ライフタイムバリュー(LTV)とは?計算方法から戦略までを紹介!
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初めまして!ITプロパートナーズ デジタルマーケティング部の小川です。
早速ですが、以下のような課題に直面した方がこの記事にたどり着いているのではないでしょうか?
・上司から「このサービスのLTVは?」と聞かれたが答えられなかった
・会議中にライフタイムバリュー(LTV)という言葉を耳にしたがなんの事かわからなかった
ライフタイムバリュー(LTV)はあらゆるサービスで売り上げに直結するような重要指標となる概念です。そのため、これを機にしっかりと学んで「もうわからない!」とならないようにしましょう。
この記事では
・そもそもライフタイムバリュー(LTV)とはなにか
・ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法
・ライフタイムバリューを伸ばすための戦略
を中心にご紹介させて頂きます。
それではいきましょう!
※これ以降、場合によってはライフタイムバリューをLTVと略称させていただきます。
目次
ライフタイムバリュー(LTV)とは?
LTVとは、1人の顧客が一生のうちに自社商品・サービスをどれだけ購入または利用してくれたのかを示す値のことです。日本語で表すと「顧客生涯価値」という言葉に訳されます。
LTVは、一生に一度の買い物(家の購入や結婚式など)ではあまり重要な指標として扱われない一方で、1人の顧客が一生のうちに何度も訪れる小売店や飲食店などでは、極めて重要な指標となります。
また、インターネットサービスの流行により生まれた「月額定額制のWEBアプリサービス」などもLTVが重要になるビジネスの1つです。1顧客あたりの平均利用継続率をいかに伸ばしていくか、各社が頭を悩ませています。
ライフタイムバリュー(LTV)が注目された背景
LTVという考え方は、CRM戦略を定量化して考える(KPIに落とし込む)手法として広く用いられるようになりました。(※CRM = 顧客関係管理 とは・・・顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略。)
1960年代からバブル期まではあらゆる市場が成熟していなかったため、まだまだ安価で新規顧客を獲得できる状況にありました。
しかしながら、2000年代に入ると企業側の新規プレイヤーが続々と市場に参入してきた結果、安価で新規顧客を獲得するのが難しくなったのです。
あなたはもし、新規顧客の獲得が難しくなった場合どうするでしょうか?
商品単価を上げて利益を保つ、既存顧客のリピート購入を促す、前述した定期購入型であれば1顧客の平均継続率を伸ばすなど、いくつかの方法が考えられますよね。
このような背景から、ただ新規顧客に商品を売れば良かった時代は終わり、商品の購入後の顧客関係管理=CRMについて考える必要性が出てきたのです。
ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法
これまでのトピックでLTVについての理解を深めて頂けたかと思います。
そこでこのトピックでは、LTVを実際の事業へ活かすための計算方法をご紹介します。
商品やサービスによってLTVの計算方法は異なります。
全部で3つの方法があるので、自社に合った方法を選択しましょう。
①LTV = 平均顧客単価 × 平均購買頻度 × 平均継続期間
LTVの計算方法として最もポピュラーなのがこの計算式です。
比較的簡単なLTVの計算式なので、ぜひ使ってみてください。
例)
¥90,000(LTV) = ¥6,000(平均顧客単価) × 年5回(平均購買頻度)× 3年(平均継続期間)
②LTV = 顧客の年間取引額 × 収益率 × 顧客の継続年数
1社あたりの収益/利益を考える方法です。
こちらの計算方法もそこまで複雑ではありません。
先ほど紹介したやり方と比較して、自社に合う方を選択しましょう。
例)
¥1,500,000(LTV)= ¥1,000,000(顧客の年間取引額)× 50%(収益率)× 3年(顧客の継続年数)
③(平均購買単価 × 購買頻度 × 継続購買期間) - (新規獲得費用 + 顧客維持費用)
こちらのLTVの計算方法は主にBtoBの商売をしている会社が利用するのに適しています。
先ほど紹介したLTVの計算方法よりも変数が多く少し複雑ですが、覚えてしまえば便利に使えるので、ぜひ理解しましょう。
例)
¥170,000(LTV)=¥5,000(平均購買単価)× 12回(年間購買頻度)× 3年(継続購買期間) – ¥7,000(年間新規獲得費用)+ ¥3,000(年間顧客維持費用)
ライフタイムバリュー(LTV)を向上させるための戦略
さて、計算方法がわかったらいよいよLTVを向上させるための戦略を学びましょう。
LTVを向上させるためには基本的に以下3つのステータスを上げる必要があります。
・顧客単価
・購入頻度
・継続率
しかしながら、納得できる理由もないまま顧客単価を上げるという方法は、一般的に顧客からの印象を悪くする恐れがあるので、個人的には愚策だと思っています。そこで今回は購入頻度と継続率を高める方法をご紹介しますね。
ちなみに先ほどのトピックでLTVが注目された背景として、CRM施策と相性が良い事をご紹介させて頂きました。そのため、当然LTVを向上させるためには商品購入後のCRM施策に注力する必要があると考えるでしょう。
しかしながら、CRM施策をどれだけ頑張っても購入頻度や継続率を伸ばしにくい見込み客を集めてしまっていては本末転倒です。そのため、今回の戦略は入り口のマーケティング施策から改善した方が効果的であるという前提でご紹介しております。
集客の段階でチャネルや媒体にこだわろう
購入頻度や継続率を上げるため、まず初めにすべき事はマーケティング戦略の改善です。
もっと具体的に言うと、「どのチャネルや媒体で見込み客を集客するのか」を見極める事が非常に重要です。
なぜなら、集客をするチャネルや媒体により継続頻度や購入頻度に大きな差が生まれるからです。
例えば、あなたがプロテインを作る会社の人間だとしましょう。そして、顧客の集客方法としてテレビCMを利用していたとします。
確かに、テレビCMはより多くの見込み客にリーチできるため、決して悪い集客方法ではありません。しかしながら、CMを見て購買する顧客の多くは「なんとなく試してみようかな」という方がほとんどです。そこまで強くプロテインを強く望んでいる訳ではありませんよね。
一方で、「Youtubeで筋トレ動画を毎日見ている」といった見込み客の場合、彼らにとってプロテインは明確に必要なものになるため、継続率と購入頻度は桁違いに向上します。
そのため、LTVを向上させるためには「どのチャネルや媒体で見込み客を集客するのか」について考える事が非常に重要なのです。
※デジタルマーケティングの戦略について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照ください。
ファンになって貰うための付加価値をつけよう
どのチャネルや媒体で見込み客を集客するのかについて答えを出せたら、次に考える事は「どうすれば見込み客は継続的に高頻度で自社の商品を購入してくれるのか」についてです。
なぜならば、恐らくあなたが選んだそのチャネルや媒体には、似たようなサービスを販売している競合がいるはずだからです。
それら競合を出し抜いて自社の商品をアピールするためには付加価値をつける事が重要です。
例えば、自社商品のパッケージに今人気の漫画キャラクターをプリントするといったコラボ企画は良い案ですよね。
仮に漫画キャラクターの人気が廃れたとしても「一度あの漫画とコラボした商品だから他の類似商品よりも愛着がある!」といった事になりやすくなります。
現に多くの企業が ”他商品・サービスとのコラボレーション” という方法を採用しているので、ぜひ試してみてください。
ライフタイムバリュー(LTV)を向上させた戦略の成功事例
さて、これまでのトピックで
・そもそもライフタイムバリュー(LTV)とはなにか
・ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法
・ライフタイムバリューを伸ばすための戦略
について学んで頂いたかと思います。
この記事の最後に、戦略を実践して成功した会社の例をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
A社:集客媒体を変えてLTVが飛躍的に向上
A社は「お気に入りの写真を可愛く加工してシェアするサービス」を営んでいる会社です。
以前は若者ウケを狙いティーンモデルをイメージキャラクターにし、TikTokへ広告を出稿していました。
その結果、一定の集客効果はあったもののすぐにサービスを使わなくなるユーザーが続出。
そのためすぐにデジタルマーケティングのコンサルタントを向かい入れ、「集客媒体をInstagramにした方がいい」というアドバイスのもと実行した結果、飛躍的にLTVが向上しました。
TikTokは動画共有アプリ。Instagramは画像シェアアプリなので、サービスの機能的な親和性が高かった事が飛躍的にLTVを上げた要因でしょう。
※デジタルマーケティングのコンサルについてもっと役割が知りたい!少し相談したい!と思われる方はこちらの記事を参照ください。
KIRIN:会社や商品のファンになって貰うことでLTVを向上
KIRINのマーケティング戦略の一環である「KIRIN Home Tap」をご存知でしょうか?
KIRINでは小売店を通さずに鮮度の高いビールを直接届けるサービスを実施しており、予約待ちが出るほどの人気ぶりです。
この施策で、「より美味しい生ビールを飲みたい」というビール愛好家の心をがっちり掴み、KIRINへの愛着は飛躍的に向上しました。結果的にKIRIN商品のLTV向上へ繋がったのです。
小売店を通すような商品を販売している企業の方であれば十分参考になるのではないでしょうか。
ライフタイムバリュー(LTV)は商品・サービスへの愛着が重要
これまでの流れでLTVを向上させるための戦略についてご紹介させて頂きました。
もちろん戦略は極めて重要です。しかしながら、良い戦略を活かすためにはKIRINビールのような愛着を生み出す商品やサービスが必要不可欠です。
LTVの向上は、顧客の商品・サービスへの愛着(エンゲージメント)の量と比例します。
そのため、LTVを高めるためには、ユーザーに愛され続けるための企業努力が必要なのです。
例えば、値段を安する事も商品やサービスへの愛情に繋がるかもしれませんが、個人的にはApple, Inc.やDisney, Inc.のように「ブランド自体が愛される」状態を作れるのが理想だと思います。商品やサービスの利便性は簡単に真似されますが、ブランド価値はそう簡単に真似できるものではありません。
機能の改善だけが、LTVを高めるための打ち手ではない事を留意しておいてください。
戦略を駆使してLTVを向上させよう!
いかがでしたでしょうか。
今回は、
・そもそもライフタイムバリュー(LTV)とはなにか
・ライフタイムバリュー(LTV)の計算方法
・ライフタイムバリューを伸ばすための戦略
についてご紹介させて頂きました。
一生に一度の買い物を扱っている会社ではあまり意味の無い指標かもしれません。しかしながら、多くの商品やサービスは顧客に何度も何度も購買・利用して貰う余地があるのではないでしょうか。
ぜひこの記事をきっかけに、LTVの向上を目指してみてください!
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