リーダーの資質は3つある!適した人材を抜擢し教育する方法

リーダーを誰にするか?任せたとして、リーダーの資質はあるのか?
上記は、企業の組織運営において誰もが悩むポイントなのではないでしょうか?
リーダーの選択次第で、今後の組織の成長率は大きく変わります。
適切なリーダーを選択するためには、リーダーに求められる資質、リーダーに対してチームメンバーから要求されるセンスやスキルを、チーム構成前にしっかりと担当者が把握しておく必要があります。
そこで本記事では、企業でリーダーを決定する立場にある人に向けて「リーダーに求められる資質は何か?」について解説していきたいと思います。
目次
リーダーに求められる3つの資質
リーダーに求められる資質には様々な意見があり、一概に明示できるものではありません。
しかし、一般的にリーダーはチームを引っ張っていく役目を担い、チームをまとめることで目的を達成することが役割となります。
本記事では、最低限これだけは押さえておきたいリーダーとして必要な3つの資質をご紹介していきます。
- リーダーとしての資質①:自分の意思を明確に表明できる
- リーダーとしての資質②:他人に対して寛容である
- リーダーとしての資質③:メンバーからの信頼を得られる
リーダーとしての資質①:自分の意思を明確に表明できる
リーダーとして活躍するためには「自分の意思を明確に表明できる」ことは必須となります。
理由としては、リーダーはチームにおいて意思決定をする立場にあり、リーダーが自分の意思を明確に表明できないと、チームとしてどこを目指すべきなのかメンバーに困惑が広がってしまうためです。
例えば、チームメンバーが相談にきた際にリーダーが意思決定をすることができず、優柔不断な回答ばかりしていると、メンバーは誰を信頼して良いのかわからなくなってしまいますよね。
リーダーは責任を持ってチームとしての意見をまとめ引っ張っていくために、「自分の意思を明確に表明できる」資質が求められます。
リーダーとしての資質②:他人に対して寛容である
リーダーは自分の意見ばかりを押し通すのではなく「他人に対して寛容である」ことも重要な要素となります。
チームメンバーの意見に耳を傾けず、自分の意見ばかりを押し通すのではチームとしての機能を十分に発揮できません。
リーダーはチームメンバーの一員であることが前提であり、決して独裁的な立場として役割を与えられている訳ではありません。
リーダーが自分の意見を持つことは必要ですが、あくまでチームメンバーの意見をまとめ、最終的に責任を持って意思決定を行うことこそがリーダーとしての役割となります。
リーダーとしての資質③:メンバーからの信頼を得られる
メンバーからの信頼を得られることもリーダーとして必要な資質の1つです。
チームメンバーからの信頼を得られていないリーダーのプロジェクトは基本的にコミュニケーションが疎かになっていたり、業務上の連携がうまくいっていない場合が多いです。
部下やメンバーがリーダーのことを信頼できていないが故に、自分勝手な行動を起こしたり、報告や連絡が疎かになったりといった負の循環が生まれ、結果として、プロジェクトの失敗に繋がります。
リーダーとしては、部下やメンバーとのコミュニケーションを密に取り、問題をいち早く相談される存在、頼るべきと認識される存在であることが重要になってきます。
リーダーの資質を見極める際に押させておくべきポイント
リーダーの資質を見極める際には、以下の3つのポイントを押させておきましょう。
- リーダーには3つの仕事がある
- リーダーに必要な資質とマネージャーに必要な資質は異なる
- リーダーとして認められる条件
1.リーダーは3つの仕事をこなす必要がある
リーダーには、最低限下記の3つの仕事をこなしてもらう必要があります。
- チームを引っ張り、まとめる
- 業務を管理する
- メンバーを育成する
詳しくは、リーダーの3つの仕事とは?求められる役割を解説で解説しています。
2.リーダーに必要な資質とマネージャーに必要な資質は異なる
また、リーダーとマネージャーでは役割も必要な資質・スキルも異なる点は頭に入れておいた方が良いでしょう。
詳しくは、リーダーとマネージャーの違い【近年は薄れつつあるが役割は違う】で解説しています。
3.リーダーとして認められる条件
いくら経営側がリーダーに抜擢をしても、現場から不満の出る人選をしてしまうと上手くいきません。
そこで、リーダーとして認められる条件について確認しておきましょう。
詳しくは、リーダーとして認められるための条件とは?全員を納得させるための備えをしよう!で解説しています。
リーダーには資質だけでなくスキルも重要
リーダーとしてふさわしい人材には、資質だけでなく一定以上のスキルも必要となってきます。
いくら資質があっても現時点のスキルが未熟なのではリーダーとしては不十分です。
ここからは最低限リーダーとして持ち合わせておきたいスキルについてご紹介していきます。
- マネジメント能力
- コミュニケーション能力
- 業務遂行能力
マネジメント能力
リーダーとマネージャーでは役割が異なり、マネジメント能力は主にマネージャー側に求められるスキルです。
しかし、実際にマネジメントをするしないに関わらず、やはりマネジメント能力を持っていることはリーダーとしての資質にも関わってきます。
また、現実的には、マネージャーとリーダーの役割を兼ね備えたプレイングマネージャーを任すことが多くなってしまう企業が多いのではないでしょうか?
その場合にリーダーは、チームメンバーからの進捗報告の管理やプロジェクト全体のスケジュール管理、作業の割り振りなどチーム全体をマネジメントすることが職務の1つとなってきます。
そうなると、営業スキルやプログラミングスキルなど、それぞれの専門分野で特化していた従業員をリーダーに配置したからといって必ずうまくいくとは限りません。
それぞれ個々の能力と、リーダーとしてチームをマネジメントする能力は全く別物であるため、リーダーとして配置する人材にはマネジメント能力を持った人材を優先して配置しなければ、組織としては機能しなくなってしまうでしょう。
コミュニケーション能力
リーダーとしてチームメンバーを率いるためにはコミュニケーション能力が必須です。
チームはリーダーを中心として機能するため、おのずとメンバーとの会話の機会は多くなります。
もし、リーダーがコミュニケーションをしっかり取らず、チームメンバー間で情報を共有できていなければ、問題が発生する可能性は当然高くなります。
またリーダーのコミュニケーション能力が高くないが故にチームメンバーから話しかけにくい雰囲気を作ってしまい、チーム全体の雰囲気にも悪影響を与えてしまいかねません。
チームの雰囲気作りとより密な情報共有を行うためにも、リーダーには高いコミュニケーション能力を持った人材が優れていると言えます。
リーダーのコミュニケーションについては、リーダーだからこそ意識したいコミュニケーション術とは?コツやおすすめの習慣を確認してみよう!で詳しく解説しています。
業務遂行能力
当然ですが、業務遂行能力のない人間がリーダーになることはありえません。
リーダーには、チームを引っ張っていく役割があります。
では、自身の業務を遂行できない人間についていこうとするメンバーはいるでしょうか?
当然、居ませんよね。
リーダーは、自身の業務を遂行できることはもちろん、チームのプロジェクトを遂行する上で起きる様々な事態に対処し、プロジェクトを完了まで進めるというチームとしての業務遂行能力までが求められます。
ですから、自身の業務を100%の力でやっとこなせる程度では不十分であり、自分の業務は60%の力でやり切り、残りをチームの業務遂行のために費やせるほどの余裕があることが望ましいでしょう。
資質を見極めてからリーダーとして抜擢しよう
優秀な従業員をリーダーに抜擢してみた結果、思ったようなパフォーマンスを発揮できず現場が混乱してしまったり、プロジェクトが炎上してしまったということは、多くの企業で見られる問題だと思います。
その原因が、ここまでお伝えしたリーダーとしての資質を持たない人をリーダーとして抜擢してしまっていることです。
ぜひ資質を見極めてからリーダーを抜擢していただければと思います。
ではここからは、リーダーとしての資質をさらに深掘りして、リーダーに適したセンス・性格はどんなものか?について確認していきましょう。
- 責任感があるか
- 上司と部下への対応に2面性がないか
- ストレス耐性が強いか
責任感があるか
当然ですが、リーダーには責任感のある人材が適しています。
積極性があり挑戦的な人材をリーダーに配置した結果、目標達成のための責任感がなく口だけのリーダーになってしまうことは避けたいですよね。
いくら仕事に情熱があったとしても、仕事に対する責任感が薄ければリーダーとしては不十分です。
また、チームメンバーとして作業をしている場合には、極端に言ってしまうと自分の作業さえ完了させていれば大きな問題とはなりませんが、リーダーはチームをまとめることも仕事の1つです。
自分の業務を全うしていれば良いという考えでなく、事業部全体としてはどうか?会社全体としてはどうか?という視点を持ち、会社全体に対して責任感を持って行動できる人材がリーダーとしては適任でしょう。
上司と部下への対応に2面性がないか
上司と部下への対応に2面性を持つ従業員をリーダーに抜擢するのは非常に危険です。
もしも上司の言うことにはイエスマンとなり全てを許容しておいて、部下には無茶な要求をするリーダーがいたとしたら、チームの崩壊に繋がりますよね。
特に注意しておくべき点として、こういったリーダーの場合、問題として浮かび上がるのが遅くなるケースが多いことです。
判断を下す上司側から見ると要求を受け入れてくれる使い勝手の良い従業員と見なされ、部下からはなかなか不満の声が上司まで届かないため、取り返しのつかない状態になって初めて発覚することも少なくありません。
チームの崩壊を招かないためにも、事前に上司と部下への2面性を持っていないかを注意深く観察しておきましょう。
ストレス耐性に強いか
従業員の中にはリーダーとしての仕事に対するプレッシャーからストレスに負けてしまい押し潰されてしまう方も少なくありません。
チームの一員としては文句のない結果を残してきた人材でも、いざリーダーとなると成果を出せなくなることがあるのも、このためです。
リーダーは、上司からの要求に答えながら部下からの不満にも対応する必要があり、中間管理職的なポジションでもあります。
チームメンバーとして仕事をしていた時とは比べ物にならない心理的な負担がのしかかってくることから、特に真面目な人ほど精神を壊してしまいやすい傾向にあります。
ストレス耐性に弱い優秀な人材を無理にリーダーに抜擢して窮屈な思いをさせるよりも、チームメンバーとして伸び伸びと働いてもらった方が良いことも多いため、リーダーを抜擢する際にはストレス耐性がなるべく強い人を選ぶようにしましょう。
では最後に、企業がリーダーを抜擢する際にやりがちな失敗例について見ていきます。
経歴だけの判断は危険?!リーダーの資質があるとは限らない
企業がリーダーを抜擢する際にやってしまいがちな失敗例として、従業員のこれまでの経歴だけを参考にし、リーダーとしての資質を判断しないままに任命してしまうことが多くあります。
特に転職してきた従業員などは企業の風習に合うかどうかもわからないため、経歴だけで判断するのは非常に危険です。
ここからは企業として安易な判断を避けるためにも知っておきたい、リーダーとして抜擢した際の失敗例についてもいくつかご紹介していきます。
- 別会社で経験がある従業員をリーダーに任命して失敗したケース
- 社歴を数年積んだ優秀な若手従業員をリーダーに抜擢して失敗したケース
- 年功序列で経験の長い従業員をリーダーとして任命し失敗したケース
別会社で経験がある従業員をリーダーに任命して失敗したケース
別会社で経験がある従業員といえども、自社にとって適切なリーダーになるとは限らないことは意識しておく必要があります。
同じ業界でも企業によって風習は異なり、チームによっても風習は異なります。
以前リーダーとして経験があるからといって、どのような現場でもリーダーシップを発揮できるとは限りません。
企業として本当にリーダーを任せて良い人材なのか・リーダーとしての資質は持ち合わせているのかを吟味した上で、リーダーに抜擢することをお勧めします。
社歴を数年積んだ優秀な若手従業員をリーダーに抜擢して失敗したケース
企業として期待しすぎるがあまり、若手従業員をリーダーとして抜擢し失敗するケースも数多く見られます。
まず経験が十分かどうかを判断するのはもちろんですが、従業員がプレッシャーに耐えられるかどうか、リーダーとしての資質を確認しておかないと優秀な若手従業員を潰してしまうことにも繋がりかねません。
仕事ができることとリーダーとして活躍できるかは全く異なります。
若手従業員をリーダーとして任命する際には、企業としては従業員の適性をしっかりと判断し、サポート体制を整えた上でリーダーに抜擢するべきと言えます。
年功序列で経験の長い従業員をリーダーとして任命し失敗したケース
上述した若手従業員とは反対のケースですが、経験の長い従業員だからといってリーダーに向いているとは限りません。
経験が長い分、業務知識の面においては頼りになることは多いですが、リーダーとしての資質があるかどうかは別問題となります。
リーダーには自分の意見をしっかりと伝えることやチームをまとめるためのコミュニケーション力など、経験だけではどうにもできない性格や資質といった面も強く影響を受けます。
経験の長い従業員はリーダーのサポートに回ってもらい、リーダーとしての資質がある従業員を抜擢した方がプロジェクトがうまくいくケースは多いようです。
企業として、年功序列でリーダーを任命するのは避けた方が良いでしょう。
リーダーの資質のある中途社員を教育しよう
リーダーの資質のある社員を見極めることができたら、いよいよリーダー教育をしていきましょう。
詳しくは、中堅社員を立派なリーダーに教育する方法を徹底解説!で解説しています。
まとめ:リーダーには資質とスキルの両方重要
本記事では、リーダーに求められる資質やスキルについてご紹介してきました。
日本企業では、年功序列の考えがまだまだ根強く、経験や業界年数だけでリーダーを抜擢してしまいがちです。
従業員として仕事ができることと、リーダーとして仕事ができることは全く別といっても過言ではありません。
企業としては、リーダーに相応しい資質やスキルを持った従業員かどうかをしっかりと判断し、きちんと明確な理由を持ってリーダーの選出を行うことで、適切なリーダーを抜擢し、プロジェクトを成功に導けるように検討してみてください。