内製化の意味とは?内製化を図るメリット・デメリットを解説

多くの外部企業との連携が当たり前となっている今だからこそ、「内製化」による事業の見直しに注目が集まっています。
アウトソーシングへの依頼には多くのメリットがある一方で、事業の将来性に関わる部分に歪みが発生する可能性もあるでしょう。
外注に任せっきりの事業形態を良しとし続けると、今後多くの問題が社内に見つかってくるかもしれません。
そこでこちらでは、企業の内製化にスポットを当てて、基本的な意味やメリット・デメリットについて確認していきます。
アウトソーシングをメインとした事業に限界を感じているのなら、この機会に内製化という逆のベクトルについて考えてみましょう。
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目次
内製化の意味とは?
そもそも内製化の意味を知らなければ、そのために必要な準備を進めていくことができません。
まずは基本となる意味をチェックして、社内で共有できるようにしましょう。
- 会社の外部に委託していた作業を自社で行うこと
- アウトソーシングを見直すきっかけに
会社の外部に委託していた作業を自社で行うこと
内製化とは、会社の外部に委託する作業を自社で行うよう変更することを意味します。
自社で行える作業まで外部の力を借りている場合、その分のコストが無駄になることも考えられるでしょう。
そういった「今は必要ない」部分を見直すことが、内製化の持つ具体的な意味になります。
アウトソーシングを見直すきっかけに
内製化はアウトソーシングを見直すきっかけとしても利用されます。
現代は簡単に外部にアウトソーシングを行える時代となっているので、必要以上に外注している企業も多いです。
アウトソーシングにかけているコストを内製化のために使うことで、より良い結果を出せるのではないか。
そのように現状を見直せる点が、内製化のポイントになります。
内製化を図るメリットとは?
内製化を図ることで、事業内に多くのメリットを与えることができます。
特に以下のような点は、内製化がもたらす魅力的なメリットになるでしょう。
- コスト削減につながる
- 現場との意思疎通がやりやすくなる
- 社内の技術向上に期待できる
コスト削減につながる
アウトソーシングしていた部分を内製化すれば、その分、外部に支払っていたコストが削減できます。
継続している外注を見直せれば、ランニングコストの効率化にもなるため、大きなメリットになるでしょう。
専門性の高い分野を内製化できれば、多くの費用を別のところに回すことも可能です。
長期的に見るほどに、内製化は社内のコスト削減につながります。
現場との意思疎通がやりやすくなる
内製化で作業を自社内で行うようにすれば、実際に働いている現場との意思疎通がやりやすくなります。
依頼する側と働く側の距離が近くなるので、タイムラグを最小限に抑えたコミュニケーションが可能になるからです。
良好なコミュニケーションが取れれば、急な変更や追加にも対応しやすくなり、業務の効率化がアップします。
内製化を進めていけば、より事業における快適な環境が意思疎通をサポートするでしょう。
社内の技術向上に期待できる
内製化を当たり前のこととすれば、社内の技術力向上にもつなげられます。
日頃から業務を社内で進めて経験を積んでいけば、自然とその分野に関する技術レベルはアップするでしょう。
将来的にはさらに高まった技術を応用して、新しい事業に着手することができるかもしれません。
特に技術力を欲する作業に関しては、なるべく早めに内製化して社内における平均的な能力を高めていくことにメリットがあります。
内製化のデメリットについて
内製化は多くのメリットを有する一方で、いくつかのデメリットもあります。
デメリットを理解することで対策が取りやすくなるため、合わせて以下の内容をチェックしましょう。
- 研修や採用が必要
- 事前の準備が求められる
- 初動は多くの問題が発生する可能性も
研修や採用が必要
一から内製化を進める場合、既存の社員に研修を行ったり、新たに人員を採用したりする必要があります。
経験のない状態で内製化を進めても、効率的な業務は難しくなるからです。
満足のいく作業水準を達成するためにも、内製化の本格的な研修や専門家の採用は検討されます。
その分の時間やコストがかかる点は、内製化におけるデメリットになるでしょう。
事前の準備が求められる
内製化を始めるに至っては、事前にある程度の準備が必要となります。
いきなり内製化を始めても、多くの従業員がその変化についてこれないでしょう。
チームづくりや内製化に関する情報共有、変更するための具体的なスケジュール調整などが準備になります。
きちんとした準備が内製化を成功に近づけるので、時間や手間が発生する点はデメリットです。
初動は多くの問題が発生する可能性も
内製化し始めた初動ほど、多くの問題が発生しやすいです。
従業員が内製化に慣れていないことや、自社にとって最適な環境が把握できていないことが理由になります。
内製化に当たって必要な手順が理解できていない、社内での連携が上手くいかないといったケースが考えられるでしょう。
ある程度のトラブルを見込まなければならない点は、内製化のひとつのデメリットになります。
内製化を進める際の課題・注意点
内製化を進める際には、課題となるポイントや注意点が見られます。
例えば以下のような点を事前に把握して、スムーズな内製化を進められるようにしましょう。
- 内製化する部分を明確に決める
- コストとの折り合いをつける
- 必要に応じて外部のアウトソーシングも活用する
内製化する部分を明確に決める
どの部分を内製化するべきなのかを明確に決めることが、基本的な注意点となります。
内製化すべき点を誤ると、これまでのような事業成果を挙げられなくなる可能性もあるでしょう。
いっきにすべてを内製化するのではなく、少しずつ分野と期間をずらして進めていくのがコツです。
強引な内製化にならないように、変えるべき部分を明確にするように注意してください。
コストとの折り合いをつける
業務におけるコストとの折り合いをつけることも、内製化を進める際の課題になります。
内製化をすることでコスト削減が行えますが、その分の負担は社内の従業員にお願いすることになるでしょう。
コスト削減を重視しすぎて現場の従業員に無理難題を押し付けることのないように、バランスを取ることが大切です。
内製化で従業員の仕事が増えたなら、別途手当てを支給するなどの対応を行い、他の面でコストをかけていくことも考えられます。
コストを減らすことばかりに注目するのではなく、実際の現場との折り合いをつけることも内製化の課題になるでしょう。
必要に応じて外部のアウトソーシングも活用する
内製化を進めた結果、やっぱりアウトソーシングの方が良い結果が出ると思える場合には、必要に応じて再度活用することも重要です。
内製化にこだわりすぎると、作業効率を落とすことにもなりかねません。
一部は内製化のまま進めて、別の部分はアウトソーシングに頼るといった臨機応変な対応も重要になります。
特に現場の声を参考にして、改めてアウトソーシングを活用するパターンも考えてみましょう。
内製化を成功した会社の事例
現在は新たなビジネスへの挑戦として、多くの企業が内製化に取り組んでいます。
内製化に成功した2つの事例から、その中身を確認してみましょう。
- DeNA
- ZOZOTOWN
DeNA
IT事業でさまざまな成果を上げているDeNAは、ゲームやアプリのセキュリティ業務をほぼ全て内製化しています。
セキュリティチェックはすべて、リリース前に社内のメンバーによって行われているようです。
その結果DeNAは内製開発したセキュリティツールをオープンソースで公開し、他の企業にその高い技術力をアピールすることができています。
内製化によって自社の技術力が高まった良い事例として、今後も参考にされるでしょう。
参考:DeNAが内製開発したセキュリティツールをオープンソース化。その真の狙いとは?
ZOZOTOWN
ファッション通販として脚光を浴びたZOZOTOWNも、内製化に取り組んでいる企業のひとつです。
常に将来を見据えて、自社の業務に合わせてシステムを内製で開発していくという企業理念を持っています。
その結果会社が成長するに従って必要となるサービスやシステムについても、自社でサポートしていけるのです。
システム開発や新規技術の導入を担当する会社を作り上げたことからも、内製化に対して本格的な対応を取っている会社として注目できます。
まとめ:内製化で企業のスタイルを変えることも検討される!
これまで外部にアウトソーシングを依頼してきた会社は、今こそ内製化に取り組むべきかもしれません。
企業のスタイルを大きく変えるきっかけになるので、内製化が将来の方向性を決めることもあります。
そのメリットやデメリットをきちんと把握して、内製化の導入を本格的に検討してみてください。