遂行できるかどうかの基準になります。

『積極的関与(=貢献度)』とは企業内、または組織の為になると思える行動を自分から考え行動にうつすことを指しています。

クリティカルシンキングだけでは考えるだけとなってしまいますが、積極的関与も併せもつことができれば自分で考え行動することができる人材です。

フォロワー5タイプの特徴・判断ポイント・成長のコツ

フォロワーの5つのタイプについて詳しくみていきましょう。

模範的と言われるタイプ以外の4つのタイプについては、組織にとっての力となってもらうための成長のコツやどのように対応すべきかも合わせて解説します。

全ての人材を模範的なタイプとすることは不可能ですが、それぞれにあった付き合い方を知っておくことで、現場が円滑になります。

type1:模範的なフォロワー

まずは理想的なフォロワータイプと言われる模範的なタイプから見ていきましょう。

主体性があり、遂行力もある、バランスの取れたタイプ。

自分の意見を言うこともでき、周囲との協調をはかることができる人材です。

順応型との見分けが難しいケースもありますが「言うだけや聴くだけではなく”自分で考えて動くこともできる”」というのが見分けるポイント。

理想的なフォロワーとされているタイプですが、リーダーシップを発揮することもできます。

重要なポジションを任せたり、右腕として活躍してもらうには最適な人材でしょう。

type2:孤立型フォロワー

<よく言うセリフ>
「前は違うこと言ってましたよね?どっちが正しいんですか?」
「私がやるべき作業ですか。」

<特徴>
リーダーの考えが同じ、と感じられれば協働者にもなれる存在ですが、そうでなければ批判的で孤立することも厭いません。

『仕事はできるかもしれないけど、すぐ批判するしちょっと面倒だよね…』なんていわれることが多いタイプです。

「周りは自分のことをきちんと評価できていない」という心理が働いているケースも多いようです。

自分から革新的な行動をとることはありませんが、批判的な発言が多いのが特徴。

責任と役割という部分での意識が強いことも併せて覚えておくと、付き合いやすくなるでしょう。

<成長のためのコツ>
発言力はあるので『提案をすることと合わせて自分で動くこと』までを求めていくと良いようです。

もともと能力はあるので、「評価されている」と感じさせる対応をとることも重要です。

type3:順応型フォロワー

<よく言うセリフ>
「分かりました!」
「やっておきます!」

<特徴>
「素直で真面目な人」と見えるこのタイプ、模範的なタイプと見分けるポイントは「主体性・主導性の有無」です。

言えばやってくれる、指示されたことはしっかりこなしてくれる、でも自分から考えて動いてくれるということがないのがこのタイプ。

心理としては「反論すると評価が下がるから素直に受け入れておくべし」と考えているようです。

素直で従順なので扱いやすいと感じるかもしれませんが、発展性は見込めません。

<成長のためのコツ>
順応型は能力はあるため主体性を伸ばすことができれば模範的フォロワーとして大きく活躍してくれる可能性を秘めています。

そのためには「自分の考え・意見が求められるシーン」を多く作っていくこと。

自分は意見を求められる存在で、意見をしても評価が下がることはないのだ、と安心させてあげることです。

経験を重ねるうちに意見をしても大丈夫、むしろするべきと認識を改めてくれるでしょう。

type4:消極的フォロワー

<よく言うセリフ>
「ちゃんと指示してくれればやります」
「やっていいのかわからなかったので出方を伺ってたんです」

<特徴>
フォロワーですらないともいえるこのタイプは、一件すると主体性がなくおとなしいだけと映るでしょう。

そのため、イエスマンにも映ることがあるようで中堅ポジションに押し上げられてしまうこともありますが、職場に覇気がなくなってしまいます。

本人は「失敗して迷惑かけるくらいなら、自分が動くことはしないほうが良い」という考えに至っているケースが多いようです。

自分から考えて動く、ということが苦手なので職場で動いてもらうためには支持の出し方もコツが必要です。

<成長のためのコツ>
指示を出す時には「やってほしいことを理由も併せてきちんと依頼する」ことが大切です。

8を伝えて10のリターンを期待するのではなく、8伝えたら8のリターン、10伝えれば10のリターンと覚えておくのがおすすめです。

困っていても報告が上がってこないでストップしてしまう、ということもあるので『報告・連絡・相談』を周りから強制的に受けるようにするのも良いようです。

type5:実務型フォロワー

<よく言うセリフ>
「このやり方ではうまくいかないのでは…」
「もっと慎重に進めるべきではないか」

<特徴>
「言われたからやる」「言われたことしかしない」というのがこのタイプの特徴です。

自分にとってリスクとなるような仕事の仕方はしないため、革新的なことはせず、お役所仕事のようなイメージを受けるかもしれません。

自分の意見を言うことはせず、批判的な発言が多い為周囲のメンバーからも浮いてしまうということも。

そのため、例えば新たに魅力的なコンテンツを発信する企画やイベントの企画を起こすという業務には向かない人材とも言えます。

経理や事務担当、プログラマやテスターなど、手続きが重要な部署やルーティンワークが多くなる部署では適材となるでしょう。

<成長のためのコツ>
言われたことしかしない、それならば成長のために少しずつステップアップしてもらうというのが良いでしょう。

少しずつ難易度を揚げ、完遂してくれたところでしっかり評価するということを繰り返していくことで成長してくれます。

まとめ:フォロワーシップは企業の成長に欠かせないがタイプ別の対応が重要

フォロワーシップこそが企業を成長させるのに欠かせないもの、ということはわかっていただけたでしょうか。

強い組織として運営していくためにはリーダーシップと合わせてフォロワーシップのあるメンバー達の協力は欠かせません。

またフォロワーシップと一言にいっても、5つあるフォロワータイプによって、それぞれの仕事に対する向き合い方も異なることも解説しました。

それぞれのタイプに合わせた付き合い方があることも合わせて認識しておくことで、より個人が力を発揮しやすい環境となっていきます。

これらのポイントを踏まえ、社員の方がたがより働きやすい地盤となり、強い企業へと成長していきましょう。

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