リーダーとマネージャーの違い【近年は薄れつつあるが役割は違う】
あなたは「リーダー」と「マネージャー」という2つの言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?
もちろん2つの役割はそれぞれ違いますが、なかには区別がつかないという人もいるでしょう。
最近ではリーダーとマネージャーを混合してしまうことで、組織にマイナスな効果をきたしてしまっている企業も数多く見られます。
そこで今回はリーダーとマネージャーの役割の違いを説明し、それぞれに適している人物像や性格からの見分け方なども紹介します。
また、最近のリーダーとマネージャーの現状もお伝えしていこうと思います。
参考記事:リーダーの資質は3つある!適した人材を抜擢し教育する方法
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リーダーとマネージャーの違い
リーダーとマネージャー、役割は似ているようですが、実際には考え方や目を向けることが違く、誰にでもできることではありません。
ここでは、双方の違いについて説明していきます。
- 歴史的の偉人たちは全てがリーダー
- リーダーはカリスマ性、マネージャーは管理性
- マネージャーは誰にでもできるけど、リーダーは選ばれた人しかできない
歴史的な偉人たちは全てがリーダー
世界の歴史を変えてきた偉人の全ては、リーダーになります。
坂本龍馬・ナポレオン・ガンジーなどの教科書に載っているような偉人は、リーダーに最も必要なスキルである統率力を駆使し、多くの人々を先導してきました。
リーダーに最も重要なことは、統率力や圧倒的なリーダーシップであり、周り全体をすべてを味方につけるような影響力の持ち主が適しています。
彼らは、そのカリスマ性を元に世界を変えてきました。
リーダーとはこういう要素を持っている人のことをいいます。
リーダーはカリスマ性、マネージャーは管理性
先ほども言いましたが、リーダーには周りに影響を与えるようなカリスマ性が必要不可欠ですが、それに対してマネージャーには人を管理する能力が必要です。
マネージャーは、リーダーほどの統率力を持っていないことが多く、メンバーを適材適所に配置する管理能力が求められます。
マネージャーは誰にでもできるが、リーダーは選ばれた人しかできない
会社や現場で長く働いていると、必然的にマネージャーをしてくれと言われることがありますが、リーダーをやってくれと言われるのは、ごく一部の人たちだけです。
リーダーにはメンバー全員がついてくるような権威性やカリスマ性が必要になるため、人によってその影響力は違います。
マネージャーに必要な技術は長く現場を見ていれば自然と身に付けることができるため、リーダーはできないけれどマネージャーならできる、という人が大勢います。
リーダーに求められる役割とは?
リーダーに求められる能力や役割について説明します。
リーダーには多くの役割を求められると思いますが、ここではその中でもリーダーとして影響力の大きいものを紹介していきます。
- メンバーを統率する力が求められる
- 人をひきつけ周りから尊敬される
- さまざまな経験や状況変化への対応力が求められる
メンバーを統率する力が求められる
もちろんリーダーですから、メンバーを統率し目標に向かって共に前進していく姿勢が求められます。
周りからの影響力と、目標を達成するために必要な要素をすべて把握し、一丸となって団結していく事が重要です。
人をひきつけ周りから尊敬される
いくら仕事ができるからといっても、周りから尊敬されていなく、信頼がない人はリーダーにはなれないでしょう。
仮になったとしても、メンバーが付いてこず、チーム全体がバラバラの状態では、目標を達成することは不可能に近いですし、何のためのリーダーなのか分かりません。
リーダーは、周りからの信頼されてはじめて機能するのです。
さまざまな経験や状況変化への対応力が求められる
プロジェクトによっては、何回も困難な難題にぶつかることもあるでしょう。
その時リーダーは、さまざまな改善策を考え、壁にぶつかるたびに乗り越えていかなくてはいけません。
もちろんリーダー一人の力ではどうにもならないので、チーム全体の力を一つにり、改善していくのが一番の近道です。
その時にリーダーが落ち込んでいるそぶりを見せたり、後ろ向きな姿勢を見せたりしたのでは、チームの士気がさがりかねません。
その時にもリーダーはチームの模範となることが重要です。
マネージャーに求められる能力とは?
マネージャーとは、チームをマネジメントする、すなわちコントロールするという意味を持っています。
リーダーは率先して目標に導くのに対し、マネージャーはメンバーに適切な指示を与え、チームの1人1人が協力して物事を達成することの全力を尽くします。
- 目標を設定する
- 組織全体で適材適所に人を配置する
- 結果を評価する
目標を設定する
マネージャーの大きな役割の一つに、目標を設定することがあげられます。
まずは目標を設定し、さらにメンバー個人個人の目標も設定することが多いです。
マネージャーはチーム全体の監督であり、個人の能力や長所や短所までを把握することが求められます。
組織全体で適材適所に人を配置する
マネージャーの仕事は主にメンバーの人員配置です。
そのため、チーム全体のメンバーを見極められなければいけません。
目標に対し、誰をそのポジションにすれば最も効率がいいか、やりたいことをやらせるのがやる気がアップし成果にもつながるなど、人材の見極めが極めて重要となります。
結果を評価する
1つのプロジェクトが終わった時には、各メンバーに対して1人1人評価しましょう。
もちろん結果の評価も大切ですが、その過程やいままでにできなかったこと、初めて取り組んだことなどを明確にし、個人に対してフィードバックするのがおすすめです。
個人に目を向けることによって、各個人の成長度合いや、苦手なこと、得意なことなどが明白にわかるので、必ずやっておきましょう。
あなたはリーダータイプ、それともマネージャータイプ?
リーダータイプかマネージャータイプかの見極め方は簡単で、「あなたは仕事中に意識していることは何ですか?」という質問に回答するだけで、あなたのタイプが即座に分かります。
優秀な人は大勢いますが、適材適所が最も重要で、場合によっては宝の持ち腐れになってしまいます。
そうならないようにリーダータイプかマネージャータイプかの見極めの仕方をお伝えします。
- マネージャータイプの人は、部下や周りの人を意識する
- リーダータイプの人は、組織の未来や目標を意識する
- もちろんどちらにも当てはまらない人もいる
マネージャータイプの人は、部下や周りの人を意識する
マネージャータイプの人は、上司や同僚といった周りの人に意識が向いています。
周りを意識するという事は、常に仕事内容や成果を確認していて、誰よりも同僚について知っているという事です。
こういう人はマネージャータイプで、各個人のスキルや長所、短所にも詳しいため、必然的にマネージャーに向いていると言えます。
リーダータイプの人は、組織や未来の目標を意識する
リーダータイプの人は、常に組織の未来や目標のことを考えています。
新入社員の頃からも、「ここはこうしたほうが良い」など上司に改善案を出している人が多いです。
現状維持にとどまらず、会社や自分の未来を常に意識し、改善や改革に目を向けています。
もちろんどちらにも当てはまらない人もいる
もちろん、両方に当てはまらない人もいるでしょう。
まだ新入社員で自分のことで精いっぱいだったり、他のところに目を向けている人もいます。
新入社員の場合は、仕事に慣れてくると自然とどちらかのタイプに分かれ、いずれにも当てはまらない人は、他の分野で才能があったり、みんなで考えてもいい意見が出なかったときに、ポロッと誰にも思いつかない改善策を考えたりもします。
こういった人が各部署にいるといないでは、大きく違いますよね。
では最後に、リーダーとマネージャーを取り巻く現状について見ていきましょう。
年々、リーダーとマネージャーの区別は薄れていっている
少子高齢化で人材不足という課題にぶつかる現代は、リーダーとマネージャーを兼任してもらうことが増えてきています。
- 会社によっては「管理職」のくくりにされてしまうこともある
- AI技術の発展に伴いマネージャーの仕事は失われつつある
会社によっては「管理職」のくくりにされてしまうこともある
会社によっては、管理職や〇〇長のくくりでしかなく、リーダーとマネージャーの区別がないところもあります。
いわゆる、プレイングマネージャーと呼ばれる存在ですね。
ここまで説明したようにリーダーとマネージャーの役割は大きく異なるため、本当に両立できている優秀な人材はごく稀です。
実際は、通常以上の負担に耐えられず、マネージャーがどんどん辞めていってしまう、マネージャーにしたはいいが結局降格になってしまう人が多い、などといった悩みを抱えている企業が数多くいらっしゃいます。
AI技術の発展に伴いマネージャーの仕事は失われつつある
近年AI技術の発展に伴って、マネージャーの仕事は全てコンピューターでできるようなってきています。
例えば、目標を設定してそれに対するゴールまでの最短方法だったり、適切な人員の配置、スケジュール管理など、ほとんどすべての項目で管理できるようになっており、将来的にはマネージャーの仕事は必要なくなります。
リーダーはAIにはできない、不測の事態やイレギュラー対応が主であるのに対し、マネージャーの仕事は管理が主なので、データを入力すれば簡単にできてしまうわけです。
リーダーとマネージャーの違い まとめ
以上、リーダーとマネージャーの違いを主に解説してきました。
リーダーはカリスマ性や統率力が必要なのに対し、マネージャーはチーム全体の管理能力が求められます。
適材適所に人材を配置し、効率よく仕事をしてきたいものですね。