もし部下が喋らなくなったら?できる上司の対処方法を解説

もし部下が喋らなくなったら、それは部下が問題を抱えているサインです。

ただしメンタルに問題があるケースや仕事に不満を持つケースなど、部下が喋らなくなった原因は1つではありません。無理にコミュニケーションを取ろうとしても逆効果の場合もあります。

そこで今回は、部下が喋らなくなった原因とそれに応じた対処方法について解説していきたいと思います。

部下が喋らなくなった原因5選

早速ですが、部下が喋らなくなる原因を5つご紹介します。

当然ですが、喋らなくなった部下をそのまま放置してはいけません。もし部下が問題を抱えているなら、それが大きくなる前に対処するのがリーダーの仕事でしょう。

しかし、部下からのアクションを待っているだけでは問題が解決しません。原因を検討し、それに合わせた適切なアプローチが必要になります。

  • 自信を失っている
  • メンタルに問題を抱えている
  • 上司を信頼できない
  • 今の仕事がつまらない
  • 退職を考えている

自信を失っている

部下が喋らなくなった原因としてよく聞く理由が部下の自信喪失です。こうなる部下の特徴は自分の意見を聞いてもらえず、何か言うたびに一方的に否定された経験があることで、上司の顔色をうかがいすぎる事にあります。

特に会社に入ってからずっと厳しい上司に何度もダメ出しされたような方に見られる傾向です。そのような部下が喋らなくなったのは、あなたのせいではないかもしれません。しかし、適切に対処すればチームの戦力として活躍してくれる可能性のある方です。上司として良い方向に導かなければなりません。

メンタルに問題を抱えている

喋らなくなった原因で最も注意が必要なのがメンタルに問題を抱えているケースです。喋らなくなったと気が付いたら、その部下の行動を思い返してください。もし急に勤務状況が乱れていたり挨拶や服装の乱れ、仕事の効率の低下などがあるならそれはメンタルに問題あるかもしれません。

メンタルに問題を抱えている部下に対しては慎重に対処しなければなりません。もし社内に相談できる方がいれば、その助言に従って対処しましょう。

上司を信頼できない

上司であるあなたの行動を部下はよく見ています。自分の取った行動がいつもと同じだったしても部下にとっては大きな出来事というのはよくあります。部下が喋らなくなった原因は、上司であるあなたを信頼できなくなったからかもしれません。

信頼を無くしたままでは仕事で必要なコミュニケーションにも大きく影響し、チームとしての業績が悪化する可能性もあります。もし部下の不満が誤解に基づくだけなら、上司からアプローチしてその誤解を解く努力が必要です。

今の仕事がつまらない

部下が喋らなくなった原因は今の仕事がつまらなくなったからかもしれません。仕事がつまらなくなるきっかけは人それぞれです。しかし上司としてそのままにしてはいけません。チームの成果に影響が出るばかりか、これを契機に退職を考える可能性もあります。

もちろん仕事にはやりがいを感じられる楽しい面もたくさんありますが、辛く嫌なことも少なくありません。あるきっかけで不満が高まりモチベーションを維持できなくなることもあるでしょう。

上司であるあなたならその経験から適切な助言ができるかもしれません。部下が仕事をつまらないと感じているようなら、任せている仕事について相談する良い機会です。

ただしいきなり呼び出しても、部下が本音を話してくれるとは限りません。かえって悪化することもあります。今の仕事をつまらないと感じている部下に上司からアプローチするのは、実はリスクが高いことを理解してください。

退職を考えている

部下が退職を考えているケースも喋らなくなった原因の1つです。なお、部下が退職を考える理由は今の職場になんらかの不満を感じていることが原因でしょう。そして、その不満は上司に対する不満だけとは限りません。

しかし上司としては部下に退職されることは大きな痛手です。チームの業績への大きさも重要ですが、他のメンバーも退職すると言い出すかもしれません。

そのため上司としては、退職を切り出される前に今の仕事で前向きに働ける可能性を検討してもらえるよう、部下と話し合う必要があります。なおこの場合、先ほどと同じように上司からアプローチするにはリスクが高いので、別の同期の友人から話をして貰うなど様々な配慮が必要です。

喋らなくなった部下が考えている事

先ほど紹介したように部下が喋らなくなった原因は幾つも考えられます。しかし、勝手に判断して指示したのでは逆効果です。また部下を呼んで話を聞くだけでは、かえって状況が悪化するかもしれません。

部下が考えている事に合わせて適切に対処するのが上司の役割です。次から喋らなくなった部下が考えている事とそれに合わせたアプローチのやり方について紹介します。

  • 自分が悪いと考えている
  • 自分はもっとやれると考えている
  • 働く環境を変えたいと考えている

自分が悪いと考えている

仕事に対する自信を喪失したことで喋らなくなった部下は、全て自分が悪いと考える傾向があります。これでは言われたことしかやらず、成績は上がりません。さらにメンタルに問題を抱える原因にもなります。そして自分で考えた提案をチームの仲間や上司とブラッシュアップし業績アップに貢献できる社員に導くのが上司の務めです。

このような部下には自信を持って発言してもらうよう仕向けることが大事です。誰にでも優れた点があるはずです。もちろん、自信を失っている方も例外ではありません。そのような優れた点を上司として褒めているでしょうか。まずは上司として部下に信頼して貰いその上で、いろいろと話し合ってみてください。

自分はもっとやれると考えている

仕事のできる部下が喋らなくなった場合、自分はもっとやれるのに自分は正しく評価されていないと考えているかもしれません。上司としてできる部下が満足するような対処を日ごろからやっているでしょうか。

上司の役割は仕事の業績を最大にするためにいろいろと対策することです。もし部下のパフォーマンスが低ければ、それを引き上げなければなりません。またできる部下がいれば、その能力を引き出してあげて、業績に貢献してもらうことも重要な仕事です。

もしこのような上司と部下の関係を築けていない場合は、評価方法についてチーム全員と話合い、納得してもらうよう努力して解決しましょう。

働く環境を変えたいと考えている

喋らなくなった部下は今の仕事に不満は無いものの、働く環境を変えたいと思い転職を考えているかもしれません。優秀な部下が退職してしまえば、チームのとっても会社にとっても大きな損失です。上司としては考え直してもらわなければなりません。

この場合は転職を考えている部下といっしょに、会社に残って働く環境を変える方法を検討してみましょう。ただし上司として一方的に、会社に残るよう部下に命令することはできません。お互いにとって良い結果になる方法を模索してください。

喋らなくなった部下への対処法

部下の喋らなくなった原因がメンタルの問題や上司に対する信頼不足だった場合、対処を間違えると悪化することがあります。上司としては、十分に準備して対処しなければなりません。このトピックでは喋らなくなった部下への対処法について紹介します。

  • 部下を褒めてみる
  • 他のチームのメンバーに相談してみる
  • 部下と話してみる

部下を褒めてみる

「好き」の反対は「嫌い」ではありません。「嫌い」は「好き」の裏返しでその人への関心が高い気持ちの表れです。ちなみに「好き」の反対は「無視」です。上司としては、部下に自分が無視されていると思われてはいけません。

喋らなくなった部下は自分が無視されている感じ、それが行動に表れているかもしれません。放置しているとメンタルに問題を抱えることもあるので、ぜひ上司から関係改善をアプローチしてみましょう。

そしてその最も効果的な方法が部下が褒めて貰いたいポイントを理解し、部下を褒めることです。自分を無視していると思っていた部下がしっかりと見てくれていると思えれば信頼回復に効果的です。

他のチームのメンバーに相談してみる

自分の本音を決して言わない部下から本音を引き出すのはとても難しいことです。つまり、何も準備せずに喋らなくなった部下と話をしたところで、部下の本音を引き出せない可能性もあります。まずは間に入ってくれる人を探しその人を介して信頼回復の努力をやってみましょう。

もしチーム内に話しやすい部下がいたら、その人と喋らなくなった部下について相談してみてください。意外な側面が聞けるかもしれません。またチームメンバーとの会話から喋らなくなった部下の不満が解る可能性もあります。そのように準備した上で、喋らなくなった部下と話してみましょう。

部下と話してみる

これまで説明したように部下を褒めるといった上司からアプローチし、チームメンバーを介して関係修復をやってとしても最終的には喋らなくなった部下との話し合いが必要です。

ただしこれまで解説したように部下から本音を引き出すには話やすい雰囲気を作ったり、チームメンバーと協力して喋らなくなった部下が抱えている問題を調べてそれに対処できる話をしなければなりません。その上で喋らなくなった部下の不満を聞き出し、それを解決してあげてください。

部下が喋らなくなる前に前兆を理解して対処しよう!

マネージャーの役割はチームの成果を最大にするために管理することです。部下が喋らなくなったとしても成果さえ出してもらえば問題ないと考えてはいけません。仕事を長期で休んだり転職してしまえば仕事に大きな穴が開いてしまいます。そうなる前になんとかしなければなりません。

次から部下が喋らなくなる前にチェックしておきたい前兆について紹介します。

  • 業務上で部下のやる気が見えなくなってきた
  • 部下が以前より笑わなくなった
  • 意見を述べることが少なくなった

業務上で部下のやる気が見えなくなってきた

上司として部下の仕事をどれくらいの頻度で評価しているでしょうか。もし過去の実績から仕事を任せっぱなしにしているような方がいれば時々その仕事を褒めてあげてください。それで部下のやる気がアップしチームにもいい影響を与えます。

もし褒めることが見つからないのなら上司として部下の業績を見ておらず手を抜いている証拠です。この機会にぜひ部下がどれだけやっているかチェックしてみてください。

部下が以前より笑わなくなった

部下が以前より笑わなくなったのは何か困ったことを抱えているのが原因です。しかし、笑わなくなったと気が付いて話を聞こうとしても正直に話してくれるとは限りません。話してくれるかどうかはあなたの信頼度によります。

>>>部下が以前より笑わなくなった兆候を感じる場合にはこちらの記事を参照ください。原因とその対処法をご紹介しております。

意見を述べることが少なくなった

上司としてチームの仕事を全てわかっているとは限りません。詳細を知らないで指示してしまうこともよくあります。そして部下はあなたの知らないことを知っていて、その指示にがっかりしているかもしれません。

上司として部下の話に真剣に向き合っていると言えるでしょうか。優れた上司は自分がどんなに忙しい時でも部下からの相談には真剣に向き合うものです。そしてそれがマネジメントの基本です。部下からの意見や相談に真摯に向き合い、部下の信頼を失うことのないようにしましょう。

まとめ:悩んでいる部下が話しやすい環境をつくろう!

もし部下が話さなくなったらそれを放置してはいけません。しかし、いきなり会議室に呼び出して問い詰めたり飲みに連れ出すのは逆効果です。相手に合わせて適切に対処してください。

上司であるあなたはチームメンバーが話しやすい雰囲気を作りに努力しているでしょうか。また、チームメンバーの活躍を認めてそれを褒めているでしょうか。

悩んでいる部下が話しやすい環境があれば、その部下が話さなくなる前に相談してくれるので、問題が大きくなる前に事前に対処できます。また部下の信頼を無くすことにもなりません。部下と良い関係を築き、話さなくなった部下などいない仕事のできるチームを作りましょう。

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