0から始めるデジタルマーケティング施策【16の手法を20,319字で徹底解説】

こんにちは。当ブログの編集長を務める小川です。
株式会社Hajimariでマーケティングを担当しています。

今回は、誰でも「デジタルマーケティング」を実践し新規顧客の増加という成果までつなげることができるレベルまで落とし込むことを目的とし、可能な限り具体的に解説をしました。

そのため20,000字を超えてしまいましたが、その分濃い内容にできたと思います。また本編は書きやすさの観点から敬語を使っていませんがご了承ください。

それでは、本編をどうぞ。

デジタルマーケティングとは、何を叶えるものなのか?

貴社では、なぜデジタルマーケティング施策を始めようと思われたのだろうか?まずは今回叶えたいゴールと、デジタルマーケティングでできること(=目的)が合致しているかを確認しよう。

デジタルマーケティングの目的や定義は様々な解説があるが、ここでは

「オンライン上で見込み客とつながり、新規顧客(売上)を増やす」

これをデジタルマーケティングの目的として解説をしていく。

そのため、

・これまではリアルな営業で新規顧客を獲得していたが、リアルでは限界がきたためオンライン上でも顧客を獲得できるようにしたい。

・デジタルを活用することで、新規顧客獲得のコストパフォーマンスを高めたい。

といった課題を感じられている場合は、今回の話は役に立つはずだ。

逆に、デジタルを駆使することで既存顧客のリピート増加や購入単価アップ(アップセル・クロスセル)をしたいといった課題や、商品・サービスブランディングをしたいといったニーズを持たれている場合には、本コンテンツでは期待に添えないだろう。

今回の貴社が求めるゴールとマッチしている場合は、読み進めてほしい。

デジタルマーケティングによるつながり(重要な前提)

「オンライン上で見込み客とつながり、新規顧客(売上)を増やす」

上記がデジタルマーケティングの目的だが、この「つながり」とは何だろうか?ここでの理解がズレていると致命的なため、先に解説をしておきたい。

  • デジタルマーケティングによるつながりには2種類ある
  • デジタルマーケティングの目的は最適化ではない
  • デジタルマーケティングは顧客とどこでつながるのか?

■デジタルマーケティングによるつながりには2種類ある

デジタルマーケティングによるつながりには、「目に見えるつながり」と「目に見えないつながり」の2種類が存在する。

目に見えるつながりとは、たとえばメールやSNSで見込み客とやり取りをしており、お互いがお互いを認識している状態のことを指す。

見込み客は定期的にこちらが提供するコンテンツを見たりWEBサイトに訪れたりしており、こちらの存在を認識していた。そしてニーズが生まれた時に直接、記憶していたサービス名を検索して問い合わせた。

この場合には見込み客とのつながりを私たちは認識することができない。

または、知人がサービスを記憶しており、そこから紹介され問い合わせてきた場合も、事前につながりを認識することはできないだろう。これが目に見えないつながりだ。

■デジタルマーケティングの目的は最適化ではない

このように「見えないつながり」がある以上、全てを計測し分析することは困難である。

デジタルマーケティングは計測をし数値化をすることで最適化を測れるのがメリットだと言われるが、それ自体が目的ではない。目的はあくまで「オンライン上で見込み客とつながり、新規顧客(売上)を増やす」ことだ。

計測できないからと見えない繋がりを軽視してしまうと、本来増やせていた新規顧客(売上)を見過ごしてしまうことになる。

まずは、デジタルマーケティングとはデジタルを駆使することで全ての数値と見込み客行動を把握することで施策を最適化させる魔法の手法だ、といった幻想はここで捨てておこう。

■デジタルマーケティングは顧客とどこでつながるのか?

SEO、コンテンツマーケティング、SNSマーケティング、PPC(クリック課金)、ネイティブ広告、リターゲティング広告、マーケティングオートメーション、メールマーケティング、オンラインPR、インバウンドマーケティングなど、様々な手法が取り上げられるデジタルマーケティング。

その多さに混乱をしてしまい、一体どこから着手すれば良いのか、どこまでやり切れば良いのかがわからない企業が多いのではないだろうか?

確かにあらゆる手法が存在するものの、「実際に見込み客とつながる媒体」を整理すると下記の5つの媒体に絞られる。

1.検索エンジン
2.WEBサイト、アプリ
3.メール
4.SNS(facebook、Instagram、Twitter、LINE)
5.youtube

デジタルマーケティングを成功させるには、手法の前に全体の戦略を立てなければならない。反対に、戦略を立てずに枝葉の手法から始めてしまうと失敗する。

まずは誰をターゲットとし、その場合にはどの媒体から始めるのが効果的なのか、どんなコミュニケーションを取り新規顧客開拓へとつなげるのかをしっかりと設計をした上で、実行する際の適切な手法を選択するのがデジタルマーケティングを始める流れとなる。

デジタルマーケティングを始める前に

デジタルマーケティングを始める前に、まず確認しなければならないことがある。それは、CAC(1顧客あたりの獲得費用)だ。

簡単に言うと、「1人(社)の新規顧客を獲得するのに使える費用はいくらか?」ということである。もしも1人(社)の新規顧客を獲得するのに5,000円しか使えなければ、取れるデジタルマーケティングの施策も限定される。

ここで「5,000円しか使えないから5,000円以内に収まる施策から始めよう」と考えてしまうと失敗する。先ほど伝えた通り、戦略に基づく適切な手法を選択しなければ、デジタルマーケティングは成功しない。

5,000円以内に収まる施策を選んでも、その施策が適切な手法でなければ意味がないのである。

もしもCACの関係で適切な施策を選ぶことができないのであれば、コストのかかわらないオフライン施策を愚直に続けるか、CACの上限を伸ばすために利益を伸ばす何かしらの工夫をしなければならない。もしかすると、ビジネスモデルからの改善が必須の場合もあるかもしれない。

いずれにせよ、CACを把握しないままデジタルマーケティングを始めることはできない。そしてCACの把握はデジタルマーケティングに関わらず知っておくべき指標であるため、必ず事前に把握をしておこう。

CACやLTVについてわからない場合は、下記の記事を参考にしていただきたい。
CAC(顧客獲得費用)とは?計算方法やSaaSビジネス健全度の計測手順を解説
ライフタイムバリュー(LTV)とは?計算方法から戦略までを紹介!

それではいよいよ、デジタルマーケティングを始めよう。

デジタルマーケティングの1歩目はCVキーワード探しから

まず着手すべきなのが、CV(コンバージョン)キーワード探しだ。

CV(コンバージョン)とは「成果」のことであり、貴社がどんなビジネスをやっているかでその成果ポイントは変わる。例えば、資料請求、アプリDL、問い合わせなどがCVとなる。

そしてCVキーワードとはCVにつながるキーワードのことで、たとえばエンジニアの派遣会社をしている企業であれば「エンジニア 派遣」はCVキーワードの可能性が高い。

また例えば「大学受験 予備校」「大学受験 予備校 おすすめ」は大学受験の予備校をしている企業にとってはCVキーワードとなるはずだ。

CVキーワードで検索するユーザーは、まさに貴社の商品やサービスを探しているユーザーであり、顧客となる可能性が最も高いユーザーと言える。

そのためデジタルマーケティングを始める際には、このCVキーワードの攻略から着手するのがセオリーだ。

そしてCVキーワードで検索するユーザーに貴社の商品・サービスを知ってもらう為には、CVキーワードで検索した際に貴社のサービスHPやメディアなどが上位に表示されるようにしなければならない。

>>CVキーワードの探し方(coming soon)

■CVキーワードの攻略に使える手法は主に3つ

CVキーワードを攻略する際に使う主な手法は以下の3つ。

①自社サイト、メディアでの上位表示(SEO対策)
②Google、yahooのリスティング広告(検索連動型広告)
③成果報酬による送客(アフィリエイトなど)

一番理想なのが、CVキーワードで検索した場合に自社サイトやメディアが上位表示されることだ。そのためには、オウンドメディアを作成したりすでにあるサービスHPのSEO対策をするなどの方法がある。

しかし、オウンドメディア制作やSEO対策は効果を出すまでに時間がかかる中長期的な施策となる。そこで必要になるのがリスティング広告だ。広告費を使うことで、すぐに検索結果の上位を抑えることができる。

その他の手法として活用できるのが、既に上位表示されている記事に成果報酬を支払うことで広告を掲載してもらう手法だ。

>>SEO対策(coming soon)
>>リスティング広告(coming soon)
>>アフィリエイト(coming soon)

■CVキーワード攻略はBtoCとBtoBによって状況が異なる

CVキーワードの攻略で注意点がある。

それは、「BtoBは一般的にCVキーワードの数が少ない傾向にある」ということだ。もちろんビジネスによって状況は異なるが、BtoBの場合にはCVキーワード攻略だけでは十分な集客ができない可能性が高い。

そしてデジタルマーケティングで「とりあえずオウンドメディアを作ろう!」と考える企業が多く見受けられるが、そもそもCVキーワードが少ない場合、オウンドメディアは費用対効果に合わない可能性があるので注意が必要だ。

反対にBtoCは比較的CVキーワードの数が多い傾向にあるため、CVキーワード攻略をやり切る前にその他の様々な施策に手を出すことで、「広く浅く手を出して効果がイマイチ」という結果にならないよう注意をしたい。

貴社がどのようなビジネスを行い、誰をターゲットにしているかで最適なデジタルマーケティング手法が何かも変わる。

デジタルマーケティングでは既存顧客を最大限に活用しよう

CVキーワードで新規顧客獲得の1歩目を踏み出した。

ここからSNSマーケティング等でさらに新規顧客の獲得経路を増やしていこう!…となる前に、もし貴社ビジネスですでに既存顧客が集まっているのであれば、まずやっておかなければならないことがある。

それが既存顧客リストの活用だ。

おそらく多くのビジネスではデジタルマーケティングを始めようとなる前段階で、営業による顧客開拓により既存顧客がある程度集まっているのではないだろうか…?

もしも200〜300名ほど集まっているのであれば、効果的なデジタルマーケティング施策で新規顧客を増やすことができる。具体的にはfacebook広告、Google広告によるオーディエンスターゲティング広告の活用だ。

先ほどはキーワードでターゲティングをし広告を出したが、今回はオーディエンス情報をもとにターゲティングをする。

例えば、「年齢25歳〜30歳、東京、男性、経営者」のオーディエンスに配信するといったオーディエンス条件を絞って配信できるのがオーディエンスターゲティング広告という手法だ。

今回はその手法を活用し、既存顧客に類似したオーディエンス に広告を配信する。既存顧客のリスト(メールアドレス等の情報)をアップロードし、facebook広告やGoogle広告で設定をするだけで確度の高い見込み客に配信が可能となる。

facebook広告やGoogle広告で高い成果を出しやすいデジタルマーケティング施策であるため、既存顧客リストが200〜300件以上集まっている場合には、必ず実施しよう。

>>facebook広告の類似オーディエンス配信について(coming soon)
>>Google広告の類似オーディエンス配信について(coming soon)

デジタルマーケティングは手法を増やす前に「入り口」を増やせ

リスティング広告でCVキーワードを攻略した。既存顧客リストも活用した。次こそは、facebook、Instagram、TwitterなどSNSに着手だ!…となる前に、実はまだまだ考えなければいけないポイントがある。

前提として、このように順々に着手していくのは、予算とリソースに限りがある場合を想定しているためだ。

もしも予算も潤沢、各施策のクオリティを落とさずに着手できるのであれば、もちろん様々な施策を一気に試し成果の出た施策に徐々に絞ることで費用対効果を高めていくのが成功法だろう。

ただ実際には、予算とリソースには制限があり、全ての施策を一気に試し失敗しても良いというケースは少ない。

だからこそ今回は、成果の出る可能性の高い施策から順々に着手し、右肩上がりに徐々に成果を伸ばしていくことを想定した解説になっていることを前提として考えていただきたい。

そうした場合に重要になるのが、見込み客の「入り口」を増やすという考え方となる。

  • 見込み客の「入り口」を増やすとは?
  • なぜ媒体を増やすより「入り口」を増やした方が良いのか?
  • 「入り口」を増やすという考えから、媒体を増やす

■見込み客の「入り口」を増やすとは?

デジタルマーケティングでCVを増やしたい場合、見込み客の入り口=CVポイントを増やすのが正攻法の1つとなる。

具体的には、リスティング広告で問い合わせが増えてきた場合、同じ広告(LP)をfacebook広告などSNS広告でも試すのではなく、問い合わせ以外のCVポイントとして「無料資料請求」「料金表ダウンロード」「お役立ち資料」「ホワイトペーパー 」などを用意する。

こうすることで、これまで問い合わせまでのモチベーションはなかった見込み客にもCVしてもらえるようになり、CVの母数を増やすことができる。

広告用のLPにCVポイントを増やすだけでできるため、少ない労力で効果を期待できる方法だ。

■なぜ媒体を増やすより「入り口」を増やした方が良いのか?

理由として、媒体の特性の違いがある。

リスティング広告の場合、特定のキーワードを検索して見込み客が能動的にLPに訪れるため、問い合わせの確度は比較的高い。しかし、SNS広告はfacebookやTwitterを見ている際に広告が差し込まれるため、能動的ではなく受動的にLPに訪れることになる。

そのため、リスティング広告で上手くいったLPであっても、SNS広告では上手くいかないと言ったケースはごく普通にある現象だ。SNS広告に手を拡げる場合には、SNS広告にあったLP(=訴求)を考えて実施しないと効果は出ないことが多い。

入り口=CVポイントを増やす施策は、見込み客のCVまでのハードルを下げるため、問い合わせで成果の出ているLPであればほぼ確実にCVの数を増やすことができる。

■「入り口」を増やすという考えから、媒体を増やす

「入り口」を増やすという考えから始めると、媒体を増やす際の参考にもなる。

例えばリスティング広告は前述の通り比較的確度の高い見込み客にアプローチができるため、問い合わせを目的としたLPがマッチする。

反対にSNS広告は問い合わせではハードルが高い可能性が高いため、「ホワイトペーパーのダウンロード」や「セミナーへの参加」などをCVポイントとしたLPがマッチする可能性が高い。

もちろん、広告費に余裕があればどのCVポイントが最適かをA/Bテストで確かめるのがベストではあるが、そこまで余裕がない場合には媒体によって仮説を立ててマッチするLPを試していくのがベターなやり方だ。

SNS広告に限らずオウンドメディアを作成する場合も、CVキーワードで上位表示させアクセスを集めるメディアを作るのであれば、問い合わせを目的としたLPへの誘導や資料請求をCVポイントにするのが良いし、CVキーワード以外の幅広いキーワードでもアクセスを集めるのであれば、ハードルの低い「ホワイトペーパー」「お役立ち資料」のダウンロードが適していると考えられる。

このように、顧客視点で見込み客の「入り口」を増やすという考えに則ると、幅広いデジタルマーケティングの手法においても、最適な手法を取捨選別できるようになる。

デジタルマーケティングで成果を発揮させるために重要なマーケターのもう1つの仕事

ここで、デジタルマーケティングの落とし穴を紹介しておきたい。

それは、これまで解説したデジタルマーケティングを実践したとしても、成果につながるとは限らないという落とし穴だ。

デジタルマーケティングの目的=成果は、最初に述べたように「オンライン上で見込み客とつながり、新規顧客(売上)を増やすこと」である。つまり、新規顧客が増えなければ意味がないのである。

では、これまで解説したデジタルマーケティング施策を実行すれば新規顧客が増えるのだろうか?実際に増えるのはあくまで見込み客であり、いわゆる「リード」の数が増えているにすぎない。

このリードが新規顧客になるかどうかは、その後の営業活動によって決まる。そしてマーケターがデジタルマーケティングで本当に成果を出したいのであれば、この営業活動部分にもしっかりとコミットしなければならない。

  • 例外:WEB上で全てが完結する商品・サービスの場合は状況が異なる
  • デジタルマーケティングで成果を出せない本当の理由
  • デジタルマーケティングの目的を間違わなければ、自然と全体最適が意識できる

■例外:WEB上で全てが完結する商品・サービスの場合は状況が異なる

例外として、WEB上で商品・サービスの購入まで完結するサービスの場合には状況が異なる。その場合には、全てをデジタルマーケティング施策の中で完結させることになる。

そして特徴として、WEB完結型の商品・サービスの場合には、営業が不要な代わりに「セールスコピーライティング 」の分野が発展している。

いかに見込み客を獲得し、新規顧客まで引き上げるのかを極めるのがWEB完結型であり、WEB上で完結しないビジネスのマーケティングとでは、必要なスキル、施策が大きく異なる。

そして今回はWEB上で完結しないビジネスのマーケティングをメインに話を進めていきたい。

■デジタルマーケティングで成果を出せない本当の理由

マーケティング部署と営業との衝突、意見の食い違いはよくある話だ。

そしてその大きな要因が、マーケターが本当の意味でデジタルマーケティングで成果を出すことに必要な仕事を理解していないことにある。

本当に必要なマーケターの仕事とは、前述の通り、獲得した見込み客を新規顧客につなげるために必要な営業活動の改善だ。

まだ必要な顧客が少なくても良かった初期フェーズでは、社長の知り合い(またはそこからの紹介)のアポ、問い合わせのアポ、既存顧客からの紹介アポなど、比較的確度の高いアポで必要な顧客数をまかなうことができていた。

しかし、デジタルマーケティングが必要な成長フェーズに入ると、見込み客(リード)の数は増えていくものの、確度の高い問い合わせの割合は徐々に少なくなってくる。

そのため、これまでと同じ営業活動のやり方では成果を出しにくくなる。

そしてこの流れを理解していないと、営業の目標はこれまでと同じ問い合わせのアポ率から設定されるため、どんどん営業は目標の達成は困難となる。

例えば、これまでは問い合わせからのアポ率が8割あったとする。しかし成長期に入りデジタルマーケティングで見込み客を増やしたことで、アポ率はどんどん下がっていく。

しかし「今期の売上を達成するにはこれだけのアポが必要。マーケが獲得したリードがこれだけ増える想定だから、この8割でこれだけのアポは現実的なはずだ。」といった形で営業の目標達成の難易度は上がっていく、などの現象が起こる。

また、マーケとしてはリードが増えているので成果が出ていると考えているが、現場では新規顧客が増えず営業難易度が上がっているため、営業の中でマーケへの不満が募り衝突が起こるわけである。

■デジタルマーケティングの目的を間違わなければ、自然と全体最適が意識できる

上記で説明した営業とマーケの衝突はよくある話だが、マーケターがデジタルマーケティングの目的を間違わなければ、この状況は改善できる。

デジタルマーケティングで「入り口」を増やした分、顧客化へのハードルが高くなるのは自然な流れだ。

例えば、問い合わせをしてきた企業をアポにつなげるのと資料請求をしてきた見込み客をアポにつなげるのでは、当然難易度は異なる。さらに「お役立ち資料」をダウンロードした見込み客であれば、まだサービスへの理解もニーズも薄く、いきなりアポにつなげるのは不可能に近い。

この状況で、デジタルマーケティングの目的である「新規顧客を増やすこと」に則って考えれば、マーケターが本当にやるべき仕事は自然と見えてくるだろう。

デジタルマーケティングにマッチした営業活動

それでは次に、デジタルマーケティングにマッチした営業活動について解説したい。

前述したように、デジタルマーケティングを推進することで営業活動では「見込み客(リード)の質と量の問題」が発生する。

  • ■見込み客(リード)の質と量の問題について
  • ■インサイドセールスの立ち上げについて
  • ■MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入問題について
  • ■デジタルマーケターと営業との連携のポイント

■見込み客(リード)の質と量の問題について

デジタルマーケティングの推進で成長フェーズに入った企業では、見込み客の質が落ちる。
これは全く見込みのないズレたターゲットを集客してしまっているということではなく、すぐに商談にはつながらない「そのうち客」「まだまだ客」が増えるということ。

そのためビジネス上重要な見込み客を集客できているわけだが、営業のハードルは高くなるため営業からすれば非常に困る。

しかしここで、「営業が質の高いリードを集めて欲しいというから問い合わせまでのハードルを上げる」ということは絶対にしてはいけない。理由は前述したとおり。

そのため、デジタルマーケターはリードの質と量のバランスを見極めながら、オファー設計と営業活動の改善に努めることになる。

例えば、リードの量を増やすために「資料請求」のオファーではなく、ハードルの低い「ホワイトペーパー のダウンロード」のオファーを設計し広告やオウンドメディアで大量のリードを獲得したとする。

商品・サービスに興味を持って問い合わせたわけではないため、そのまま営業にリードを渡しても当然成果は出にくく、新規顧客獲得というデジタルマーケティングの目的の成果は出ない。

そこで必要になるのが、インサイドセールスの立ち上げだ。

■インサイドセールスの立ち上げについて

営業をインサイドセールスとフィールドセールスとに分け、フィールドセールスにリードを渡す前に1ステップを挟み、見込みの高いホットリードを選別して渡すのがインサイドセールスの役割となる。

どのようなリードをどのようなオファー(コンテンツ)で集めているのか?インサイドセールスはどのように接触しどのようにしてホットリードを選別するのか?など、インサイドセールスによる営業活動は、当然だがデジタルマーケターが関わり設計しなければ機能しない。

このようにデジタルマーケターは、広告運用やオウンドメディア運用といったマーケティングらしい仕事だけではなく、デジタルマーケティングで成果を出すために必要なことには全て取り組んでいく姿勢が重要だ。

■MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入問題について

デジタルマーケティングの推進で問題になるのが、「とりあえずMAツール導入しよう」問題。ツールを導入するだけでデジタルマーケティングを推進できるようになった感をお手頃に感じられるのがポイントだ。大半は効果的に活用できず終わる。

MAツールを効果的に活用するには、その導入目的を明確にしなければならない。

リードが増えインサイドセールスを立ち上げた。では、インサイドセールスが効果的にホットリードを見つけるにはどうすれば良いだろうか?

重要なのは、見込み客の顕在化のシグナルを検知すること。

・特定の課題を解決したいというニーズが生まれた
・自社の商品やサービスに興味を持った
・比較検討段階に入った

など、インサイドセールスが接触するべきタイミングが存在する。

しかし、見込み客の顕在化のタイミングがいつくるかはわからず、これらのタイミング以外に接触をしてもホットリード化している可能性は薄いため、労力対効果に見合わない。

つまり、インサイドセールスが効果的に機能をするためには、見込み客の顕在化のシグナルを検知する仕組みが必要となる。そしてこの仕組みを実現するのが、MAツールの役割だ。

そのため、リード数が少なくインサイドセールスが必要ではないタイミングでMAツールを導入しても期待している効果は得られないし、見込み客の顕在化のシグナルが検知できるポイント(例えば特定のページを見た、コンテンツをダウンロードした、メールのリンクをクリックしたなど)が設計できていなければ、効果を発揮することはない。

インサイドセールスの立ち上げと同じく、MAツールの導入においてもデジタルマーケターが営業と連携しながら体制づくりをする必要がある。

このように、デジタルマーケターは施策と営業活動をマッチさせ機能させることが仕事となる。マーケティングのスキルだけではなく、成果を出すために必要な組織作りのスキルまで求められるのが真の意味でのデジタルマーケターだ。

■デジタルマーケターと営業との連携のポイント

デジタルマーケターと営業との連携にはお互いのリスペクトが重要になる。

しかし実際には、お互いが「本当の意味でお客さんのことを理解しているのは自分たちだ」と考えがちで、対立してしまうことが多い。

そして、こうなるのには理由がある。実は、営業の指すお客さんとデジタルマーケターが指すお客さんは同じようで異なるのだ。

営業がお客さんに接触するのは、商談でのタイミングが多い。またはホットリードとなった見込み客だ。そのため、既に自社の商品・サービスを認知していて比較検討している段階のお客さんとなる。

それに対しデジタルマーケターは、オンライン上(webサイト上など)にいる見込み客と接する機会が多い。その多くはまだ自社の商品・サービスを認知しておらず、こちらの話に耳を傾けてくれることはない。

このように、営業とデジタルマーケターでは同じお客さんでもその性質は大きく異なる。そして、営業もデジタルマーケターも顧客のプロフェッショナルである点には違いはない。

この違いを理解しお互いにリスペクトを持って連携できるかどうかが、デジタルマーケティングの推進、インサイドセールス の立ち上げ、MAツールの導入といった施策を成功に導くポイントだ。

デジタルマーケティングの成果を最大化させる

ここまでで、効果を発揮しやすい基本的なデジタルマーケティング実施を実行した。
そして、デジタルマーケティングで成果を出すための体制(営業活動)を整えた。

ここまでできると、リードの増加が新規顧客の増加に直結するため、リード数の最大化を意識すれば自然と成果も伸びていく状態となっているはずだ。

そしてデジタルマーケティングの成果を最大化させるための施策として、いよいよSNS広告、SNSマーケティング、オウンドメディアなどに本格的に着手することになる。

デジタルマーケティングの重要な骨子の部分については解説をしたため、後の施策はほぼテクニック論となってしまうことから、下記に主な手法をまとめた。

常にデジタルマーケティングの目的を忘れることなく、基本を抑えて実行すればどれもしっかりと効果を発揮できる施策だ。とは言え、どのビジネスでも100%効果を発揮できる手法は存在しないため、現場のデジタルマーケターに主体的に取り組んでいただければと思う。

デジタルマーケティングの施策、主な手法を16種類ご紹介

ここまでで、デジタルマーケティングで成果を出すための大枠の流れを解説した。最後にデジタルマーケティングの代表的な施策、手法を16種類ご紹介していく。

  1. リスティング広告(検索連動型広告) Google広告、Yahoo広告
  2. リマーケティング広告、リターゲティング広告
  3. facebook広告、Instagram広告
  4. Twitter広告
  5. LINE広告
  6. youtube広告(動画広告)
  7. アドネットワーク広告
  8. ネイティブアド広告
  9. SNSマーケティング(facebook、Twitterなど)
  10. メールマーケティング
  11. コンテンツマーケティング
  12. SEO対策
  13. オウンドメディア
  14. アフィリエイト
  15. LPO(ランディングページ 最適化)
  16. EFO(入力フォーム最適化)

1.リスティング広告(検索連動型広告) Google広告、Yahoo広告

デジタルマーケティングで一番はじめに着手すべき施策。Google広告とYahoo広告の2種類があり多少の機能面の違いはあるものの、考え方は同じだ。

ただし、広告の出し方なども多機能に渡り複雑なため使いこなすにはしっかりとした知識が必要になる。

>>リスティング広告について(coming soon)

2.リマーケティング広告、リターゲティング広告

こちらもGoogle広告とYahoo広告の機能で実施できる広告施策。

リスティング広告と一括りで言われることもあるが、実際には検索キーワードに対して広告を出す検索連動型広告がリスティング広告であり、リマーケティング広告は一度サイトに訪問したユーザーに対して広告を出す手法となる。

また、リスティング広告はテキスト広告なのに対しリマーケティングではディスプレイ広告(バナー等)がメインになるなど、わかりにくい単語だったり機能が存在するため、こちらもしっかりと学ばないと使いこなすことは難しい。

ちなみにリマーケティング広告とリターゲティング広告は名前が違うだけで指している内容は全く同じもののため、好きな方で呼べば問題ない。

>>リマーケティング広告について(coming soon)

またサーチターゲティング広告やインフィード広告などそのほかにも様々な広告の出し方があるため、広告の成果を伸ばしていく際にはプロフェッショナルに任せていく必要がある。

3.facebook広告、Instagram広告

いわゆるSNS広告の一種。SNS広告を始める際にはまずfacebook広告から試していくのが無難な選択肢となる。(もちろん商品・サービスの特性、ターゲットによって異なる)

実はfacebook広告とInstagram広告は同じ管理画面で広告を出稿できるため、基本的にはどちらの媒体にも広告を出すのが基本だ。媒体や配信面ごとの数値も管理画面で確認できるため、どちらかの数値が悪い場合には止めれば問題ない。

facebook広告(以下、Instagramも含む)はまずは性別、年齢、地域、職業、興味関心といった条件でターゲティングをし、バナー画像のクリエイティブをいくつも回しながら費用対効果を伸ばしていく。

CVが溜まってきた場合は前述した類似オーディエンス(過去にCVしたオーディンスに類似した人に広告を出す手法)を活用することで、安定してCV数を拡大していくことができる。

もちろんリスティング広告などで既存顧客データが溜まっていればすぐに類似オーディエンスが利用できるため、やはりまずはリスティング広告やリマーケティング広告でCVで確度の高いユーザーからCVを獲得できるようにし、その後にfacebook広告の類似オーディエンスを活用していくのが王道な流れと言えるだろう。

>>fecebook広告、Instagram広告について(coming soon)

4.Twitter広告

こちらもSNS広告の一種。リスティング広告、facebook広告の運用を理解できていれば、考え方自体は変わらないためそこまで難しくはない。
facebook広告と同じくオーディエンスターゲティングが可能で、特徴としてはTwitter上で特定のキーワードを使用しているユーザーをターゲティングしたり、特定の人のフォロワーをターゲティングできたりする。

例えば、「デジタルマーケティング」とTwitterで呟いている人に広告を出す、デジタルマーケティングで有名な人をフォローしている人に広告を出す、といったイメージだ。

またfacebook広告よりも使用するバナーの自由度が高いのも特徴となる。例えばfacebook広告ではバナーに含んで良いテキストの量の制限が決まっており、あまりバナーで訴求できる自由度が高くない。その点Twitter広告では今のところ大きな制限がないため、訴求の自由度が高い。

>>Twitter広告について(coming soon)

5.LINE広告

続いて、LINE広告。リスティングやfacebook広告と比べるとあまり広告のイメージは強くないかもしれない。

基本的には、facebook広告と同じ配信手法のイメージを持ってもらえればOK。facebookやリスティング(Google検索、Yahoo検索)をあまり使わないユーザー層にもアプローチできるのがポイント。

私の前職では「お母さん」がターゲットだったため、このLINE広告の費用対効果は高かった。

>>LINE広告について(coming soon)

6.youtube広告(動画広告)

動画広告の1種であるyoutube広告。動画の制作が必要になるため、他の広告手法に比べ実施の難易度は高い。また他の広告よりもセオリーが確立できていない分、成果を出せるかどうかもやってみなければわからない部分が多い。

CMと同じように認知を目的に活用するのか、他の手法と同じくCVを狙いにいくのかでも使い方は変わるだろう。

マーケティング業界では、◯◯マーケティングだ、今後はSNSの活用は必須だ!、オウンドメディアをつくろう!といったようにブームのようなものが存在するが、動画広告もその1つだと感じている。

このようなブームは誰かが意図的に作っている可能性が高く、広告代理店などが「まだ動画広告やってないの?」と目新しさを武器におすすめしてくるのがいつもの流れだ。

確かにまだライバルたちが使っていないが故に、上手くハマれば爆発的な成果を出すことができるため、絶対にやるべきではないと否定するつもりはない。

しかし、リスティング広告やfacebook広告なども出たばかりはライバルが少なく非常に安い費用でCVが取れてウハウハだったが、徐々に同じような成果が出なくなり苦しくなる…というのもまたいつもの流れであり、メリット・デメリットが存在する。

そのため、自社で深く顧客理解をした結果として動画広告がマッチしていると考えられる、またはセオリーな手法で着実に成果が出ているため媒体を増やすチャレンジをしたい、といった場合でなければ、積極的に手を出す必要ない手法だと考えている。

>>youtube広告について(coming soon)

7.アドネットワーク広告

アドネットワーク広告についても一応の紹介をしておくが、要は「ネットワーク上のいろんなところに広告を出せる手法」だと理解しておけば問題ない。

有名なところでは、GDN(グーグルディスプレイネットワーク)、YDN(ヤフーディスプレイネットワーク)があり、Google広告やYahoo広告の広告手法の1つとして存在するため、リスティング広告などの勉強をしていればセットで学ぶ範囲と言える。

ネット検索をし色々な記事やアプリを見たりしているときに、たくさんのバナー広告を見ることはないだろうか?あれがアドネットワーク広告だ。

たくさんの量を出せる分、当然反応率は悪い。特徴として「CPAは低く済むもののCV数はそこまで多くない」という結果に落ち着くことが多い。

※もちろん、商品・サービスによって成果は異なる。多くのCVが獲得できる場合もある。
※CPAは、「かけた費用÷獲得したCV数で、要は1CVあたりにかかる平均費用」

そのため、広告手法を拡大させるフェーズでの手段の1つとなるだろう。

>>アドネットワーク広告について(coming soon)

8.ネイティブアド広告

ネイティブアドは手法というよりも概念に近いものだが、よく聞く言葉ではあるので紹介する。手法としては、記事広告やインフィード広告というものがそれにあたる。

理解としては、「広告っぽさをなくして自然に溶け込ませることで成果をあげよう」と考えてもらえれば問題ない。

これまでいくつも紹介したように、広告手法は拡大の一歩をたどり、ユーザーは様々な広告を見ることになった。その結果、ユーザーは広告を広告と認識するようになり、広告の効果は落ちていった。

ユーザーは面白いコンテンツは消費するが、広告は無視する。そこでコンテンツを挟んだりコンテンツに見せかけることで広告成果を高めようというのがネイティブアド広告だ。

具体的にはインフィード広告と呼ばれる、YahooのTOPにあるニュース欄やニュースアプリなどのコンテンツが表示される間に一部広告を出す手法がある。ニュース等のコンテンツに溶け込ませることで、ユーザーは広告っぽさを感じにくくなる。

また、その一環で使われるのが記事広告という手法。先ほどのようにニュース欄に出しても良いし、他メディアに記事として載せてもらうでもOK。ニュース欄やメディア→記事コンテンツ→広告といったように記事コンテンツがワンクッション挟まれる。

一見、広告までワンクッション挟むため成果は落ちそうに見えるが、広告っぽさがなく抵抗感が薄まる点、記事コンテンツの中で商品・サービスのニーズ喚起や理解促進がされることで、通常の広告よりも効果が高くなる場合がある。

どんな記事コンテンツを作るかで成果も変わるため、実行難易度は比較的高い手法だ。

ちなみに、「この広告手法は効果が落ちてきているので、新しいこの手法がおすすめですよ」といった主張は無視して良い。(と個人的には思っている)

確かに既存の広告手法はライバルが増えにつれ効果は落ちていくのが自然の流れだ。しかし、昔と今の効果の比較は実は一切参考にならないし意味がない。効果が落ちているのはライバルも同じであるし、重要なのは「費用対効果の合う範囲で成果を出せるかどうか?」だからだ。

例えばビジネスモデル上、CPAを15,000円以下でCVが出ていれば問題ないのであれば、「昔は10,000円で取れていたけど5,000円ほど上がってしまった」としても一切問題はない。周りが騒いでいるだけの本質的でない問題提起は全て無視しよう。

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9.SNSマーケティング(facebook、Twitterなど)

SNSマーケティングは、SNS広告とは違う。実際のfacebookアカウント、Twitterアカウントのフォロワーを増やし、自分のアカウントを通じて商品・サービスを宣伝する手法だ。

商品・サービスの宣伝以外でも、ホワイトペーパーの紹介、自社メディアへの誘導、セミナー集客などさまざまな活用の仕方がある。

SNSアカウントを育てることで、1つの広告媒体として活用するのがSNSマーケティングの役割となる。そのためセオリーが存在せず、実行難易度は非常に高い。

セオリーはないものの、企業の公式アカウントなどでの成功事例は少なく、社員の個人アカウントを育て広告媒体として活用している成功例の方がが多く見られる。(BtoBだと代表取締役やCXOクラスの人が多い)

後ほど紹介するオウンドメディアと同じく、1つの広告媒体としてメディアを育てるつもりで中長期的に取り組む必要があるため、短期的に成果を求める場合にはおすすめしない。

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10.メールマーケティング

メールマーケティングは奥深い。要は既存顧客やアドレスを手に入れた見込み客にメールを配信して何かしらの成果へとつなげる手法ではあるが、さまざまな使い道がある。

既存顧客にメールを配信しリピートを促すこともできれば、見込み客のリストにメールを配信し商品・サービスの購入を促すこともできる。

またステップメール (登録後にAのメール、登録後3日目にBのメール、登録後7日目にCのメールを送るなど、事前にセッティングしたメールを好きな順番・タイミングで送ることのできる手法)を組んで、見込み客に商品・サービスを購入してもらうまでのストーリーを作るなど。

またMAツールと組み合わせて、定期的にメールを配信し、ユーザーが顕在化したタイミング(特定のリンクをクリックしたなど)で架電アプローチをしアポにつなげるといった仕組みをつくることもできる。

既存顧客への販促メールやステップメールの構築は、セールスコピーライティングなど実行難易度は高いが、MAツールを活用した顕在化ユーザー検知の仕組み作りはセオリー通りに進めれば誰でも実行することができるだろう。

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11.コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングはあまりデジタルマーケティングに詳しくない方でも知っている言葉ではないだろうか?ちなみにこれもネイティブアドと同じく概念の1つだ。

簡単に言えば、コンテンツをマーケティングに活かすという考え方となるが、重要なのはコンテンツが持つ「顧客視点」の考え方となる。

基本的に広告は「企業が自社の商品・サービスを売るために出しているメッセージ」であり企業側が見込み客に伝えたいことを伝える、いわば企業主体のメッセージになる。

しかし、極論、見込み客は企業の発信に一切興味はない。CVキーワードは見込み客が求めているものと企業側の商品・サービスがマッチしているために効果を発揮するが、そうでない場合にはやはり、見込み客は企業の商品・サービスに興味はない。

そのため広告には限界があるわけだが、そこで企業主体の発信ではなく顧客目線の発信をしていこうというのがコンテンツマーケティングの根幹の考え方となる。

コンテンツとは「見込み客が求めているもの」「見込み客が知りたい情報」であり、この顧客視点で考えられたコンテンツを発信することで見込み客とつながろうというのがコンテンツマーケティングの目的だ。

そのため、顧客視点で考えられたコンテンツを活用している施策・手法はすべてコンテンツマーケティングに含まれると考えて良い。そう考えれば、オウンドメディアの記事も、ネイティブアドの記事広告も、メールコンテンツも、フォロワーを増やすためのSNSの発信も、すべてコンテンツマーケティングの一環と言えるだろう。

このようにコンテンツマーケティングとは概念の一種であるため、「コンテンツマーケティングを始めましょう」といっても何ら具体的な施策を指しているわけではなく、「あくまでコンテンツを活用したデジタルマーケティング施策の戦略を考えていきましょう」くらいに捉えるのが正しい考え方だと思う。

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12.SEO対策

マーケティング施策の中でも有名で好まれているのがSEO対策。しかしこれも施策の1つとはあまり言えず、私個人としてはあまり「SEO」という言葉自体を使うのが好きではない。

SEOとはGoogleやYahooの検索結果で上位を取るための技術、対策のことを指す。しかし今では基本的なセオリーに則って記事コンテンツを作成すれば上位を狙える環境が整っているため、あえて「SEO対策」という言葉を使う必要性はないと考えている。

これも、「SEO対策」という切り口で商品・サービスを売りたい企業があえて使っているもの、というのが個人的な見解だ。

検索結果で上位を狙う必要性が出てくるのは、自社のサービスサイトなどのオウンドメディアを運用する場合がほとんどのため、オウンドメディア運用という文脈で必要なことを学んでいけば、自然と「SEO対策」に含まれるノウハウ、情報も学べるだろう。

そのため、SEO対策については深く理解しなくてOKというのが本コンテンツの方針となる。

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13.オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社が持つメディア媒体のことを指す。

基本的な役割としては、「自社でメディアを作り広告媒体として活用する」ことになるため、SNSマーケティングで解説したTwitterやfacebookアカウントもオウンドメディアの1つとして考えても良いかもしれない。

その他、自社のコーポレートサイト、自社のサービスサイト、自社が運用するメディアなどがオウンドメディアにあたる。

広告媒体として活用するためには、少なくとも数万PVほどのユーザーが集まるメディアに育てる必要があるため、コンテンツマーケティングの考え方に則り、見込み客が欲しているコンテンツ、知りたがっている情報は何かを把握し最適なコンテンツを発信し続けなければならない。

当然だが、「媒体として育てる」という観点からも中長期的な施策となる。広告は広告費をかければすぐにCVが生まれCPAがいくらかを随時確認しながら運用ができるが、オウンドメディアはコンテンツの作成費用や運用費用をかけて、広告媒体として育つまで投資をし続けなければならない。

この点を経営者なり事業責任者が理解をしていないと、いざ始めても継続ができずに施策として頓挫する可能性が高い。デジタルマーケターとしては非常に実行難易度の高い施策と言えるだろう。

また、広告媒体としての活用以外にも認知獲得やブランディングなどその他の活用方法が考えられることから、目的を明確にして施策を始めないと、多くを求めすぎるが故に失敗するケースも多く見受けられる。

たとえばオウンドメディアとして業界で有名になる、または見込み客に好意的なイメージで認知されているといった場合、オウンドメディアに関わらない通常の広告の成果にもプラスに働いている可能性が考えられる。

これはまさに本コンテンツの冒頭で解説した「見えないつながり」であり、明確な効果測定ができないため難しい問題だ。

オウンドメディアは成果が出るかがわからない、デジタルマーケティング施策の中でも投資要素の強い施策となるため、明確なビジョンや信念を持ち、専任で運用できる人材を確保することをおすすめする。

「中長期的な施策のため、とりあえず早めにオウンドメディアには着手しておくほうが良いですよ」と言われた場合は信用しない方が良いだろう。

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14.アフィリエイト

アフィリエイトはオウンドメディアの逆で、他者が運用するメディアを広告媒体として活用する手法となる。他者のメディアを活用させていただく分、CVが出た際には成果報酬を払う仕組みだ。

アフィリエイトの有名なサービスとして「A8」というサービスがあり、アフィリエイターと企業をつないでくれる。そのためアフィリエイトを始めたい場合には「A8」に問い合わせよう。

成果報酬型のため、デジタルマーケティングの初期フェーズから活用しても良い手法だ。

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15.LPO(ランディングページ 最適化)

最後の方に紹介しているが、実はデジタルマーケティングの初期フェーズで重要になる手法・施策になるのがLPOだ。

デジタルマーケティングでは、まずCVキーワードを探しリスティング広告で成果を出していくのがセオリーだと解説をしたが、それにはLPが必要になる。

LP(ランディングページ)とは広告の飛び先となるページのことで、広告で集めたアクセスをCV(特定の成果)へとつなげる役割を持つ。サービスサイトのTOPページをLPとして使うこともあれば、1枚のみのページを作成して使うこともある。

このLPの制作が実はデジタルマーケティングの要であるものの、非常に奥深いため解説はまた別途設けたい。

そしてLPO(ランディングページ最適化)とは、一度作ったLPを実際に広告で回し、その成果を見てLPの改善を続けることで効果の高いLPへとブラッシュアップさせていくことを指す。

やろうと思えばいくらでも改善できてしまうが、成果を出すのであればポイントは絞った方が良い。具体的には、「ファーストビュー」と「オファー」の2点に絞ろう。

ファーストビューは一番はじめに見える場所、つまり一番上のことであり、商品・サービスのキャッチコピーがある。つまり、「訴求」の改善をするのがファーストビューだ。

「誰に何を伝えるか」がマーケティングの根本であるため、ファーストビューをどのように作るかで成果は大きく変わることが多い。

そして、オファー設計も成果が大きく変わるポイントだ。例えば問い合わせを資料請求にしてハードルを下げるだけでも成果は変わるし、「◯日までに資料請求をいただいた方に◯◯を特別プレゼント」といったように期限を設けるだけでも成果は変わる。

本記事でも解説したようにオファー設計はその後の営業活動にも関わるため慎重に設計をしなければならないが、その分成果を大きく変えられるメリットもあるため、デジタルマーケターはまずこのオファー設計=LPOに注力することをおすすめする。

注意点としては、どこまでこだわるか。この点についてはネイティブアドの項目でも話したように「必要なCV数を必要なCPA以内で取ることができているか」で判断すれば良い。

よりCPAを安く!と考えLPOに注力しすぎるよりも、必要なラインをクリアしたら次のステージに進むほうが効果的だ。ここのバランス感覚がついているかといった点で、デジタルマーケターとしての経験値が問われるだろう。

>>LPO(ランディングページ最適化)について(coming soon)

16.EFO(入力フォーム最適化)

EFOとは、問い合わせや資料請求をしてもらうのに使うフォームを最適化する施策だ。

一般的に入力項目の数が少ないほど成果は高くなる傾向にあるが、当然項目を減らせば問い合わせの質の低下や、その後の営業のしやすさが変わってくる。そのためオファー設計と同じように慎重に考え設計しなければならない。

また、項目の数意外にも入力のストレスがかからないようなUI/UXのデザインも重要となる。当然ではあるが、入力フォームに訪れる人が多ければ多いほどわずかな数値の改善で成果は変わるため重要な施策だ。

とは言え、ある程度入力フォームのセオリーは確立されているため、最適化以前に初期設計の段階でしっかりとこだわってフォーム制作をすることをおすすめする。

EFOが必要な場合は、初期に適当に作ってしまった際に行うことがほとんどで、最適化よりも作り直しするパターンが多いのではないかと推測している。

フォームの入力完了率は非常に重要な要素であるため、初期から妥協せずに制作しよう。

>>EFO(入力フォーム最適化)について(coming soon)

以上で本編終了となる。

デジタルマーケティングのプロセス、全体像を視覚的に理解する

ここまで20,000字を超えたコンテンツをお読みいただきありがとうございました。
おそらくデジタルマーケティングのおおよその流れについてはご理解いただけたのではないかと思います。

しかし上記で紹介してきましたように、デジタルマーケティングの手法は様々あり、一見複雑に見えます。

そこでデジタルマーケティングのプロセス、全体像を視覚的に理解できる資料を今後用意したいと考えています。

また、現在(comming soon)となっているリンクについては、随時コンテンツを追加していく予定です。

コンテンツの更新については私のTwitterアカウント(@t_ogawa19930126)でお知らせしてく予定ですので、良ければフォローしてみてください。

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